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危険な道に飛び込んだ結果。

最近岡本太郎の本を読み返した。
『自分の中に毒を持て』だ。
この本は、何度読んでも発見がある。

「迷ったら危険な道に賭けろ」
この一言に全てが集約されている。
兎にも角にも、僕はこの本を多くの人に推奨したい。

危険だと思う道は、自分の行きたい道だった

我々は全ての日常の些事で常に「安全な道」か「危険な道」の二者択一の選択に迫られている。
たとえば
「朝布団の中で起きようか、寝ているか」
「会社まで歩いていこうか、バスを使おうか」
「会議で心に思うことを言うか、怒られる可能性を考えてやめてしまうか」

思えば、僕は常々、危険な道を歩み続けた。
18歳で高校を卒業してからは、意地でも実家に帰らず、誰かと会っていた。
コロナ前の話。ジャズミュージシャンの方はご存知かもしれないが、僕は六本木のサテンドールの店長のご好意で、毎日箱に顔を出して、なんなら寝泊まりまでしていた。そこから、六本木のElectrik神社やAlfie (アルフィー)にもしょっちゅう顔を出すようになり、キーストーンクラブ東京、All Of Me Club、移転前のBody and Soulなど六本木周辺のジャズ箱は殆ど行ったし、六本木の箱を全部貸し切って企画までさせて頂けるようになった。
20歳で起業したものの、当時は資金繰りに相当困ってたし、もちろん大学なんかも行ってるはずがない。そもそも、自分が通っていた高校は多くが難関私立を志望するする学生生活だったのにも関わらず、正直大学行く意味を感じなさすぎて、クラスでは少し浮いていた。高2の夏くらいになって周りは受験ガチ勢モードに突入しようが、俺は勉強どころか音楽活動に没頭する日々だった。
高校卒業後は、ありとあらゆる場所を転々としていた。ちょうど新型コロナの影響もあり、1泊2000円くらいでもぼちぼち良いホテルに泊まれる期間が1〜2年あったので、月5万でホテル生活をしていた時期もあった。友達にも恵まれ、色んな家で寝かせてもらった。全国を転々としすぎて、自分でも引っ越しの回数などは覚えていない。ちなみに、人生で一度も引越し業者にお願いしたことがない。そして、酒もかなり飲んだし、ここには書けないことも色々あった。
大袈裟かもしれないが、「明日生きるか死ぬか」という心意気で大好きな仲間と会社を死守するために、命を賭けてきた自負さえあった。
そんな僕がこの本を読み返して、危険だと思って選択し続けた道は、悔いなくかつ間違いなく自分の行きたい道だったと確信した。

「バランス」という名の逃げ道

そんな僕は、会社の売り上げも順調に伸び、現在は自由に不便なく生活している。そして夏から秋にかけて、色んなお祭りやフェスなどに顔を出していたので、老若男女色んな人と話す機会が過去一多かった。
会話の中で最も多かった話題は、「"お金"と"やりたいこと"のバランスが難しい」的な話題だが、僕は上述のように「やりたいこと」に全力を注いだ。おかげさまで、ろくにバイトも就職も経験していない。お金なんて、借りれるだけ借りた方が良いと思ってる。高校生の時に使う1万円と社会人になって使う1万円は享受できる価値が全然違う。もっぱら、若ければ若いほど、使ったお金は新鮮で濃い経験に生まれ変わる。歳を取るにつれ相対的にお金を享受できる価値が下がるからこそ、貯金なんてしていたら空しい。「"お金"と"やりたいこと"をバランス良く」なんて考えたこともなかったからこそ、そんな話題になると強く違和感さえ感じていた。

とはいえ、僕の起業1年目の売り上げは悲惨だった。
六本木サテンドールに転がり込んで、漠然と夢を語り、ジャズシーンの課題をぼんやり浮かべながら、年間売り上げた金額は150万前後だったと思う。
当時はイベント制作の事業が中心で、ジャズ箱を中心に飲食店を貸し切り音楽イベントを打ち出して集客するビジネスモデルだったが、起業して1年経たずして新型コロナの直撃もあり支出は300万以上はあった。それでも色んな人に助けられて、感謝しまくった。熱い志を持つ仲間しかいなかった。2年目、3年目と倍々で増え、4年目以降は売り上げ1000万を切ることはなくなった。事業は当初のイベント事業は畳み、楽曲の制作やライブ、印税、その他プロモーション関連の受託のオファーさえ頂くようになった。ピンチはバネになり、やがてチャンスへと変わることを体現してきた。そして、野心に溢れる仲間と飲む酒は最高に美味しくておすすめだ。

「人間にとって成功とはいったい何だろう。自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかではないだろうか。夢がたとえ成就しなかったとしても、精一杯挑戦した、それで爽やかだ。」

岡本太郎

もしこれを読んでる人で興味があれば、是非一度読んでみてほしい。


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