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おもやいクッキー
私はおばあちゃん子だった。
おうちでも末っ子だったけど、親戚を合わせても僕が一番下。
祖母は特に僕を可愛がっていて、小さい頃は何をするにも一緒だった。
おやつを食べるとき、口癖のように言っていた言葉がある。
「お兄ちゃんとおもやい食べなさい。」
4つ離れた兄と、よく食べ物をおもやいで食べていた。
もやいというのは、長崎の方言で、「共有する。」とか、「一緒に使う。」とかいう意味であって、食べ物の時は、一緒に分け合うことを意味していた。
小さい頃から食べ物にがめつい私だったので、なぜ、1人で1個食べれないのかと不満がったりもしたが、今は「おもやい」という言葉が好きだ。
兄や、家族と食べるおもやいは、小さくなるけれど、美味しいね、うふふって一緒に笑える。祖母がくれたのは、そういう美味しいものと時間の記憶だ。
だから、クッキーは2枚入りにした。
あの時、祖母が僕たちにくれた記憶のように、クッキーをおもやいで食べてもらえたらと思うからだ。
大切な人と一枚ずつ。
自分を労って、自分自身と分けるのもいい。
お昼に食べて、未来の夜の自分と分けるとか。
美味しいもの、大切なものを分かち合いたくなるのは大切な人とだ。
家族、友人、恋人、同僚。
いろんな形で、おもやいで食べてもらえたら嬉しい。
小さいことからクッキーを作るのが好きで、祖母にも食べてもらっていた記憶がある。
もう祖母と一緒におもやいで食べることはできないけれど、このクッキーが、いろんな人たちのおもやいで、記憶の片隅に残ってくれたら、嬉しい。
【商品情報】
おもやいクッキー
(バニラ・オニオンペッパー・矢堅の塩とヘーゼルナッツ等季節によって変わります。)
各種2枚200円〜