「うちの間取り、これでいいの?」
こう思いながらお家作りを進めている方は多いのではないでしょうか?
・間取りの提案はしてもらったけれど、なんとなくしっくりこない。
・要望を伝えているのに盛り込まれていない。
・自分では気が付かない部分で不具合があるのでは?
・提案してくれる担当者が建築士ではなく、少し不安。
・要望通りにはなっているが、こんな素人の要望通りでいいのか?
などなど、ほとんどの人にとって一生に一度のお家づくりには間取りに関してだけでもたくさんの不安がつきものです。
そして常々思っている答えはこうです。
きちんと設計のできる建築士さんに相談しましょう。
「なんだそれは」
「当たり前じゃないか」
「読んで損した」
「帰れ」
「金返せ」
カランカラン
「痛い、痛い」
ものは投げないでください。
確かにそうです。そうなんです。
まあまあ落ち着きましょう。
その当たり前のことができない状況が今の住宅業界にはあるのです。
なぜかというと、今の住宅業界のシェアのほとんどをハウスメーカーやハウスビルダーと呼ばれる企業が占めています。
私も10年ほどその業界にいたのでわかるのですが、一般の方がお家づくりを考え始める場合、近所の住宅展示場などに行きます。
紹介などでない場合、そこで最初に出会った営業マンが担当となります。
そのほとんどは特に建築などは学んでいない文系の方が多いです。
また、一度担当になると基本的にはお客さん側から強い要望がないかぎり途中で担当者の変更はしないという、ホストのような謎ルールがあります。
そしてほとんどの場合、営業マンがヒアリングを行い、提案する間取りもそんなに特殊なものでない限り営業マンが作成します。
なぜならハウスメーカーの中での設計課という部署での基本的な業務は、営業マンが決定した間取りの施工図(その建物を建てるためにプレカット工場や各種業者へ渡す図面)を作成することに重きを置いているケースが多いのです。そして設計担当者の人数も営業マンよりかなり少ないので、一件一件設計者が直接ヒアリングをしてプランニングを行うことができないという現状です。
もちろん、営業マンはコミュニケーション能力が高く、気遣いもできるため、気持ちよくお家づくりを進めることができ、問題ないことの方が多いかと思います。
ですが、中には設計のための知識や技術が乏しくなかなかうまく進まないケースが発生します。
その時に、はっきりと「頼りないのできちんと設計のできる建築士さんを呼んでください。」と言えればまだいいのですが、その後の関係も気まずくなってしまうのもありなかなか言うことが難しいですし、設計担当者が出てきたとしても、あくまでも同じ社内の人間同士なのでそのまま進めようとする力が働いてしまうこともあります。
そうなってくるとせっかく会社としては気に入っていたのにまた別の会社で検討しようかとなってしまい、それまでの労力や時間を無駄にしてしまうことになります。
そうならないためにも
きちんと設計のできる建築士さんに相談しましょう。
となるわけです。
なんとなくご理解いただけたでしょうか?
本当をいうと個人的にはお家づくりを検討する際には、住宅展示場などに最初に行くのではなく、ネットや見学会などで事例を確認しながら同じエリアの相性の良さそうな建築設計事務所に相談してほしいと思っています。
なぜなら建築設計事務所は建築設計の専門家です。
真面目な設計者は日夜建築設計の勉強をしています。
もちろん優秀な営業マンも勉強していますが、その多くは販売するための勉強であって、良い建築とは何かということを考えて勉強している人はかなり稀だと思います。
設計者の視点は広く、伝えられた要望だけでなく、その裏にはどういう心理があるのか、将来どのように変化し使われていくのか、周辺環境や地域の気候はどうなのか、社会や人間にとって住まいとはなんなのか、など数え上げればキリがないほどの広い範囲のことを考えながら建築設計を行なっています。
私は同業者ですが、多くの志のある他の建築設計事務所の方々をリスペクトしています。
多くの人はたくさんの書物を保有し、日夜研究し、新しいことにチャレンジしています。
多くの設計者は目先のお金ではなく、自分の信念を優先し、真摯に建築設計と向き合っています。
きちんと設計のできる建築士さんに相談しましょう。
まだまだ設計事務所へ足を運ぶというのも抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
設計事務所では、最初のリサーチや提案の費用が必要なケースもあると思います。
ですが、建築設計事務所は必要な業務を行いそれに必要な費用の請求を行なっています。
最近は特にハウスメーカーやハウスビルダーのように本来必要な項目である設計料という項目をブラックボックスにしてしまい、ないもののように扱っているケースが多いのも現実です。
また多くのハウスメーカーは多くの人に無料で間取りの提案を行います。
でも考えてみてください、その方達は給料をもらっています。
ではそのお金はどこからくるのでしょう、それらの費用は契約をした人達の代金の中に含まれます。
どちらが健全でしょうか?
別にそれらの会社の悪口が言いたいのではありません。
どこでお家づくりを進めていくにしても一生に一度のお家づくりですので、気持ちよく、楽しみながら進めていっていただければと心から思っています。
この記事を読んでいただいた方が今後どのような判断をされるかはもちろん自由ですが、建築設計事務所というものがあって、それは特殊な建物ばかりを考える人ではなく、自分がお家づくりを考える際にも気軽に相談できる相手なのだと頭の片隅にでも残っていてくれれば嬉しく思います。
また、間取りに不安が発生した時の対処法のひとつとして間取りのセカンドオピニオンサービスというものがあります。
第三者的な立場で間取りのチェックや修正を行うことができますので、不安を解消して少しでも気持ちよくお家づくりを進めていくための一助となれば幸いです。
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