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ベビーサインとマカトン --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

ベビーサインとマカトンについては、妻がはやくから調べていた。

ベビーサインは、まだ言葉を喋れない赤ん坊とのあいだで使うボディランゲージ=ボディサインのことだ。これは健常児に対しても、意思疎通の道具として使おうという動きがあるらしい。

息子に関していてば、「ミルク」を意味する「グーパーグーパー」という動きを教えたところ、ちゃんと覚えて、お腹がすいたらグーパーグーパーするようになってくれて、本当に助かった。

ベビーサインは、言葉が出てくるようになると、自然と消えてしまうものらしく、サインによって発語が遅れるものでもないらしいので、おすすめである。

マカトンは手話の一種である。日本手話を部分的に取り入れつつ、シンプルにしている……という説明であっているのかな?
特別支援学校などでも、取り入れているところがあるらしい。
言葉でのコミュニケーションが難しい子供や、聴覚・発語よりも視覚優位の発達をしている子供とのやりとりで、補助的に使っている例もあるようだ。

ダウン症の子供は一般的に発語が遅い。でも言語理解はそれほど悪くないケースが多い。言っていることは分かるけれど、自分の意思表示は言葉でできない。
また、聴覚よりも視覚が優位のこともあり、言葉とマカトンとを併用することで、意思疎通がしやすくなるらしい。

ベビーサインとマカトンについては、書籍がそれぞれ出ているので、参考にしてほしいが、マカトンは少し複雑なので、目の前で映像つきで教えてもらったほうがよいように思う。そういう動画サイトはないものかね、などと思う。

さて、マカトンだが、我が家でも妻が買った本を見ながら、少しだけれど取り入れてみている。
最初は息子に指示を出すために使っていた。「待って」「おしまい」などであった。
「待って」は手の甲を上にして顎の下にあてる。犬で言うところの「ステイ」である。これを理解してくれると、非常に助かる。
「おしまい」は両手を上から下に下ろしながら手を握る動作をする。これも彼は理解し、途中から自分でも使うようになった。「おしまいにする」という意思表示に加えて、「やめて欲しい」という主張の時にも使うようになった。確かに「終了」を意味するので、なかなかよいアレンジだと思う。

それ以外にも、彼は独自のサインを作って使っている。たとえば、お風呂は肩のところで手を動かす仕草なのだが、これはシャワーをシャワシャワと動かすことに由来している。

という具合で、独学でマカトンを使っていたのだが、一年くらい前に妻がマカトンの集中講座というのを見つけてきて、電車で数駅のところなので、行ってみることにした。一応、「親のための」というお題なので、講義は子供も一緒にうけてもいいし、そこらでふらふら遊ばせておいて(というか勝手にどこかにいく)も、見ていてくれる人がいた。ありがたいことだ。
目の前でやってみせてくれるので、とてもよい勉強になったが、身についたかというと、正直半分くらいしか覚えていない。むしろ、ろくに説明を聞かずにそこらをふらふらしていた息子のほうが覚えていてびっくりしたくらいだった。

知り合いのダウン症の子供(4歳)は、普通の身振りで表現しづらい色などをマカトンで表現して、お絵描きをしているらしい。高度である。抽象度の高いものを表現するためには、やはり言語に替わるシンボリックな手段が有効なのだろう。

さて、この章の趣旨は何かというと、「ご紹介」である。

健常児に関しても、発語前の赤ん坊とベビーサインで意思疎通できると、非常に便利ですよという話と、発語が遅れている子供でも、マカトンを併用すると意思疎通が少し改善されることがありますよ、という二点である。

便利と書いてしまうと味もそっけもないが、子供の側からすると、伝えたいことがあるのに言葉が出なくてもどかしいというのはあるので、そこを少しでもすくい上げてあげられるというのは大切なことなのだろうと思う。

(2017年2月27日記)

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