まさが式論文式試験勉強法

令和4年公認会計士試験合格🌸
TAC本科生2年Lコース
総勉強時間3,712h(短答1,693h+論文2,019h)
2021年12月短答70%○→2022年8月論文○
論文全国模試総合偏差値
第1回 TAC48.2 CPA47.51 → 第2回 TAC50.4 CPA50.92
本試験総合偏差値 55.99【639位/合格者1,456人】(合格ボーダー51.60)

【12月短答後はどう過ごしたか】
筆者は、12月中に租税法基礎マスターの講義全7回を視聴しました。あとは経営学の講義を少々、他の勉強は特にせず…そんな感じで気づけば1月終了!
2月から答練ラッシュが始まります。2月・3月は覚悟した方がいいです(もちろん、校舎によって多少の差はあるとは思いますが…)。そのため、筆者的には12月後半~1月中旬あたりまでは遊んでも全然いいと思います。むしろ、英気を養うためには必要な休息かもしれません。もちろん、その期間にしっかり勉強してアドバンテージを得るのも大いにアリだと思います!
実際、筆者は答練・模試で成績が奮っていなかったわけですので…()
まあ、前置きはこのくらいにして勉強法に入っていきたいと思います。

【勉強法】 全般(論文のみの勉強時間 1,848h(答練除く)、次以降も同じ)
論文式試験は短答式試験と比べ、勉強法に迷いながら勉強していくという形になるのではないかなと思います。もちろん、筆者の勉強法もほんの一例に過ぎません。そして、論文式試験の勉強を始めてすぐに思ったのは、「短答受かれば論文余裕」は真っ赤な嘘、そんなこと言った人物を殴ってやりたいということです。 確かに、合格率で見れば論文式試験の方が高く、客観的に簡単と思えるかもしれませんが、 母集団が短答式試験合格者であることに加え、圧倒的に必要となる暗記量を見ればそのような考えは一瞬で消え去ることでしょう。そこで、筆者の場合は、暗記系の理論(財務理論・管理理論・企業・監査)は忘却曲線を意識した勉強法を採用していました。詳細は、ネットで調べた方が分かりやすく詳しく出てくると思います。また、大量の論証を暗記するためには理解が必要となります。したがって、論文式試験で重要となるのは、理解・暗記・根性の3つです。 気合を入れていきましょう。

【会計学 本試験偏差値56.66】
~財務会計論(本試験偏差値59.10〈素点119/200〉)~
第5問が跳ねてくれました。第5問のIFRSは頭がパニックになりやすい問題であるため、時間的余裕のある一発目で解けたのが非常に功を奏したと思います(第5問→第4問→第3問の順番で解くようにしていた)。第5問から解くようにしてから、財務の偏差値が安定していたので筆者にはフィットしていました。この順番で解いた第3問のオアシス感は異常だった…。ただ、第5問の計算は予想よりも間違えていたため、理論で稼いだと思われます。

財務計算 2h/1 日(264h)
財務計算はアクセスを回転していたのみです。量が多いので最終的に5,6回転くらい。
アクセスは全 15 回分あり、論点の網羅性が高いのでアクセスを回転させるだけで計算力を十分身に付けることができます。構造論点対策もアクセスで十分にできます。はっきり申し上げると、アクセスは神です。アクセスしか勝たん。あなたの勉強生活に 1 日 1 アクセスはいかが? (たま~に出題されてない論点があるので、そこは適宜テキスト等でご確認ください)

財務理論 2h~4h/1 日(440h)
論文式試験において 200 点分を占める財務会計論の点数を安定させるためには、この科目 の攻略が必須となります。しかし、論文式試験では間違いなく、この科目の勉強が最も大変です。最も暗記量が多く、とにかく根性を試されます。しかし、最も努力が報われやすい科目であるともいえるのがこの科目の特徴です。
教材は、ポケット論証集(渡辺レジュメの論証例だけをコンパクトにまとめたもの)を使用していました(唯一手を出したCPAの教材)。なぜポケ論を使用することにしたのかというと、22年目標のTAC確認問題集は解答例がなく、不便に感じたためです(23年目標は解答例が追加されるらしくて安心してます)。確認問題集はほとんど使用していないので、教材の比較はできませんが、本試験ではポケ論からの出題がかなりあったので結果的にポケ論は神でした。
【ちなみに、ポケ論を使用する場合は、必ず渡辺レジュメもセットで購入する事をお勧めします。また、もしお金に余裕があるなら、渡辺先生の論対を単科で購入してしまうのも1つの手だと思います(55,000円)。】
使用方法は、重要性ABの論証1つ1つを「見ないで一通り(心の中で)唱えられるまで覚える」を繰り返し、ひたすら回転です。ちなみに筆者は渡辺先生の講義を受けていなかったこともあり、理解するのに時間がかかったため、最終的にはおよそ9~10回転しました。ペースとしては、1時間で10論証を暗唱していくような感じでした(他の人と比較したら遅いかも)。
財務理論は、問題集で覚えたものがそのまま出やすいため一度暗記してしまえば得点が安定しやすい科目です。筆者も財務理論を得意科目にしたことによって、本試験では心の支えとなっていました。勉強中は、心折れそうなときが多く、辛い科目ですが、辛抱強く勉強し ましょう。
[写真]素点→偏差値(字が下手なのは許してください…)

~管理会計論(本試験偏差値51.80)〈素点37.5/100〉~
第1問-問題1で減損率の安定が出題され、計算法を覚えていなかったため大量に落としはしたものの、第1問-問題2が易しめの標準原価計算の問題だったため手堅く取り、全体的には崩壊を防ぐことができたので良かったです。
(第2問はノーコメント…一言付け加えるなら、論文理論問題集の論証を使える問題があり[第2問-問題2-問3]、10.5点という少ない素点のうちの得点源になったため論文理論問題集はやはり大切であると実感したことくらい。)

管理計算 1h/1 日(112h)
管理計算はとにかく基礎問題を落とさないことが重要です。管理計算のアクセスは第 10 回 までを回転させました。これも5回転くらい。第 11 回~第 15 回は難しく重要性も高いとはいえないため、ス ルーしても大丈夫です。
また、管理計算はテキストを何周か精読することも有用です。私自身、テキストを丁寧に読 むことで計算の理解が深まり、試験問題の意図を正確に理解して解答を導くことができる ようになりました。とはいえ、基本的には短答時の計算力を維持するという考えで問題あり ません。

管理理論 0.5h/1 日(100h)
管理理論は、論文理論問題集を完璧に覚えることが最優先であり、基本的にはこれで十分です。特に原価計算分野の理論は、最初は言っている意味が分かりづらく、覚えるのに時間がかかるとは思いますが、やっていくうちに楽になっていくので安心してください。
また、論文理論問題集+αの勉強としては、アクセスや答練で出題された理論問題のうち、 論文理論問題集に載っていないものを切り取り、論文理論問題集の余白に貼り付けて暗記していました。


企業法 1h~2h/1日(223h)本試験偏差値53.40〈素点39.5/100〉
企業法は、まずテキストに載っている論証例を覚えます。論証例は基本的に重要論点であり、かつ重要条文や重要趣旨をまとめて覚えられるため便利です。といっても、筆者は企業法が苦手です。答練において一度として校舎平均を上回ったことがありません。それでも、これだけは確実に覚えておいてほしいということがあります(次の段落へ)。
企業法だけは、できる限り3大予備校の模試を全て受験もしくは目を通して論点のチェッ クをしておきましょう(LEC論グレもよき)。理由は単純で、模試に出題された論点は、基本的に本試験での出題が予想されており、模試に出題された以上は多くの人が取れる論点となります(実際、今回の本試験では第1問で大原模試が、第2問でCPA模試がそれぞれ的中した形となっています)。したがって、 そのような論点を落とすと致命傷になりかねないので、上記の対策をお勧めしています。 企業法は情報戦です。出題が予想されている論点の確認、直前期には必ずやっておきましょう。
最後に、答練・模試の使用方法だけ触れておきます。大前提として、解答例の暗記は一切不要です。効率が悪いです。合格だけを考えるのであれば、出題された条文を全て引けるようにしておく、これだけで十分です。逆に条文を引けないと、足切りを食らう可能性が出てくるので、絶対に足を切らないために、「論証例・答練・模試で出てきた条文を引ける」、この 状態を目指したいです。
したがって、筆者の考える企業法の勉強における優先度は、条文>趣旨です。

監査論 1h~1.5h/1 日(184h)本試験偏差値57.75〈素点41/100〉
今回の本試験は第1問が理論問題で易化、第2問が事例問題で超難化と呼ばれるような難易度でした。しかし、蓋を開けてみれば素点ベースで見ても第1問の方が低いという事態が起きててよくわからんです(笑)。第2問については、激ムズ難易度であったことは間違いありませんが、関西QAで培った知識を駆使して監基報を引きまくることで、点が来ると確信を持てる問題がいくつかあり、結果として監査論全体を引っ張り上げてくれました。

○理論問題
監査論の暗記は論文問題集のみで OK です。もっと言うなら、筆者は論文問題集のうち、 Point があるものは Point しか暗記しませんでした。
結論的な勉強法としては、監査論で論述するために必要なキーフレーズは論文問題集で暗記し、全体像の理解はテキストを読んで行うというものです。
問題を解く際は、暗記したことをそのまま吐き出すという型の出題は少ないため、基本的には「キーフレーズを使って監査論っぽい文章を作る」というスタンスでよいと思います。
また別途、監査基準改正の背景はある程度暗記が必要になります(6月頃に配布される直前講義テキストにまとまってるし、テキストや監査論付録なんかにも載ってます)。
そして、理論問題ではほとんど監基報を使用しません(もちろん使用することもありますが、自分の知識だけでは解けず、どうしようもない場合に使うイメージ)。


○事例問題
監査論の問題児といえば、事例問題です。事例問題は、筆者は得意ではなかったのであまり多くは語れませんが、監基報の使い方・番号をある程度覚えておくことが必要になります。
そこで筆者のお勧めは関西 QA です。関西の論文対策講義も視聴することで、監基報の使い方がよく分かると思います。関西 QA は色んなことが書いてありますが、あくまで監基報の使い方・事例問題の解き方を知るための教材であり、暗記は論文問題集で行うという風に割り切るとよいと思います。
あとは、識別されるリスクの具体例(ex.販売の低下→棚卸資産が滞留→棚卸資産の過大計上[評価の妥当性])がまとまってるページがテキストにあるので、答練や本試験の直前に確認するようにしていました。

~租税法(267h)本試験偏差値58.35〈素点59.5/100〉~
租税法は勉強すればするだけ伸びる、努力が非常に反映されやすい科目です。しっかりと勉強すれば成績が安定しやすいので、筆者的には、租税法を苦手にするのだけは必ず避けてほしいと思います。

租税理論 0.5h~1h/1 日(本試験偏差値66.88)
私はどうしても条文を探して引くということができなかったので、最終的に理論テキスト・ 答練・模試で出題された条文は全て覚えることにしました(例:益金算入は法人税法 22 条 2 項だったな~という感じ)。
暗記方法としては、要約条文を使用しました。要約条文のうち、理論テキスト・答練・模試 で出題された条文にマーカーを引き、その条文がどんな場面で使用されたのかが分かるようにメモ書きをすることで、最終的には要約条文の回転のみで勉強が済むという状態になります。
( ↓ こんな感じで要約条文にメモしてました  )


しかしながら、直前期は答練・模試をひたすら回転させる、これで十分です。実際、令和 4 年の本試験は TAC の答練からめちゃくちゃ出題されました。租税理論はまさに「TACしか勝たん」です。

租税計算 1h~1.5h/1 日(本試験偏差値52.67)
租税法のアクセスは神です。 TAC租税法はコスパ最強だと筆者は思います。
① 三田先生の講義を観ます(毎講義後のトレーニングも忘れずに♡)。
② アクセスをひたすら回転して、計算方法の定着を図ります。
③ 答練・模試で出題された知識のうち、アクセスで出題されていないものに関して、テキストの該当箇所に付箋を貼ります。
これによって、答練・模試を回転させる必要がなくなります。
④ アクセスをひたすら回転しつつ、テキストの付箋を定期的にチェックすれば OK です。

~経営学(258h)本試験偏差値52.45〈素点59/100〉~
個人的には一番稼ぎたい科目でしたが、実際に本試験を解いてみると期待していたほど稼げず、期待ギャップを感じた科目です。本試験経営学の問題には、勉強すれば解ける問題と、その場の発想力を試す地頭系の問題とがあります。筆者は、発想力系の問題は軒並み落としてしまいましたが、勉強すれば解けるところを取ってボーダーに載せることができました。

経営理論 0.5h/1 日(本試験偏差値47.1)
論文の勉強で一番楽しいかも?主な勉強は単語の暗記、あとは答練で出てきた単語の意義を書かせる系の問題を書けるようにしておくくらいです(といっても 1,2 行の短いものばかり)。経営理論は単語を1つでも多く暗記した者が勝ちです!とはいえ、模試では偏差値67.4を取ったこともありましたが、本試験では逆に足を引っ張る形となってしまいました。。。
① 単語の暗記
尾崎レジュメを暗記しましょう。基本これだけで十分です。尾崎レジュメは神です! 答練・模試や直前講義テキストに尾崎レジュメに載っていない単語が出た場合は、尾崎レジュメの空白に追加しておきましょう。
② 論述問題
答練・模試で出題されたものだけ書けるようにしておけば十分です!

経営計算 1h~1.5h/1 日(本試験偏差値57.8)
① 章ごとにテキストを精読 → 章末問題を解く
↑これを 2 周ほどするだけで、経営計算の基礎が固まります。TAC テキストは非常に分かりやすいので、テキストを丁寧に読むだけで十分理解可能。筆者的には講義を受けなくても 問題ないのではないかとさえ思えてしまうレベル…。
② 問題集を解く
問題集は、たまに本気で意味ワカラン問題があります。最初はレベル1だけ解いててもよいですが、模試では何食わぬ顔でレベル2が出てくるので最終的には必ずやっておきたいです。
③使用する公式を全て1 枚の紙に書き出し、毎日10分くらい眺めて覚える
公式の暗記に絶大な効果がありました。マジでお勧めです。


【最後に】
論文式試験は勉強法に悩むこと、心が折れそうになることが本当に多いです。しかし、それでも合格したいなら毎日勉強する、とにかく継続することが大切です。模試の点数がどんな に悪くても最後まで諦めなければ合格する可能性は十分にあります。そんな中で、私の勉強法が少しでもお役に立てることがあるのならば、それほど嬉しいことはありません。
質問等があれば、いつでもDMお待ちしております。

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