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ろう者と、ろう文化、手話について寄せられた質問に答えてみた(1)

このnoteを見ていただき、ありがとうございます。私は生まれつきのろう者で、日本手話を母語として生活しています。ろう者から可能な限りバイアスのない情報を発信していく目的でこのnoteを書いてみました。
寄せられた質問に回答していく形で、しばらくは運用しますが、最終的にはカテゴリ別にうまくまとめられたらいいなと思っています。質問してみたい場合は遠慮無くコメント欄に書いていただけるとうれしいです。すべての質問には回答できないかもしれませんが、頑張ります。
また、本noteはちょくちょく修正加筆されたりしますので、最新の情報は改めてみていただくことをおすすめします。

Q:日本手話と日本語対応手話のどちらが多く使われているのか

A:結論から言うと、日本語対応手話が多く使われています。
ただし、その歴史的背景と、日本手話と日本語対応手話(手指日本語)は別の言語であることを踏まえておかねばなりません。日本語対応手話は日本語に含まれ、声を出しながら聴者が普段から使っている日本語の語順に手話表現を当てはめていったものです。誰がというのは特定が難しいですが、このやり方で広めやすいと考えられたため、手話サークルでよく使われるようになったそうです。手話通訳士の試験に合格したにもかかわらず、日本手話を母語とするろう者に通じなくて(理由もわからず)、ショックを受けた…と言う方もいらっしゃいます。

Q:聾者と難聴者との間で縄張り意識による差別があると聞いたことがあるが、伝音性難聴と感音性難聴との間にそのような壁はあるのか

A:結論から言うと、伝音性か感音性かというのはあまり関係がないようです。ろう者の定義として日本手話を母語として使い、ろう文化を尊重して生活しているため、それに対して反発している聴覚障害者(あえて、ろう者難聴者の区別はしない)がいるのも事実ですが、全てがそう言うわけではありません。

Q:聴者が手話を学ぶ際に、日本手話と日本語対応手話のどちらを学んだ方がいいのか

A:結論が言えば、日本手話から学ばれた方がいいです。日本語対応手話は音声と手話を同時に使うという特徴から、手話学習者が音声に頼ってしまうため、手話を効率よく短時間で覚えられない傾向があります。
日本手話を学ぶ際は、体系的に訓練を受けた手話講師(ろう者)のもとで、ナチュラルアプローチ教授法として学ぶことをおすすめします。
なお、その際にご自身で予習としてYouTubeや本を見たりすることは、習得した知識による干渉が起きるため、おすすめしません。
全くのゼロ知識の状態で参加いただく方が良いです。もし、自己流で学ばれた方や、日本語対応手話による学習を受けてしまった方は、コミュニカティブアプローチ教授法による訓練を受けた手話講師(ろう者)によって修正しながら日本手話を習得することは可能で、もう手遅れだ、と嘆く必要はありません。
日本手話は日本語とは別の言語なので、コードスイッチングが必要です。

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