SAVネプチューン製作記とお願いごと

最近ですね、いや最近でもないか。ツイッターで完成品をあげると「差し支えなければ塗装レシピを教えてください」て訊かれることが多いです。そこで、これから言いたいことの要点というかお願いです。

僕に塗装レシピを訊かないで…。

なぜ訊かないでほしいのか。

今までは趣味でやってきたのでホイホイと答えてきたんですが、昨秋から僕は模型製作をほぼ本業に暮らしています。これで飯を食っていこうとしているしほぼ今はそれで暮らしています。

つまり、企業秘密というか、ホイホイ教えられるものじゃなくなってしまいました。模型の世界で食っていくというのは想像以上に厳しい世界でして、僕だけ食っていくならまだいいんでしょうが家族も養ってるんで減らせるリスクは減らしたいのです。真似されてお客さんが減ったら困っちゃうのは僕と家族です。

あとですね、今まで色々質問に答えてきたんですけど、お礼の一言もないのは日常茶飯事。それがどう生かされたのかも知らないままでモヤモヤするわけです。そして「何色ですか？」「青です」みたいな簡単な答えにもならない。どうしても、まずAを吹いて、BとCをDの割合で混ぜたものをその上に吹いて、Eを〜に気をつけながら吹く、みたいな説明になるわけです。

結構めんどくさい。

そのくせ僕には何のメリットもない…。

ということで、「すいません、これで食っているんで教えられません（めんどくさいし）」なんて答えたりすると、なんで教える側の僕が謝らないといけないの？なんて気もしてきます。

で、たまたまなんですが、おおっぴらにしたくもないけど備忘録的にレシピは残したいってことで課金エリアを設けてレシピを書いたのですが、これが意外に売れている…。需要あったんだ…。

しかも、これ便利でした。

「何色ですか？」と訊かれたときに、

「（レシピは）100円です」と答えれば、本当に興味のある人は買うだろうし、僕も「内緒です」と答えて後ろめたい思いをしなくていい。答えられないことを謝る必要もない。実に便利。

ということで、そんな大それた価値はないとは思いますが塗装レシピは今後、課金エリアで書いていこうと思います。

さて、ネプチューン。大好きな平井さんの原型です。今回は初めて同じキットを２個同時に作ることにしました。

１つはオークションに出品する用に。もう１つは自分のために。最近、自分の完成品が無くてちょっと寂しいのです。今まで完成品に興味はあまりなかったのですが、モーターヘッドは飾りたくなっちゃうんですよね。手放したくないなーって気持ちが強いです。食ってくためにドナドナされていきますけど。でも、お客さんのところでピカピカに飾ってもらっているのを知らせてもらったりするとすごく嬉しいです。人の役に立ててるのかなって。

当初は前回のアワトレジュノーンの色をテストしている中で、不採用となった色を使っていこうと思っていましたが、ちょっと青すぎるかなぁということで結局、試行錯誤。10パターンくらい試したかな。でも、これだ、という色が決められたので満足です。今回も不採用になった塗料はそれなりにたくさん。いつか日の目をみるといいなぁ…。

最近のSAVは比較的組みやすいんですけど、さすがに２体あるとパーツの数も多く、表面処理の手間も多くて大変でした。でも、効率はよかったかな。注意すべきポイントを忘れる間もなく同じパーツをまた処理できるから。

仮組み完了。写真で見る３倍くらいかっこいいです。実物映えする造形です。IMSのヴァイオラなんかも写真より実物が断然かっこいい。あんな感じ。

HiQの円形マスキングテープが大活躍。持っているといいマテリアルですよね。2.8mmがジャストサイズでした。

わりとはっきり目が見える造形です。SAVネプチューンの顔は本当に素晴らしい出来。

頭の後ろのジャラジャラは同じパーツが12個…。

２キット分なので24個。わりと苦行です。

肩の人魚は娘のめいに塗ってもらいました。こういうのが得意なので。

今はアシスタント。来年以降は相棒として模型製作をやっていってもらいます。GBWCジュニアの世界一を獲ってるし模型歴も10年。実力は申し分ないです。表面処理とか基礎的な工作も非常に丁寧。僕より技術的に上である部分もそれなりにあります。配色のセンスや色のチョイス、色の識別に関しては天性のセンスというか力を持っています。僕が逆立ちしても敵いません。でも、色を作る力には乏しい。あと、手が遅い。これでは食っていけないので、そのへんの力を数年でつけていってもらい、いつかは独り立ちしてもらいたいところです。厳しい世界だけど「模型で食べていきたい」と言うからには、普通の生活では考えられないような努力をしなきゃいけないと思うし、僕も応援できる部分はしていきたいです。できれば楽しい努力であってほしいけど。

塗装が一通り終わったら、組み上げです。

今回の本体色はお気に入りです。青すぎない海を感じさせる色。ネプチューンにはこれが塗りたかった。

ここからは塗装レシピです。