3分間スピーチの作り方
まもなく新入社員が社会へと羽ばたきます。
私は毎年新入社員研修講師という立場で、彼らと接します。
受講者である新入社員にとって、私は「初めて本格的に接する社会人」ですから、手は抜けません。
彼らがこれから30年以上社会で生きていく術を、IT技術以外にもたくさん伝えていきます。
その中の一つが「3分間スピーチ」です。
実はスピーチの組み立て方にはルールがあります。
そのとおりに作り上げれば、それなりのものができてしまうんですね。
最初は定型どおりにやってみましょう。
少しずつオリジナリティを追求していけば、どんどん上手になります。
まずは基本形をこの記事で紹介しますので、やってみてください。
では、いってみましょう。
①日常に目を向ける
自分の生活の中で、感情が動いた出来事を覚えておきます。
怒ったこと。
嬉しかったこと。
悲しかったこと。
なんでもかまいません。
できるだけたくさんネタを仕入れておきましょう。
中には使えないものもたくさんあると思います。
質よりも量を追求する姿勢が大切です。
量が増えると忘れてしまいます。
人間は忘れる生き物なのでメモを取っておくといいですね。
②理由を考えよう
感情が動いたからには、それなりの理由があるはずです。
なぜそう感じたのか?
そう思った理由は何なのか?
自分のスタイルと異なるからかもしれません。
あるいは常識に照らし合わせて判断したのかもしれません。
理由がわかったら、①の事実と②の理由を結び付けましょう。
ここも簡単にメモに追記しておきましょう。
③仕事ならどうか
①と同じようなことが仕事で発生したらどうかと考えます。
例えば私生活の自分と、会社という組織の一員としての自分は異なります。
立場が異なれば、考え方や反応も当然変化します。
仕事中に同じような状況になったら、自分の感情はどう動くのか、そしてどう行動するのかを考えてみます。
ここは仮説で構いません。
自分なりの考えをまとめてメモしておきましょう。
④考察
③を踏まえて、考察を行います。
仕事ならこう反応する、行動すると想定できるはずです。
さらに、経験から学んだこと、決意、気持ちの変化などに関して述べましょう。
聴者になるほどと思ってもらえる教訓めいたものを話すと締まります。
あまり偉そうに語ると鼻に付くので、控えめがいいでしょう。
では、例です。
①日常に目を向ける
先日通勤電車の中で、大声で仕事の電話をしている人を見かけました。
会社名、役職、個人名などが聞こえてきて、聞いているこちらがハラハラするほどでした。
先月までの大学生の私が同じシチュエーションに遭遇しても「うるさいなあ」ぐらいにしか感じなかったと思うのです。
それが先日はハラハラ、ヒヤヒヤしながら聞いていたのです。
②理由を考えよう
なぜだろうかと、理由を考えてみました。
その答は、先日まで受講していた新入社員研修の中にありました。
研修前半のヒューマン研修において、学生と会社員との責任の違いについて学習しました。
自分の考えをまとめたり、チーム演習で他者の意見を聞く中で、社会人としての自覚が少しですが芽生えたと思っています。
また、セキュリティの大切さや、インシデント発生の重大さについて知識として学び、理解しました。先ほどの電車での事例は、インシデントにつなる可能性が高いのではないでしょうか。
そして思ったのです。
立場が変わったり、知識を身に付けたりすると、同じような状況においても感じ方・考え方や・行動が変わるのではないかと。
③仕事ならどうか
私はこれから配属が決まって、実務を行うようになります。
通勤時に電話で急ぎの対応を迫られることもあるかもしれません。
そのような場合に、果たして適切な行動をとれるのだろうか。
そう自問した時、「自信がない」というのが現状です。
しかし、それでは会社やお客様に迷惑をかけることになってしまいます。
④考察
ですから、今のままではダメだと強く思いました。
そうならないようにするためには、何をどうすればいいかも考えました。
研修というものは一度受ければ終わりではありません。
そこで得た知識や経験を日常業務に活用してこそだと思ったのです。
早速、その日から研修の内容を復習しました。
自分の行動に反映するにはどうすればいいのかを考え直しました。
これから少しずつですが、その成果をお見せしていきます。
もしできていないことなどがあれば、ご指摘ください。
その度に考え、改善していく所存です。
はい。こんな感じですね。
常にスピーチをするつもりでいれば、ネタは無限に見つかります。
俗にいうアンテナが立っている状態が常態化します。
メモを取ることも至極当たり前になり、やがて習慣になります。
あとはルールに従って原案を作り、少しずつアレンジしていけばいいだけです。
これから社会にはばたく人たちの一助になれば。
いただいたサポートは、おじさんの活動費としてとんでもなく有用に使われる予定です。