債券投資の魅力と気をつけなければならないこと
あなたは債券投資の魅力について気づいてきますか?
政府が『貯蓄から投資へ』と掲げていることも影響してか、昨今、株式や投資信託へNISAを活用したりして投資をする方が増えています。
ただ、債券投資となるとどうでしょうか。まだまだ投資候補として検討している人は少ないのではないでしょうか。
その要因としては、以下の4つが考えられます。
①そもそも債券の仕組みがよく分からない
②株や投信に比べると情報も少ない
③小額から投資出来ないと思われている
④為替リスクなどが恐い
債券投資には、株式や投資信託にはない、魅力があります。
日本の金利はまだまだ低い状態です。一方で、海外の金利は高く、高利回りの債券が多く存在します。それらの債券に日本の個人投資家が投資することは可能です。
正しくリスクを理解して投資を行えば、将来に向けての資産形成や利金収入で新たな収入の一つにしていただくことが出来ます。
今回は、債券投資についてその魅力と注意点をお伝えします。
目次
債券とは
債券投資の魅力
債券投資の注意点
1.債券とは
国、公共団体、企業などが資金調達する手段の一つです。発行する国や企業は、満期償還の期限を決めて、それまでに利子を支払います。なかには利子を支払う代わりに満期時に100%の元本を返済する「割引債・ゼロクーポン債・ディスカウント債」などというものもあります。この場合発行時に債券の価格が割り引かれます。
また、それらの債券の発行する通貨や場所によって、大まかに、国内債券と外国債券に分けられます。
これらの債券は、発行された後、その時々の金利情勢、信用状況などを踏まえた条件で、売買されています。
新たに発行された新発債に投資する以外に、既に発行された「既発債」に投資することが出来るのです。
2.債券投資の魅力
債券投資の中でも、金利差を考えるとやはり外国債券投資に魅力があります。
その魅力は以下の3点です。
1、高い金利・利回りを受けることが出来る
2、満期時には元金が戻ってくること
3、為替差益を得られる可能性がある
個人投資家の方々も、様々な証券会社で投資することが可能です。
複数の証券会社のサイトから、実例をいくつか紹介します。
例①米ドル建て既発債の例 🇺🇸(SBI証券のサイトより 2022年12月30日現在)
三井住友フィナンシャルグループ 米ドル建て 利付債
利率3.010%(利払い4/19,10/19) 債券単価93.93 利回り 4.78%
満期償還 2026年10月19日
これは三井住友フィナンシャルグループが、米ドルを使って過去に発行した債券を途中で購入する既発債と言われるものの取引です。
債券は、満期償還までに受け取れる利息は決まっているので、途中で購入
する場合、その時々で債券単価が変わります。この例の場合、満期時100%に
なるものを93.93%の価格で購入することが出来ます。
元本が満期時に増えて還ってくることも合わせて計算されるものが利回りです。
例②メキシコペソ建て既発債の例🇲🇽(SMBC日興証券のサイトより 2022年12月30日現在)
米州開発銀行 メキシコペソ建て 利付債
利率0.50%(利払い3/5,9/5) 債券単価93.35 利回り 11.12%
満期償還 2023年9月5日
米州開発銀行という国際金融機関(格付けAAA)が、メキシコペソを使って発行した債券です。メキシコペソ建ての為、その通貨のリスクが生じます。ただし、債券発行通貨国(メキシコ)の金利情勢に合わせた金利を享受できる為、11%強の高い利回りを得ることが出来ます。
どうでしょうか。この高利回り、日本ではそう得ることが出来ませんよね。
もちろん、為替リスク、信用リスク等のリスクはありますが、ポイントを押さえて投資すれば有効な投資手段となることは確かです。
債券について知識のない方にとっては、分かりにくいところもあるかと思いますが、今後、何回かに分けてできるだけ分かりやすく伝えていきます。
3、債券投資の注意点
債券は魅力的な投資対象ですが、利回りが高いからといっていいことばかりではありません。
当然、高い利回りの裏には、それなりのリスクがあります。
前項で挙げた三井住友FGの米ドル債と米州開発銀行メキシコペソ建債の利回りに6%以上の差があるのは、主に為替リスクの違いによるものです。
米ドル建て債券に日本に居住している方が投資する場合、米ドルの為替レートの変動により、受け取れる利息や満期償還時の金額に違いがあります。
例えば、仮に10,000ドルを1ドル=130円の時に投資をすると、投資金額は130万円。満期などで換金する時に円安・ドル高になって1ドル=150円であればその1万ドルは150万円となり増えるが、逆に円高・ドル安の方向に動いて1ドル=110円であれば110万円に目減りすることとなる。
これが、外国債券投資におけるリスクの一つ為替リスクです。
メキシコペソであれば、その通貨の変動リスクが発生します。
このように債券投資には、リスクも当然あります。主なリスクは下記の通りです。
①為替リスク
②価格変動リスク(債券を途中で売買する際の価格変動によるリスク)
③信用リスク(発行している国や企業が、利息や元金を支払えなくなるリスク)
④カントリーリスク(発行している国やその通貨対象国の政情などによるリスク)
⑤流動性リスク(債券は、途中で換金可能なものが多いのですが状況によっては換金しにくくなることがあるリスク)
これらについても、今後の投稿で詳しく書いていきます。
債券投資のみならず証券投資全般に言えることですが、商品性やリスクについてしっかりと理解をした上で、投資をすることが大切です。
また、通常の債券以外に最近問題になっているのは『仕組み債』と言われるものです。これは、債券とはいうものの内容はオプション取引などのデリバティブ取引を使った複雑な商品で、投機性の高い商品です。
いずれにしても、分からないことは解消した上で投資することが大切です。
リスクさえ理解していれば、債券投資があなたにとって有効な投資対象になることは間違いありません。
今後、債券投資について、詳細に投稿していきます。
あなたの資産運用のお役に立てる情報にしていきますので、ご覧いただければ幸いです。
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