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26話-オーストラリア引きこもり生活
オーストラリアでの生活は、私に道場で指導する以外に特にやることはなく、私は引きこもりがちになった。
やはりわからない言語の中で過ごすのは億劫だったし、私は使命感がないと基本アクティブではないのだ。
やらなくてもいいと言われたら何もしないし、やらなければいけないと分かっていたら必ずやる。
しかしオーストラリアに来て、人とコミニケーションを取ること自体は強制ではなかったので、私は指導以外は極力部屋から出なかった。
毎日3時間の柔術クラスは楽しかったが、それ以外は楽しくなった。
そこで私は筋トレをすることにした。
ジム内の設備はとても良かった。
トレーニングジムと道場は同じエリアにあったので、私は毎日3時間ぐらい筋トレしていた。
家に帰ってからまた腕立て伏せも始めて。
なぜか自分と向き合う時間を急に作り始めた。
ベンチプレスはやったことはあったが、デッドリフトやスクワットをどれだけ記録を伸ばせるか興味があった。
毎日柔術の指導をして筋トレをして寝る日々だった。
ある時期からアメリカンアーミーの家にホームステイすることになり、自炊する習慣ができた。
料理は面白かった。
最初にハマったのはパスタ作り。
私は一度一つのものを作り出すと1ヶ月ぐらいは同じものを作り続け、どの味付けが美味しいか研究に研究を重ねた。
焼きそば→野菜炒め→オムライス→チャーハンと男飯の究極を求めた。
まー全てにおいて言えることはそれぐらい暇だったのだ。
しかし、私の体は筋トレと料理でみるみる大きくなり68kgあった体重が75kgになっていた。
ベンチプレスも150kgデッドリフトも230kgは挙がった。
倒立腕立てふせも50回ぐらいはゆうにできたし、懸垂も80回ぐらい連続で出来るようになった。
吊り輪で十字懸垂もできるようになった。
スクワットだけ苦手でどうしても伸びなかったが筋肉トレーニングに没頭したのはこの時期が一番だった。
そして私は完璧な引きこもりトレーニーとして完成されていた。
日曜などの仕事がない日は誰とも喋らない日は独り言をよく言っていた。
今考えると気持ちが滅入っていたのかもしれない。
今は一人の時間がとても嫌いだ。
もう二度とあのような経験はしたくない。
しかしそんな私にも徐々に友達のような人たちが出来始めた。
その人たちにバイトも紹介してもらい、町の清掃というバイトを一日トラックを走らせ町中のエリアを掃除するのもなかなか楽しかった。
しかしこのアリススプリングスには私の嫌いなものもあった。