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【無料お試し版】NGOが潰れそう。だけど春のスタディツアー始まりました。

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大口ドナーからの寄付が途絶え、
うちのNGOは家賃や人件費が払えない危機的な状況だ。

だけど、今日からスタディツアーが始まった。

うちはスタツアを2013年から毎年、年2回実施している。

今年も順調にやらさせてもらえそうだ。

「CBB カンボジア スタディツアー」
で検索するとでてくる。

でも正直、うちのスタツアの満足度が高いかと言われると、Noと答える人もいると思う。

スタツアはとにかく悩む。

どこまでプログラムを絞るか。
参加者に主体的に考えてもらうプログラムにするか。
観光とプロジェクトと休息のバランスをどうするか。
全体としてどういうテーマを持つか。
何をどこまで見せるか。
何をどこまで説明するか。

考えたらキリがない。

僕の在住が長くなり、現地の奥底が見えるようになってくれば来るほど、何を見せるべきなのか/参加者は何を見たいのか、にとことん悩んだ。

それでも、ぼくが最近出した答えは「参加者一人一人に徹底的に向き合う」だ。

スタディツアーの参加者は5名~15名程度。

正直人数が多い時は毎日パーティみたいなスタツアになる。わいわいガヤガヤ。良くも悪くもうるさく、アッという間に時が過ぎる。

しかしこの大人数スタツアには課題がある。

それは「現地の人と仲良くなれない」という点だ。

やはり15人もいるとスタッフあわせ18人程度の大所帯。日本人同士でコミュニケーションするので精一杯だ。

そんな過去の反省もあってから、ここ数年は「カンボジアのリアルを知る」をテーマにスタディツアーを実施してきた。

よりローカルの人と絡めるよう、交流プログラムを多めにした。現地人スタッフ比率も高くし、常にカンボジア人と行動する、そんなスタツアを実施していた。

しかし、ここにも難点があった。

「何をしていいか分からなかった。暇だった。」という声があったのだ。なるほど、現地の人と仲良くなろうと、行く先々で交流を持ったが、これは好き嫌いが別れる。

ぼくは現地の人とともに時間を過ごし、深く仲良くなることが「カンボジアのリアルを知る」ということに繋がると思っていた。

知ることはすべてのチャンネルの入り口だ。

文化や慣習、
言語や歴史背景、
土地勘、
生活環境や
物価感、家計感覚。

これらを知っていくことで、問題の本質である「貧困」「教育問題」が見えてくる。

これを知ることで「国際協力」「NGO」「支援」の入り口が見えてくる。

究極的にローカライズすることこそ、グローバルな問題の実像が見えてくるのだと。

しかし、このやり方は間接的すぎたみたいだ。

ぼくは目の前の一人を理解することが国際協力に繋がると思う。

もちろん完全に理解なんてするのは出来ないが、理解しようとする姿勢が国際協力に繋がると思う。

僕らは、人を支援対象としている。

すべての支援の先には「一人一人の顔」があるのだ。

しかし、情報の洪水は時に有効でないこともあるみたい。

最近はより選んだ情報を伝えるようにしている。

かたや多くの時期で、ある他の課題にもぶつかっていた。

「参加者にどこまで主体性をもってもらうか」である。

正直これは失敗だった(ぼくはどれだけ失敗すれば大人になれるんだろう)。

常にこんな質問をした

「将来何をやりたいか」
「興味関心はなにか」
「その関連で、どんなプロジェクトをやってみたいか」
「どんなことを知りたいか/やりたいか」

正直、14日間という限られた時間のなかで、これに向き合うのは微妙だった。(当時のスタツアは事前準備期間を6か月用意してたが)それでも回を重ねるごとに限界を感じるようになってきていた。

半年準備して、それなのだ。

なので、準備期間を設けないここ最近のスタツアではこれは廃止している。

それでもプログラム中に、フリースクールでのイベント内容を考えてもらう行程をいれた。

最低限、場所や日時、対象者を絞ったうえで、プロジェクトを考えてもらう形だ。

これなら14日間の間にある程度話し合いを重ねることでゴールまで持って行けるだろう。

スタツア中にどこまで「現地の人のためになるプロジェクトをできるか」という問いは大きすぎた。

これからは枠を限定した上で、ニーズと照らし合わせ、スタツア中に、いいプロジェクトを作っていきたい。

アイディアを出し合い、
議論して、
準備をして、
本番をやって、

そんなことを通して、

参加者も自分と向き合い、

他人と向き合い、

現地の人と向き合い、

そして、成長できるような、意味のあるスタディツアーを今後も作っていきたい。

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