スウェーデン子育て・保育・教育ワークショップ Part3
スウェーデン在住で保育士・巽朝菜さんをオンラインでお招きし、「スウェーデンの子どもたちの日々の暮らし」から、参加者の皆さんの日々の実践のヒントを得る対話的・体験的ワークショップ!
Part2では、絵本「がらがらどん」からスウェーデンの価値観や子ども観を紐解きました。さぁ次はどんな学びがあるでしょうか?
リアルな父親のモデル
スウェーデンは、1974年に、世界で初の育児休業制度を導入しました。導入当初は、父親の育休取得がすぐに広がったわけではなく、1995年時点でも男性の取得率は10%に満たないものでした。その後、スウェーデン政府が導入した「パパ・クオータ制」が取得率を上げた要因とされています。「パパ・クオータ制」とは、両親に割り当てられた育休日数(子が8歳になるまでに両親合わせて480日間取得可能)のうち、男性が取得(90日)することで給付金を受け取る権利が得られるという仕組みがあります。つまり、90日は男性が取らないと損をするということです。国がここまでしているのが、まず驚きです。
ちなみに、日本はユニセフが発表した先進国の育休・保育政策等を評価したランキングで、育児休業制度が世界1位となりました。(2021年6月)
しかし、スウェーデンと日本の育児休業制度において、自由度に大きな違いがあるようです。スウェーデンの子育て環境に追いつく日を自分の子どもたちが子育て世代になるまでには整えたいですね。
朝菜さんがお話の中に、育休中の父親と子どもの毎日を追った写真家・ヨハン・ベーヴマン氏の「スウェーデンのパパたち」を紹介していただきました。同氏の写真からは、育休中の素直な日々の父親の様子を窺うことができます。家事育児完璧のイクメンのような父親のモデルではなく、日々育児をしている父親の普段の様子を見せることで、これから父親になる方にはいい参考になると思います。そもそも、育児をしたらうまくいかないことだらけ!
また、子育て中の父親も、「あ!これは私も一緒だ!」と一人で育児に悩む父親の一筋の希望の光にもなると思います。
朝菜さん:「スーパーヒーローではなく、”リアルな父親のモデル”」を提示していくことが大切。
日本には、「昔の父親像」という価値観が無意識的に根深くあるように思えます。価値観は時代とともに変わります。父親の価値観や規範を崩していき、いろんな父親のモデルを創っていくことは重要ではないでしょうか?
いろんなモデルがあれば、育児で悩む父親の救いになると思います。
朝菜さんのこの言葉を聞いて、シンガーソングライターの浜田省吾さんの「I am a father」の曲を思い出しました。この曲の歌詞にも似たような歌詞が出てきます。是非、聴いてほしい曲です!
朝菜さんのお話の中で、スウェーデンの男性の育休取得率は約9割、平均取得期間は3.8ヶ月とありました。私の率直な感想は、意外と取得期間は短いなと感じました。取得率9割は確かにすごいことです。しかし、1年くらいは取ってるイメージだったので、取得期間の短さに驚きました。この取得期間の背景も知っていくと興味深い学びがありそうです。もしかしたら、日本より育休取得の自由度(8歳まで)があるので、いろんな取り方があるのかもしれません。知れば知るほど面白いスウェーデンの子育て環境!
スウェーデンに行きたい!!
Part4につづく・・・Tack!