自然学校をとおしてやりたいこと
ここまで、自然学校のプロジェクトのざっくりとした概要や、志摩の魅力などについて、お話してきました。
子どもから大人まで、多くの方が、本施設での滞在やアクティビティを通して、志摩のよさ、自然よさや親しみを感じられるようなものにしていきたい。
おおむねそのような感じなのですが、自然学校の運営を通して、もう一つやりたいことがあります。
それは、障がい者、女性の雇用です。
なぜそのように思いいたったのか。
私は母子家庭育ちで、母が働きながら子育てをする姿を間近で見てきました。女性が子育てをしながら働くこと、働きながら子育てをすることがいかに大変かを子どもながらに感じていました。女性の働きやすい社会にしたい、女性の働きやすい会社をつくりたい。
また、私には兄がいるのですが、生まれつき知的障がいがあります。一緒に小学校に通い、周囲からいじめられたりからかわたりするのを見てきました。養護学校の卒業後は一般企業に就職したもののうまくいかずうつ病になてしまいました。その後は作業所に通い就労するもののひと月で5000円程度の工賃が得られるのみでした。
このような状況に、私もなんとか兄や兄のような境遇にある人がきちんと働ける社会にしたい、そういう会社をつくりたいと思ってきました。
このような境遇にある人を、挑戦すべきことが与えられている人、という意味で肯定的にとらえようと「チャレンジド」と呼ぶようになってきています。(従来は、障がい者の英訳は「disabled」などが用いられてきました。)
そんな思いもあって私がは会社設立にいたったのですが、自分の強みがたまたま教育や教材づくり、書籍の編集や出版などということもあり、なかなか「チャレンジド」の雇用に至っていませんでした。
ほかの事業を立ち上げるなかで、チャレンジドの方に活躍していただけるような機会はないだろうかと考えつづけて幾数年・・・
今回の自然学校やお宿のプロジェクトでは、施設の清掃、リネン交換・クリーニング、などなど、お手伝いしていただけることがありそうです。
志摩市の社会福祉協議会、シルバー人材センターなどを調べてみると、宿泊施設での清掃、リネン交換・クリーニングなどにも対応されているようでした。
ですので、現在準備中の自然学校では、チャレンジド、女性、高齢者、外国の方などなど、多様な人財に働いていただきたいと考えています。
また、小中高校生の就労体験などもできたらいいなとも。ちょっと欲張りすぎでしょうか・・・。