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37話-全てのはじまり

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マリオ・ヘイスから2ポイント取った私は

トップをキープ。

するとものすごい正確さで三角を取られた。

私は前傾姿勢になり腕を張り守る体勢へ。

数分間はこの形に入れられた。

ヘイスの脚はガッチリ三角ロックを組んでいて

細い脚がそれをさらに深く食い込ませた。

苦しかったが締めは最低でも

落ちれば良いだけなので耐えれる所まで耐えた。

するとヘイスは脚が疲れたのか

クローズドガードに戻してきて

そこからオモプラータへ。

腕を極める方向にシフトチェンジしてきた。

あと2分と言う声がかかる。

(あと2分耐えれば俺が伝説越えする!)

(カップラーメン出来る前に俺が勝つかも!)

と意味不明な事考えながら期待感が高まった。

しかしヘイスはここから更に力を出してきた。

多分王者の意地だったのかもしれない。

私はオモプラータに巻き込まれて

前転しながら腕十字を極められた。

悲しいかな。残り時間は1分を切っていた。

私が逃した魚はとてつもなくデカかった。

試合が終われば結果は一回戦負け。

何が足りないんだろう?と考えた。

もっと強い練習環境が必要だった。

茶帯や紫帯でなく私が勝ちたい相手はその世界の頂点だ。

今の環境では噛み付く事は出来ても牙が弱すぎると思った。

どうすれば強くなれるのか?目の前の道が全く見えなかった。

はぁー負けたーと嘆いていると目の前で芝本さんと強さんが話していた。

「実はトライフォース青山にもう一人スタッフを雇おうと思ってまして、どこかに強くて若い奴いませんかねー?」

と強さんが言っていた。

それを斜め後ろの席で聞いていた私は呟いた。

「俺が行ってもいいですか?」

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