30話-ダイエット成功の秘訣
前回の大会の時点でライト級で試合をしてはいたが70kgで試合をしていた。
帰国した時より5kgも痩せていた。
それはやはりランニング効果があったからだと言えるだろう。
いつも昼休みの1時間内に5kmは走り余裕がある日はそのあとにさらに5km走った。
ご飯を食べることは極力抑え代わりに千切りキャベツを食べていた。
それでみるみる体重が落ちた。
たまにどうしても食欲を抑えきれない時があったが、食欲を抑えきれない日は腹十二分になるぐらい食べた。
その代わり次の日は倍走った。
それで私はどんどん痩せた。
1ヶ月に3kgずつ落ちていき65kgまでは意外と簡単に落ちた。
始めは5km走30分かかっていたが、その頃には5km走で16分や17分ぐらいで走れるようになっていた。
その頃にまたもう一試合出てみた。
その試合でアサダトシオさんと戦った。
私はいきなり引き込みハーフガードからスイープ。
上になるとアサダさんがフックガードを作って来たので、
得意のフックパスからの袖車をセット。
相手がエビしてクローズに戻したところを
袖車締めを締め切って一本。
しっかり一本勝ちすることができた。
アサダトシオさんは当時から国内では有名選手だったのでここでやれて良かったと思った。
そして次に戦ったのが塚田さん。
塚田さんも当時から有名選手だった。
私は一回戦と同じように引き込み
ハーフを作ろうとしたがかわされパス。
それにカウンターでタックルを合わせて
テイクダウンしたがポイントが入らなかった。
私の計算が少し狂ったと思ったが、
試合中にそれを考えるのは邪推なのですぐに振り切った。
その後もかなり動き合ったが、
結果はアドバンテージ一つで負けた。
私は最初のスイープを取れなかったことを悔やんだが、そう言う事ではないとすぐに思い直した。
と言うのも心のどこかで慢心があったのだと思う。
私は最近勢い付いているからこのまま押し通せるだろうと思っていた。
しかし塚田さんと言う壁がそれを気づかせてくれたのだ。
私の人生はいつもそうだ。
調子に乗ると必ず鉄槌がどこからともなく下る。
そうやって気付いては繰り返して強くなっていくのだ。
絶対無敗の王者ではないかもしれないが一つずつ気がついていけばいいと思った。
試合が終わりまた一から繰り返しだなと思いながら、帰ったその日にランニングシューズを履いて負けた悔しさを噛み締めながら夜道を走った。
私はどんどん痩せていった。
と言うのも私はライトフェザー級を目指していた。
自分がどこまで体重を落とせるのか調べてみたかったからだ。
柔術の体重カテゴリーは基本6kg刻みなのだが、68kgから62kgの壁は本当に地獄のような日々だった。
私は65kgを切るために地獄の門に立った。