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オストゥアンデル

僕の祖父は真面目だった。
その上に手先も器用で、丁寧。
仕事を引退しても、勉強し続けていたし、いろんなものを自分で修理したり、機械も好きだった。厳しく言われた記憶も少なくて、穏やかだった。

ある日、兄と僕と祖父とで話をしているとき、祖父が、

「お饅頭ってフランス語でなんていうかわかるか?」

もちろん僕たちは知るわけもないので、ポカンとしていると、

「オストゥアンデル」

と祖父が教えてくれた。
兄と僕は、へぇ!そうなんだ!フランス人もお饅頭食べるんだね!と反応すると、少しむすっとして、

「よく聞け。オス・トゥ・アンデル。」

とゆっくり言われた。その時の僕たちには、祖父がなぜ、少し不機嫌なのかわからなかった。しびれを切らした祖父は言った。

「押すと餡出る!冗談たい!」

調べてみると、昔の俗語であるようだが、
まさかそんなダジャレをかましてくると思わない。
それに気づかなかったからって、不機嫌になるとは。
それまで気づいていなかったが、祖父はお茶目だったのだ。
ちなみに蛇口は「ヒネルトゥジャー」らしい。

僕は和菓子はあまり作らない。でも、祖父との思い出を何か名前にしたくて、シュークリームの名前をオストゥアンデルにすることにした。
押すとクリームでちゃうからね。さも、そういうお菓子があるような響きだが、ダジャレだ。

想いとクリームをたくさん詰めこんで。
ほおばると笑顔になっちゃう。
そんなシュークリームを作りたい。

祖父の話でクスっとわらってくれたら、なおうれしい。

【商品情報】
・オストゥアンデル(シュークリーム) 350円〜



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