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コミュニティ農園で大切にする【3つの柱+1】(2/3)
前回では、うちやまコミュニティ農園の大切にする3つの柱のうち、①食の安心安全について綴りました。今回は、②農作技術の習得、③もう一つの居場所について触れたいと思います。
◆2つ目の柱:若い世代の農作技術の習得で、里山をこの先にも繋いでいきたい。
暮らしの中に「農」を入れていきたいもう一つの理由は、農業の高齢化と耕作放棄地の問題です。農林水産省「農林業センサス」によれば、2015年時点で佐久市の農業就業人口の平均年齢は70歳で、就業人口に占める65歳以上の割合は、約75%。(ちなみに、45歳以下の割合は約7%。)また耕作放棄地は約25%に達しています。そして、今後も、高齢化も進行していくし、耕作放棄地も増えて行ってしまいます。
この現状を見たとき、皆さんは何を感じられますか?
僕は、10年後を思い浮かべたとき、とても暗い気持ちになりました。
・農がある里山の風景が無くなってしまうかもしれない・・・。
・隣近所からの野菜のお裾分けが無くなってしまうかもしれない・・・。
これらは、佐久の良い文化だと思っていますし、この先にも繋いでいきたいものと思っています。だからこそ、コミュニティ農園を通じて、若い世代が「農作技術の習得」していくことが大切だと感じています。
これは、みんなで耕しみんなで創る過程で、楽しみながら習得していきたいと思っています。そして、いつか「自分でもう少し畑や田んぼを広げてみたい」というメンバーが現れてくれたら、なお、良いと思っています。
ただし、技術習得の強制はしませんし、ハイレベルな農業技術を一番に目指すわけではありません。あくまでも「暮らしの中に農を」がコンセプトであり、かつ、いろんな目的を持ったメンバーがいて良いと思っていますし、その多様性を認め合う農園でありたいと思っています。
◆3つ目の柱:もう一つの居場所(コミュニティ)が精神的な安定を向上させる。
最近では、SNSを使ったオンラインコミュニティなど、様々なカタチのコミュニティができてきていますが、やはりリアルはリアルで良い側面を持っていると思います。
元々佐久地域は農村でした。だから田畑は一つのコミュニティとしても機能していたはずです。また「農」を軸にすることによって、世代を超えた交流ができる場になると思っています。
・自然は癒しの効果もあるので、一緒に耕すことで会話も弾みやすくなるでしょう。
・天気の良い日は里山に癒されながらお茶を飲むだけでもよいでしょう。
・近くに川もあるので、親子で川遊びをするのもよいでしょう。
・採れたての野菜をその場でBBQにして、みんなでワイワイ交流するのもよいでしょう。
これら以外にも、様々な交流の仕方があるはずです。この場を通じて、皆さんの思う交流をしていただければ嬉しいです。
昨今、地域コミュニティの希薄化が心配されていますが、そういった意味でも、多様性を尊重する地域コミュニティとしてリメイクしていきたいと思っています。更には、「人は複数のコミュニティに属していると精神的に安定する」と言われています。皆さんの、「もう一つの居場所」になることができればと思っています。
さて、次回は「コワーキングについて」綴ってみたいと思います。
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