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トイレトレーニング --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

すべてのお母さんお父さんを悩ませるのが、トイレトレーニング。
障害がある子もない子も関係ない。
三歳の時に認可保育園に移った時の最初の保護者懇談会で、何人かのお母さんが「うちはまだおむつがとれてなくて」と言っていて、まあそんなものかという感じだった。

さて、我が家の息子はどうかというと、6歳11ヵ月の現在、いつの間にか、おむつが外れている。

気がつくと、ひとりでトイレに行って出てくるようになった。大便の時は、まだ自分で拭けないので、大人を呼ぶ。遊びに熱中していると、たまに失敗することもあるが、おねしょもしない。

トイトレについては、「その時期がくれば勝手に外れる」と言われていたし、支援学校ならトイトレもしてくれると聞いていたので、安心しきって特にトレーニングらしきことをしなかった。一応三歳から四歳くらいの時にトレパンにしてみたこともあったのだが、失敗することが多く、まあいいかとオムツに戻してしまっていた。今年の冬場はオムツでいることが多かったのだが、寝るときにおねしょをしたら寒かろうということではかせていただけで、結局一度も寝ている間におしっこが出ることはなかった。そして気がついたら、ひとりでトイレに行って出てくるようになった。

と書くと楽だったと思われそうだが、実はそんなことは全然ない。

三歳くらいの頃だっただろうか。
毎晩寝ようとすると、起きてズボンとオムツを脱いでトイレに連れてけと言う。
うちの子はなかなか寝ない子で、寝る時間が大人と同じくらいだった。つまり大人も寝ようとしているわけだ。そこを起こされて、しかたなくトイレに連れて行く。戻る。寝る。しばらくすると起きてズボンとオムツを脱いでトイレに連れていけという。寝る前にこれを10回くらい繰り返す。僕等は既に眠いし、この時期は体力的にもやけに疲労していた。朦朧としながらトイレに連れていくというのを延々と繰り返した。オムツなんだから、オムツに用を足してしまえばいいのに、それは嫌なようだ。多分、寝るのが嫌で、トイレなら親も起きて相手してくれるから、気を引くためにオムツを脱いでいたのかもしれない。その可能性も頭にあったけれど、そうなると尚更勘弁して欲しいと思う。
あの頃の記憶は、実は既に曖昧になっていて、とにかくつらかったという思い出しかない。

その少し後だったと思うが(前だったかもしれない)リビングでわざわざおむつを脱いでおもらしをすることもしばらく続いた。

かと思えば、おむつがタプタプになってもトイレに行かず、挙げ句の果ておむつをしぼって床に漏らすとかいうことをやったこともあった。

とは言え、トイレで用を足すこと自体は、早い時期からできていたように思う。連れて行って本人がその気になれば、ちゃんと座って用を足せていた。この時に気を付けていたのは、なるべくトイレを楽しいものにしようと思って、おしっこする時の歌を作って歌ったり、おむつを脱いだ時にトイレの壁の角にへばりついたので「すみっこさん、すみっこさん」などと言いながらくすぐってみたり、なんかエンターテインすることを色々してた。

そんなこんなで、苦労というか、つらさが非常にあったのだが、僕個人についていえば、不安はあまりなかった。別におむつならおむつで、死ぬわけじゃないし。
ただ、支援学級の見学に行った時に、「支援学級ではおむつがとれて身辺自立ができていることが条件となります」と校長だかが、暗にだからそうでない子どもは来るなと言っていたのが、少しイラっとしたが。
支援学校に行くことに決めてからは、なんならトイトレもしてくれるということだったので、不安はなくなった。

そして小学校にあがる前の冬のこと。
その前から、寝ている間におむつが汚れることがないなあとは思っていたのだが、朝に着替えるのを嫌がるようになったので、面倒だったから夜のうちに着替えさせて寝かせて朝はそのままというライフハック(ライフハックです!)を実践してみて、そうなると念のため夜はおむつにしておくかってことになって冬の間おむつだったんだけれど、結局夜におむつが濡れることは一度もなかった。
あれ?こいつ、おむつ必要無いんじゃね?
と思い、小学校に入ったすぐ後に、普通にパンツにしてみたところ、たまに失敗することもあるけれど、おおむね問題なくすごせている。
トイレに行きたくなったら、勝手に行っているし。
「トイレに行っとけ」と言ってもなかなか行かないけれど、もらすこともない。

結論。
おむつは、時が来れば、自動的に外れる。

(2018年5月29日記)

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