ATMからカードが出てこなくなった話

僕は1人後ろの列からの視線に耐えていた。
ATMでお金をおろそうとしたら不具合が生じてカードとおろそうとしていた現金が出て来なくなった。

ATMには係員呼び出しボタンを押すか電話を繋げてくださいというアナウンスが表示されていた。まじかよと思いながら僕はすぐにATMについている受話器を取った。人生で初めての経験である。

受話器を取るとまずは自動音声が流れてきて、番号の選択を迫られた。係員の人と話すためのダイヤルを押し少し待つ。すぐに繋がった。

係員の人は現在の状況、なにをしようとしていたのかなどを聞いてきた。僕はそれらに1つずつ答える。
いくら引き出そうとしていたかも聞かれた。残高不足とかだったらめちゃくちゃ恥ずかしいだろうなと思いながら答えていた。でもそれはないと分かっていたしなんとなく原因は分かっていた。

原因はICチップの読み取りがうまくいかなかったことにあった。引き下ろしをしようとして最初にカードを入れたときも一度カードが出てきたので、指でチップの部分を拭いて再度入れた。するとうまく読み込んだので大丈夫だと思っていたら想定外のことが起きたのだった。

そこまで使ったことのないカードでの不具合だったので驚いたが、僕は以前クレカを本屋さんで使った時にも同じようなことがあったのでこういう事態が起きることを知っていた。そのおかげで朝ATMで1人カードが出なくなってもそこまで焦ることはなかった。

係員の人とやりとりをしていたら無事カードは出てきて、改めて服でチップを拭いてから再度取引を開始した。すると、うまくいった。

朝早い時間で後ろには列ができていることも分かっていたので僕はATMから出てから後ろの人たちに礼をして帰った。

今日も初めての経験ができてよかった。