高台寺蒔絵〜完結編〜
うるしを習いかけた方が見様見真似で楽しくできる技法ないかなぁと考えて思いついたのが高台寺でしたが、私が普段やらない技法だからか、めちゃ難しかったんだけど、みんな大丈夫だった?意匠が見た目より難易度高かったかな。こう言う時はできないことはできることで適当にカバーしちゃう応用さのトレーニングと思って楽しんでもらえたら大成功です。うまいこと言いました。
ポイントとしては、毎回同じことの繰り返しですが、やはり身体感覚に敏感でいることは大事です。筆で線を書いている時「私の身体はどこをどのように動かしているのかな」と身体と話し合う感覚です。身体と話し合えだの、漆の声を聞けだの。完全にあっち側の人なんですけれども。別に何らかの音声を聞いてるわけではなくて、自分の経験と照らし合わせながら身体の部分をできるだけ細かく切り分けて、どの部分をどのように動かしているのかを繊細に意識しようと言うことです。
金継ぎのくっ付け作業の時は「背筋でやれ」でしたが、今回の青海波を描く時は「背中で描け」でした。以前、アイルランド帰りの方にお教えした時は「オーガニックに押さえると言うことですね」と言われて「?チーン?」となったんですが、オーガニック(organic=形容詞)には大きくゆっくりと包み込むようなそう言う動きのイメージがあるそうです。なるほど。私の頭の中では、背後から覆いかぶさるようなイメージを持って描いたりくっ付けたり、いろいろやってます。ただし、こういうのは一人ひとりに固有のイメージがあるから、自分なりのイメージにたどり着いてください。
https://youtu.be/pmrwRiQheoE
今日は、埋め込みがうまくいかなかったので、こちらのリンクから動画をご覧ください。
それから、道具の作り方について。身体感覚に続いて「これは不便!」「やりにくい!」という不満に敏感になることでしょうか。「なんかやりにくいのは道具のせい!!」と言って、どこをどうすれば作業が快適になるかを追求しつつ、道具作りが難しすぎたらあんまり意味ないから、その辺にあるもので適当にチャチャっと作るのがよいです。物事は、できるだけ難しく考えないのもコツです。簡単は正義。
次回からしばらくは、ガイドブックにあんまり載らないわりに、知らないと困る小ネタを小出しにして行こうかなと思います。何かお役に立てたら嬉しいです。本当に。ではまた。
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