保険営業よもやま話「損害保険 火災保険の事故対応」
自動車事故に次いで多いのが、火災保険での事故対応です。
火災保険の事故って火事?と思われがちですが、過去数十件対応した中で、火災事故(火事)は一件もありません。そのほとんどが、風災害と雪災害です。
台風シーズンでもありますし、今日は火災保険の事故と支払いについて書いてみようと思います。
基本補償のおさらい
火災保険は火事だけではなく、風や雪や豪雨や洪水などなど、自然災害について広く補償されている保険です。
火事よりも風や雪の被害が件数としては圧倒的に多いので、風によって建物が損傷した場合について、解説してきたいと思います。
事故報告からお支払いの流れ
台風などが去った翌日、家の前に屋根や雨どいが壊れて落ちている。。そんなことがあれば、まず連絡するは修理業者です。お家を建てた工務店や建設会社に連絡してみましょう。修理の段取りが付いてから保険会社へ連絡してください。
自動車事故とは違い、火災保険はモノ保険です。基本的には損害賠償はないので、自身の所有物の損害に対してお支払いします。
なので、まずはその損害額を確定するためには業者に連絡してもらい、修理見積を出していただきます。
それを保険会社に提出していただき、損害調査をして、損害が確定してから保険金のお支払いとなります。
注意事項は?
火災保険のお支払いで一番トラブルになるのは、損害額の妥当性の認定です。
分かりやすく言うと、今回の風の被害で壊れた部分のお金は払うけど、経年劣化の部分ではお支払いできませんよ!というものです。
長年住んでいるお家が壊れたのだから、せっかくだからあれもこれも直したい。でも、何でもかんでも保険では難しいです。
基本は、損害に対して補償。これが原則です。
コツをちょっと教えちゃいます
でも、やっぱり壊れている部分を全部直さないといけないし、何とかしてもらいたいものです。
二つほどポイントがあります。
①臨時費用保険金の確認
②免責金額の確認
③報告の仕方とタイミング
これらを簡単に説明しますと。
臨時費用保険金
火災保険には臨時費用保険金(業界用語でリンピと呼びます)という特約が付いています。無理に外さない限り、たいてい自動付帯されていると思います。
この特約は、損害額とは別枠で計算されるお見舞金です。損害の10%ほど上乗せで保険金が下ります。だから、100万円の損害なら、
損害額100万+リンピ10万=受取保険金110万もらえます。
免責
免責、つまり自己負担設定をしていると、その額を超えないと保険金が下りないという設定です。先ほどの例で、免責金額5万で設定していた場合、
損害額100万-免責5万+リンピ10万=受取保険金105万となります。
報告のタイミング
結局これに尽きるのですが、「経年での劣化によって損害が出た」と認められれば、保険会社も保険金が出せません。でも保険会社も民間企業です。評判が落ちることは良しとしません。報告を受けたら払ってあげたいと思う保険会社の担当者も、意外と多く存在しています。逆に、全然払わないで有名になってしまうと、まっとうに仕事をしているのにその地域での評判を落としてしまい得策ではありません。
というわけで、報告する際に「劣化だからしょうがないんだけど試しに請求したい」とか言ってしまうと、なかなか厳しい。
台風の直後に実際に壊れているのなら、「台風で壊れた!」と言い切りましょう。嘘ではないんですから。
建物は住んでいたら傷むものです。それは保険会社も十分に理解しています。仕組みをうまく使って、原則を理解しつつ、うまく報告のタイミングを図りましょう。
こんな事を親身になって相談してくれる代理店を選ぶと、自然災害なんかでも安心かもしれませんね!