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遊戯王の「知らないデッキ」が強いか弱いか知る方法

はじめに

真佐まつりです。普段は遊戯王VTuberとして活動しています。

新しいデッキの解説動画は非常に多くの方に見てもらえるコンテンツです。
私の周りでも、「〇〇が規制されたらあのデッキはどうなりますか」とか、「新弾のあのテーマは強いですか?」とか、「あのデッキに〇〇は刺さりますか」とか、知らないデッキについて色々と質問を頂くことが多いです。

遊戯王プレイヤーとして、まだ使った事のないデッキを知る事は、勝率を上げるうえでとても大切なことです。
相手が展開するのを上手く妨害したり、今よりもっと強いデッキを探したり、細かく自分のデッキを調整する時の参考にしたり。
知らなかったデッキを知る事は、あらゆる場面で大切な情報源になります。

知らなかったデッキを一番詳しく知るには、自分で組んで回すのが良いというのは言うまでもありません。
できることなら、新しいパックに入っている全てのカードの効果を覚え、デッキを組み、全てのデッキを完璧に練習したいところです。

しかしこれは、非常に難しいことです。
パックを剥くお金の問題もありますが、普通に時間も足りませんし、日々研究され進化していくデッキ構築の情報をマークしていくのは、どんなトッププレイヤーでも至難の業です。現実的に不可能。

重要なのは、より少ない時間と労力で、使った事のないデッキが強いか、弱いか、そのデッキを組む事なく判断する事です。
ある種「知ったかぶり」のようではありますが、それをした上で正解に近い答えを出す事が、よりよい遊戯王ライフには必要です。

カードを並べてみる

そのデッキを組まないにしても、評価するためにまずはデッキとしてカードを並べてみることが必要です。
規制後のクシャトリラやふわんだりぃず、ティアラメンツのように、デッキの一部分は強いけれど、それ以外の部分は弱いというようなデッキは結構たくさんあります。
たった数回のデュエルや聞きかじった情報で「そのデッキが強い」という誤解を持ってしまう事はよくあります。

実際にカードを並べてお試しドローをしてみると、「あれ、手札誘発が意外に少ないな」とか「妨害されたら止まっちゃうな」というように見えてこなかった事が見えてきます。
気になったデッキがあったら必ず試しにやってみるべきです。

そして、カードを並べてみた後に最初に注目したいのは、初期手札で自分の動きを実現させられる確率「初動率」です。
なぜなら、初動率が低いデッキは弱いからです。あくまで一例ですが、私は初動率ごとに以下のような評価を下しています。

  • 95%以上 : ド安定。多少安定性を犠牲にしてパワーUPも狙える。

  • 95~90% : 普通に安定したデッキ。使いやすい。

  • 90~85% : ギリギリ使えるライン。できればもう少し安定させたい

  • 85%以下 : 不安定すぎてデッキとして信用できない。使えない。

いくら強い展開ができたり妨害に強かったりしても、初動率が低いデッキはそれだけで勝率を大きく損なってしまうので、戦うのに向いていません。
もしそれでも使いたい場合は、構築を工夫して初動率を上げる必要があります。
初動率は計算できるサイトが沢山ありますので、気になったら調べて計算してみましょう。

もう一つ注目したいのは、ここは絶対に外せないなという「必須枠」のカードがどれくらいの枚数あって、ここは変わってもまぁデッキとして成り立つよねという「自由枠」の枚数がどれくらいあるかです。
「手札誘発が何枚入るか」と言い換えても良いかもしれません。

必須枠は少なければ少ないほど良く、自由枠は多ければ多いほど良いです。なぜなら、流行っているデッキによって構築を変化させることができるので、環境が変わっても勝率が変化しにくいからです。
逆に自由枠の少ないデッキは、今勝っていても、それはたまたま対策されていないから勝てているだけで、対策されたり、有利なデッキが減ったりすると構築を変える事ができないので勝てなくなります。
もし長期的な観点でデッキを評価する必要があるときは重要な要素になるので、頭に入れておきましょう。

そのデッキの最高の勝ちパターン(手札)は何か

デッキには「勝ちパターン」というのがあります。例えば、以下のようなものです。

  • 天盃龍 : 手札誘発をいっぱい使って相手の展開を止めて、《盃満ちる燦幻荘》や《天盃龍チュンドラ》の効果で相手の妨害を乗り越え、バトルフェイズに展開して勝つ

  • 粛声 : 《粛声の祈り手 ロー》を儀式素材にして《粛声なる守護者 ローガーディアン》を儀式召喚し、《粛声なる結界》でカチカチの盤面にして勝ち

  • ユベル : 《スピリット・オブ・ユベル》の効果で《ナイトメア・ペイン》を貼り、ユベルモンスターを破壊しながら大量展開して勝ち

このような勝ちパターンはデッキごとに違いますし、同じデッキでも相手が変わったり構築が変われば変わる事もあります。
まずはこの勝ちパターンが最も上手く決まりそうな、「最強の手札」を想像しましょう。上のデッキで言うと、こういう手札かなと思います。

  • 天盃龍 : 《増殖するG》 《灰流うらら》 《無限泡影》 《PSYフレームギア・γ》 《ドラ・ドラ》 後攻ドローで《盃満ちる燦幻荘》

  • 粛声 : 《粛声の祈り手 ロー》 《粛声なる結界》 《儀式の下準備》 《墓穴の指名者》 《神の宣告》

  • ユベル : 《ナイトメア・スローン》 《七精の開門》 《サクリファイス・ロータス》 《墓穴の指名者》 《灰流うらら》

今なんとなくで書いてみました。なんとなくで良いです。「この手札だったら最強!」という手札を想像しましょう。
もしシングル戦の場合は先攻後攻を選べないので、「先攻ならこの手札が最強」「後攻ならこの手札が最強」というのもできればやめましょう。そうではなく、より実戦に近い形で「先攻も後攻も関係なく毎試合この手札だったらいいな」で想像しましょう。

もし、そのデッキで考えられる最強の手札で勝てなそうなデッキがある場合は、そのデッキは逆立ちしても勝てない相手がいるデッキという事になります。
不利な相手があまりにも多い場合は、戦うためのデッキとしては評価がかなり落ちます。

確率的に一番起こりそうな手札は何か

もちろん、遊戯王は毎回良い手札で戦えるけではありません。
そのため、そのデッキの基本的なステータスは確率的に一番起こりそうな手札で判断する必要があります。

確率的に一番起こりそうな手札はデッキ内のカードの枚数配分で決まっています。初期手札で引く枚数の期待値を確率計算していきます。

40枚のデッキに20枚くらい同じカードが入っていたら、デッキの丁度半分くらいがそのカードなので、初期手札のうち2~3枚くらいはそのカードを引くのが普通という計算になります。

それと同じ要領で「手札誘発」「ギミックの初動」「妨害貫通札」「捲り札」というように、カードを役割ごとに分けてそれが何枚入っているか、そのバランスは理想に近くなっているか確認しましょう。
中には、【ギミックパペット】の《地獄人形の館》などのような、そのカードを素引きする事でしか実現しないような動きもあります。そのような代わりのききにくいカードが必要なデッキは、枚数配分が理想の動きとは離れてしまうので、理想展開の再現性が低いデッキという事になります。

もしそのデッキが完全に理想的な動きじゃなくても勝てるのであれば問題ありませんが、もし代わりのきかないカードを素引きしないと勝ちにくいようなデッキだった場合は、そのデッキは弱いデッキという事になるので、注意した方が良いです。

おわり

デッキが「強い」「弱い」はあくまで相対的なものです。
相手が強ければそれだけ評価は厳しくしないといけないですし、環境が変わって勝てる手札が負ける手札に変わってしまう事もあります。
もしそのデッキを本当に知りたいのであれば、他人にデッキの評価を求めるよりも自分の軸で評価をした方が、より実態に近く、確実な評価を下す事ができます。
何度も繰り返しデッキを評価していくうちに、だんだんと判断も上手くなっていきます。
読者の皆さんが、より良いデッキに巡り合えることを応援しています。

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