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キャンピングカー

 今回はキャンピングカーについて書いてみる。日本でいうキャンピングカーはきわめて広義であり、いわば最大公約数的な言葉で表すならで宿泊できるクルマであろう。
 欧米と日本ではキャンピングカーの利用形態もシチュエーションも大きく違っており、欧米型の本格的キャンピングカーは日本ではほとんど走っていないし、せいぜいキャンプ場に固定され使用されているぐらいだ。
 バカンスシーズンのある欧米と比べ日本の休日形態は規則的でせいぜい年に一回10連休がある程度。キャンピングカーを運転して、自炊で連泊するぐらいなら海外の安いツアーにでも行った方が全然快適で安いのだから、あまり需要がないのも頷ける。それでも山や海や湖畔などで大自然とアウトドアという方はコテージなどを借りることが出来るし、富裕層はそもそもそういうところに別荘を持つだろう。
 それではキャンピングカーの魅力とは一体なんだろう。それは結論からいうと己の力で己の行きたいところに行ってそこで己の知恵と力で快適に過ごしてやろう!という自己満足的な個人完結型の満足感なのだ。
 つまり、電車や飛行機で行ってホテルや旅館に泊まるような「普通」では満足いかない、あるいはもしかしたら、そういう達人に見られたい人の需要なのかもしれない。
 そういう方たちの思考はおいらが想像するだに、キャンピングカーまで持つキャンプの達人である凄い自分!テントやコテージ借りてる人たちとは格が違う自分!自然を理解し自然と共存することを実践している凄い自分!
 まあ、こんなナルシストもそうはいないと思うが、少なくとも根底にそういった意識がないとなかなかキャンピングカーを持つところまで行きつかないのが日本の現状である。
 でもって今日本で、ちょっとしたブームなのが、仮眠できるスペースがあるお一人さまもしくは1ペア用の軽自動車である。まあ、トイレはおろか洗面設備さえないものだが、日本ではこれもキャンピングカー的なクルマとして認識される。
 特に団塊の世代の夫婦に人気があると言うことだが、超規則正しいサラリーマン生活が終って自由な時間を持て余したひとが多いという。まあ夫婦別々に違う趣味にはまるよりこちらの方が良いだろう。ちょっとした自由気ままが味わえるのも魅力なのだろう。
 あまりにはまり過ぎて一年中この軽自動車で全国を回るような強者もいるそうで、他者から見れば自動車生活者?と見られようが関係ない。日本は平和なのである。
 キャンピングカーの定義をここで展開しても始まらないが、少なくとも数人分のベッドとキッチンとシャワールームやトイレぐらいは備わっていないとキャンピングカーとは言えないよなあ。
 海外セレブ御用達のキャンピングカー的乗り物は日本の軽キャンパーとは対極にあるもので大型トレーラーの中は走るリビングルーム。バスもトイレもキッチンもホテル並みだし、もちろんドライバーは専属がいるので車窓を楽しみながらワインだってOK牧場。
 さらにはその長いホイールベース間には2シータースポーツカーが収納されていて、気が向けばいつでもドライブを楽しめると行った趣向だ。これは想像するにホテルのように自分のプライベートを他人にさらすことなく、身内だけで過ごせるというところがセレブの食いつきどころなんだろうなあ。
 日本のように本物のセレブもいるけど、鼻につくエセレブ(似非セレブ!おいら考案)が多い現状では、セレブぶりを人に見てもらいたい人の方が多いんだろうなあと、一庶民は考えるわけだ。
 少しはまじめなことも書かないといけない。いわゆるキャンピングカーは大きく分けて自走式と牽引式とに分類される。自走式はその名の通り運転席がついていて自ら走れるものをいう。牽引式は自動車に牽かれるタイヤのついた付随車である。トラックのトレーラーのように車輪にブレーキがついていて牽引する自動車のブレーキと連動してブレーキが利くものと、単に連結されているだけでブレーキはついていないものがある。
 後者である場合は急ブレーキなど緊急事態の折、牽引されている車は不安定で、大きく横に振れ出したり場合によっては横転してしまうことさえあるので注意が必要だ。
 自走式のキャンピングカーは、はじめからキャンピングカーとして設計製造されたものと、ピックアップトラックやワンボックスの乗用車、あるいは大型のトラックまたはバスを改造して製作されるものにわかれる。いずれも保安項目をクリアすれば8ナンバーの優遇税制でキャンピングカーとして登録可能である。が、個人でこれを登録し維持するのはよっぽどキャンプが好きでないとね。
 例えば会社の福利厚生とかレンタルビジネス用車としてなら需要は多少あるだろうが、日本ではマイナーな存在なのである。というわけで日本独特の文化として軽自動車のキャンピングカーが成立するのであろう。

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