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フェスティバルの素晴しさは、人々の人生が交差することの美しさにあるのだと、僕は思う。
年をまたいでしまいましたが、
この話を書かずして2019年は締め括れないし、
新しい年もやってこないと考えていた話があります。
ご存知のない方のために、、、
僕はイベントのプロデュースを仕事にしていて、中でもageHaでやっているハンガリーの巨大音楽フェスティバル・OZORAを日本に紹介するイベントは1月18日の開催で6年目を迎えます。
OZORA Festival official
https://www.youtube.com/channel/UCsgcXbjl1R2oPuVUhBn3lQQ
振り返ると、2019年の最も強烈で美しい思い出は、そんなOZORAの最終日に聴いたPerfect StrangerのDJセットでした。
それは何故か???
OZORAで毎年プレイし続けているPerfect Stranger。
しかし、なぜか2019年のOZORAにはラインナップされておらず、僕ら夫婦は落胆していました。
けれど、そんな年もあるだろう。。。
「今年はオーストラリアのRainbow Serpentでも聴けたし、11月のLAでも聴けるからいいか。。。」
そんなことを思いつつ、、、
フェスティバルも中日を過ぎた頃。
僕らがOZORAのアーティストエリアで過ごしていると、
ふらりと現れたのは、そこに居るはずのないPerfect Strangerでした。
「なんで居るの!!??」
でも次の瞬間、僕たちはすぐにその意味を理解しました。
OZORAの最終日。
いつものOZORAであれば18:00ぐらいから大トリのアーティストが出てきて、20:00の夕焼けとともにフェスティバルが終わる。
それなのに何故か今年の最終日は13:30からのREGANで終わるタイムテーブルになっていた。
「そんなわけない。」
「絶対に誰かシークレットゲストを隠してるな。。。」
僕らはそう思っていたし、、、
それが誰なんだろう?と、OZORAに行く前からみんなで話したり、妄想したりしていたのです。
そこに現れたYuli。ことPerfect Stranger。
Yuliに駆け寄る僕。
僕に気づいたYuliが「シーっ。」口に人差指を立てて、目で笑う。
「まさか!!?? 信じられない!!!!!!!」
彼は僕ら夫婦が5年前に結婚した時の結婚パーティーのDJで、僕らはそれを決めるまでの間に幾晩も幾晩も、様々なDJのMIXを聴きまくって、Perfect StrangerのMIXを端から端まで聴きまくって、彼を呼ぶことに決めた。という経緯があります。そして今や、家族のように慕っている彼が目の前にいる。
数万人が集まる巨大音楽フェスティバルの最終日。大トリのシークレットゲストとして自分の結婚パーティーのDJがプレイする。そんなことが起こり得ると、想像がつきますか???
最終日。
僕はいつも抱えているカメラをほったらかして、ただ楽しむことにしました。
長いような、短いような、不思議な1日だったと思います。
夕日に染まる丘でPerfect Strangerを聴きながら踊り、少し腰を下ろして話をしていると、僕らの隣にとても雰囲気のいいカップルが、優しげな顔をしてフロアを眺めていました。
僕は彼の方に話しかけました。
「君たちは結婚しているの?」
「いや、まだなんだよ。」
少し自信なさげに答える彼の向こう側から、彼女が僕の方を向いて、少し照れながらこう応えました。
「私はいつでも大丈夫なのよ。」
僕は笑って続けました。
「今、プレイしているDJを知っている!?」
「いや知らないよ。」
「実は、僕は東京でプロモーターをしていて、日本にOZORAを紹介するパーティーを作っているんだ。」
「そして、今あそこでプレイしているのは、僕ら2人が5年前に結婚した時の結婚パーティーのDJで、彼の名前はPerfect Stranger。」
彼と彼女は目を丸くして驚いてくれました。
「すごい!! もう一度名前を教えて!!」
「とても美しい音楽だね。なんて美しいんだろうか。。。」
「君たちもとても美しいよ。きっと幸せになる。」
あの光景を僕は一生忘れることはないと思います。
そして、より強く、自分がOZORAの一部になったことを感じたのでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1738913308-V41DN8ZyTpM7eu2GnmSHJYba.jpg?width=1200)
Photo by Masanori Naruse
フェスティバルの素晴しさは、そこに参加する人々の人生が、交差することの美しさにあるのだと、僕は思っています。
それぞれの人々が人生の大切な時間を過ごすために、世界中からここに集ってきている。その想いが、そのことへの想像力と敬意と、愛情がこの空間を作っている。
僕のOZORAは6年目を迎えて尚、過去最高の体験でした。
ここでは書ききれないほどの笑いと、喜びと、刺激と、沢山の大切なものを受け取りました。
そんな特別なOZORAを、東京のみんなとシェアできるパーティー。
OZORA One Day in Tokyoがもうすぐやってきます。
みんながその日も、最高の時間を過ごして、良い一年のスタートになれるよう。感謝を込めて、ベストを尽くしたいと思います。
ということで、、、明けましておめでとうございます。
2020年。
みなさんにより多くの暖かな光が届きますように。。。
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Cover photo by Christophe Renodeyn
a.k.a Shoot your shot photography
https://www.facebook.com/shootyourshot.photography/