夏に見るべき身体データ〜気をつけたいポイント解説〜
こんにちは!
イクサポです!
最近は暑い日が続いていますね、、、、
うちのチームでもやはり何人かの選手は熱中症になっています。
特に小学生、中学生は『大丈夫です』と言って、その5分後には熱中症になっている場合も多々あるので、あまり信じすぎないように。
熱中症の疑いがある場合の対処方法としては、
①意識があるかを確認(ない場合は救急車要請)
②涼しい場所に移動
→脱衣と冷却(首、脇、ももの付け根)し、足を高く上げる
③水分と塩分を摂取(自力で取れたら様子見、難しい場合は医療機関へ)
④回復後も継続して、寝るまで清涼飲料水の摂取を行う
参考にしてください!!
さて今回は,体組成について話していこうと思います.
これは一番身近に測れる身体データです!
夏の期間、体重が落ちている選手がいませんか?
『ちゃんと飯食えよ〜』なんて声がよく聞こえてきますが、本当に食べれば体重は増えるのか?そもそも体重で評価をしていいのか?
選手や指導者が身体状態を把握する上で非常に重要なデータとなります.
このデータの変化を捉えるだけでも多くの怪我やパフォーマンスと関連してくると考えられるので,ぜひみなさんも一緒に考えていきましょう!!
体組成ってなに?
正確に言うと,身体組成といい,身体の成分組成のことです.身体は水分・タンパク質・脂質・ミネラルの4つの主要成分で組成され、「脂肪・骨・除脂肪軟組織」の3要素に分類できます。
また,他の分類方法として
① 脂肪(量)(fat mass:FM ):脂肪組織および他の組織中に含まれる全ての脂肪
② 除脂肪(量)(fat free mass : FFMもしくはlean body mass:LBM)
:水分,筋肉,骨,内臓などを含む脂肪以外の全ての組織
と言うものもあります.
つまり,体重は,この3つないし2つの要素を全て含んだ重さになるとされています.
現在販売されている体組成計では様々な数値(骨格筋量,内臓脂肪量など) を求めることができるものもほとんどですが,先ずは
・体重 × 体脂肪率=脂肪量
・体重 − 体脂肪量=除脂肪量で求められるのでやってみてください!
またこの2つの要素のバランスが非常に重要になります.
特に体脂肪量を気にする方は多いですが,除脂肪量もかなり気にした方がいいです!笑
なぜこの2つのバランスが大切なのでしょうか?
先ほど書いた通り,除脂肪量は脂肪以外の全ての組織ですが,ほとんどが骨と筋肉の重さです.
除脂肪量に占める筋肉量の割合は48.2~54.4%です.
またトレーニングと食事により,主に変化するのは筋肉量もしくは水分量と考えられるため,除脂肪量の変化は筋肉量もしくは水分量の変化と捉えることができます.水分量は暑熱環境下などでしか大幅には変化しないため,ほぼ筋肉量の変化として捉えることができると考えられます.
これより,トレーニングにおける身体組成への変化を見ていく上で除脂肪量を一つの指標とするといいでしょう.
身長の影響を取り除いた指標として,
除脂肪量 / 身長=除脂肪量指数(LBMI)を用いると,チームの選手のデータを比較することができます!
ちなみに高校生年代においては,管理栄養士さんに伺うと除脂肪量が36kg以上欲しいとのことでした.1つの参考にしてみてください!
身体組成の最も基本的な指標は身長と体重で,トレーニングをしてない人では体重の変化が最も適切なエネルギーの摂取と消費のバランスの指標になります.
しかし,スポーツ選手は,タンパク質とグリコーゲンが水分とともに身体に蓄積されるため,これらの変動が体脂肪量の変動とともに体重に大きく影響します.
スポーツ選手が目指す身体組成として,基本的には,脂肪量が少なく除脂肪量が多いことがパフォーマンスの向上につながるとされています.
しかし,これは一概にも言えません!
女性の場合,体脂肪の過剰な減少はエストロゲンの分泌を抑制し,無月経や稀発月経を引き起こします.男性においても過剰な体重減少は,テストステロンと言う男性ホルモンの減少を引き起こします.
体脂肪の役割として,
・エネルギーの保持
・体温の維持
・内臓の保護
・ホルモンの生成
などの役割があるため,一概に少なければいいというわけではないです!
体脂肪率としては,
男性:3〜4%
女性:9〜12% は生命を維持する上で必須の脂肪と考えられます.
また競技種目によって多様の差はあるものの,
望ましい体脂肪率としては,
男性:5〜13%,女性:12〜22%程度と考えられます.
また体脂肪量としては,男性で,7.5kg~10.5kgは必要とされています.
以下が,競技別の一流選手の体脂肪率を示したものなので参考にしてください! (Tarnopolsky,1992)
増量と減量
今回は概論のみにしておきます.
スポーツ選手は競技によっては,体重を増やしたり,体重を減らしたりすることが多々あります.特に柔道やレスリングなどでは階級によって規定体重があるため減量が必要になります.他にも芸術系の種目(体操,新体操)でも減量をしますね!
増量や減量で一番重要なのは,エネルギーバランスです.
増量の目的として,単に体重を増やすことではなく,競技力を向上させるための筋量を増やすことに意義があります.
増量で言えば
1日400〜500kcalの増食で1週間あたり約450gの増量が可能
と言われていますが,やみくもに食べているだけでは,体脂肪が増えるだけです.
また減量においては,LBMの減少をできる限り抑えて,体脂肪を減少させることが重要になるため,よりエネルギーバランスを詳細に考えていきます.
そのため炭水化物,タンパク質,脂質の必要最低限の量が確保された上で,量を調整したり,トレーニングをしたりすることが重要になります.
増量や減量のよくある誤解として,
・タンパク質を多くとればいい
・炭水化物を少なくすればいい
と言う人がいますが,それだけでは競技力は向上せず,失敗するでしょう.
栄養素が体に及ぼす生理学的な変化を考えた上で,量をコントロールすることがスポーツ選手の増量や減量には重要になってくるのです!!
次に夏の時期に気をつける体組成について書いていきます!!
夏は水分不足とエネルギー不足に注意
よくタンパク質が足りてないと思われがちですが、意外とタンパク質は食事の中で摂取できていることが多いです。
肉、魚、卵、乳製品、豆腐、納豆など毎日の食卓に必ず2品はタンパク質が多く入っている食材が使われているでしょう!!
夏に不足しやすいのは、
・水分
・炭水化物
です!!
水分に関しては、想像がつくと思います!
人体の約70%は水で構成されています。
夏は気温や湿度が高いため、汗をかきます。
この汗が蒸発する時に、身体の温度を下げてくれます。
しかし、汗として水分が外に出ると、体内の水分が少なくなり、脱水の状態になります。
この状態でスポーツを続けていると、身体のだるさから始まり、吐き気や意識朦朧など生命の危機に関わってきます。
特に練習前後で体重の減少が2%以上の選手は要注意です。
そのため、夏場は必ず適切な水分補給を行うようにしてください!!
水分補給のガイドラインをつけて置くので、参考にしてくださいね( ^∀^)
次に炭水化物です。
炭水化物は糖質と食物繊維で構成されていますが、夏場はどちらも不足する場面が多いです。
なぜ炭水化物が必要かというと、運動するためのエネルギーとして使われるからです。
夏場は気温の影響からエネルギー消費が多くなるため、その分炭水化物をしっかり摂取する必要があります。
一般的に、中学生年代であれば、1日3000Kcalは必要とされており、そのうちの60%(1800kcal)を炭水化物で摂取することが必要です!
炭水化物は1g:4kcalの消費なので、450gほどの炭水化物を摂取しましょうと言えます!
この450gという数字はイメージできないかもしれませんが、
ご飯1杯で約50gが摂取できるので、ご飯のみで考えると1日9杯になります。
こんなに食べれませんよね笑笑
ただ他の食品にも炭水化物は含まれているので大丈夫ですが、少なくともスポーツ選手であれば1食で2杯はご飯を食べられるようになるいいです!!
夏場にあまり食べられない選手は、自覚症状として、身体のだるさや重い感じ、目覚めの悪さがあり、パフォーマンスも非常に低下します。
まずは水分と炭水化物をしっかり摂ることで、パフォーマンス低下を防ぎ、夏を乗り越えましょう!!
今回は基本的な身体組成について書いてきました.
自分の一番短にある身体データですのでぜひ継続して記録として残していくことをお勧めします!
また育成選手にとっては,自身の体の変化を自分で管理しいていく一番簡易的なデータとなるので,ぜひ担当している選手にやらしてみてください!!
それでは(^ ^)!!
ライタープロフィール
イクサポ
理学療法士・アスレティックトレーナー学生!!
日本一に輝いた大学サッカーチームの専属トレーナーとして、日本トップレベルの選手のトレーニングや治療を担当。その他、育成年代のトレーニングサポートを行うべく "イクサポ "を立ち上げ、情報発信中!!