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ADHDを追加でどうかひとつ --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

ダウン症というと、おとなしくてニコニコしていて動きもゆっくりというのが定番のイメージだが、数%程度の割合でADHDを併発することがある。
うちの息子がまさにその例で、ADHDの薬を一年半以上飲んでいる。
ちなみに同じような話で、ダウン症と自閉症は併発しないと思っている人が多いようだが、これまたある割合で併発する。

息子はとにかく元気であった。生まれる前から、足で母親のお腹を蹴っていた。
生まれた時も、普通ダウン症の赤ちゃんは産声が小さいと言われるが、それはもう大声で泣いて、体重測ろうとした助産師さんの服のポケットを掴もうとしてみたり、元気なものだった。NICUに入っていた時も、あまりにも蹴りまくるので周囲をタオルで囲まれていた。ダウン症の赤ちゃん体操に行っても、他の子よりも足の力が強く、元気な子供だった。

ただ大きくなってくると困ったことはあって、まず親のそばにいずに、ひとりでどんどん先に行ってしまう。普通の子供は親から一定の距離以上離れないようにする防衛本能が働くらしいのだが、そんなもの関係なしに、トコトコ走っていく。
三歳の時、保育園ではじめてのプールの日のこと。プールに水をためているところを見た息子は、帽子を脱いで、リュックを置いて、「おーっ!」と片手を挙げて叫んでから、服のままプールに飛び込んだ。しかも、日を置いて、二回もやった。
一番問題があったとすれば、他害だろうか。すでに書いたが、友達とおもちゃの取り合いなどをしていて噛み付いたことが、何度か(何度も)あった。
保育園で他の子供の様子を見た印象だと、3歳児クラスまでは、他の子もまだ言葉での表現が苦手だったりして、やりあっているうちに噛み付くことがある(そしてそれを先生が高速な動きで止めに入る)が、それを過ぎると男の子でも言葉での喧嘩ができるようになる。しかし息子は4歳児クラスになっても噛みつきをすることがあった。

僕は、まあまあ子供だし、落ち着きないのはこんなもんじゃね?と思っていたのだが、妻がこれは何かおかしいと主張し、診てくれそうな専門医を探し、STさんから紹介してもらった子供の発達障害に詳しい専門医のところに息子を連れて行った。
先生は息子をひと目みて、「ああ、ADHDっぽいね」と言ったらしい。そして他害は何はともあれよろしくないのでってことで、投薬治療がはじまった。

その時点で子供のADHDに認可されていたのはコンサータとストラテラだが、コンサータはご存知のように扱いが色々厳しいし、依存性がある。ストラテラは依存性がない。まずストラテラの投与が始まった。この手の薬は少量からはじめて維持量まで増やしていく。二週間少し飲んで問題ないようなら増やして二週間。そんな感じ。

飲み始めてから半年くらい。僕らはあまり変化に気づかなかったのだけれど、保育園の先生からは落ち着いたと言われた。だけど、夜歯磨きもせずに寝落ちすることが多くなり、これはどうなのかと主治医に相談し、一日薬をやめてみたところ、まあ見事にお昼寝しないは走り回るわという報告を保育園から受けて、こりゃ駄目だということで、お薬再開。
でも今度は寝落ちしなくなった。かわりに、寝るのが遅くなった気はするけれど。

そんな頃に主治医に相談したら、インチュニブの認可がおりたとのことで、インチュニブの投薬を開始。ストラテラは血圧を上げるけれど、インチュニブは下げるので、落ち着くのではないかとのこと。
ただ新薬というのは一ヶ月分出せないので、二週間ごとに薬をもらいにいかないといけないという問題はあった。

インチュニブは一日一錠なので、朝飲むか夜飲むかとか色々調整し、現在は朝はストラテラ、夕方にストラテラとインチュニブという組み合わせになっている。

主治医の先生からは、とてもよく効いている、じっと座れるようになったしね、などと言われており、薬の効果はてきめんのようだ。僕としては、そこそこの時間で寝るようになったことと、早朝に起きることがなくなったのが助かっている。ただ、これは小学校に行くようになって前より疲れがたまっているからかもしれない。

保育園の時に、朝ぐずってしまいストラテラを飲まずに登園したことが一日あった。その日は、お昼寝もしないし落ち着きもなかったという。
今の息子には、薬はなくてはならないものだと思う。

ところで、この薬、無茶苦茶高い。
転職の時に保険証の発行が間に合わない時期があったのだが、全額自費負担で払ったら半月分で7万円。日本の国民皆保険と都と市からの補助のおかげで投薬できている。ありがたいことだと思う。

(2018年10月17日記)

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