人生初キャンプ
那覇空港近くのファミマの銀行ATMで現金下ろそうと手続き開始ボタンを押すと、
「はいさーい!!めんそーれ!!」
とまあまあなボリュームで機械が叫び、図らずも沖縄の洗礼を受けたというか、今俺は沖縄に来てるということを実感させられた。
4年ぶり?ぐらいのクワイヤーの後輩との嬉しい再会を果たし、そしてこれまた数年ぶりの友人のところへ泊めてもらう。すぐに位置関係を確認する。ここから宜野座へは約40分、具志川へは約30分の距離だ。そう、今回は昔から本当に行きたいと思っていた、阪神タイガースの春季キャンプ観戦という偉業を果たすことが出来たのだ。
まず、いつか行っておかないといけなかった大阪出張と、大人版というファングループの集まりが同じ時期に重なり(重ねたという話もある)、関空-沖縄の飛行機代がピーチで往復2万円弱で抑えられたこともあり、無事全てタスクをマークできたわけである。ただ関空からピーチを使う方ご注意を。ピーチの発着する第2ターミナルめっさ遠い。関空駅から無料バスで10分程度乗る必要があるので、ある程度余裕をもって空港に着いている必要があります。特に夜遅い便などは電車の接続に注意が必要。ちなみに僕は那覇から戻ったとき、ラピートまでダッシュして飛び乗れたのはよかったものの車中で吐き気が止まらず、たぶん岸和田ぐらいまで顔を前に向けられなかった。
昨年8月に誰もいない安芸タイガースタウンは訪れたものの、実際キャンプが行われている宜野座とうるまに来るのは初めて。沖縄自体も24年ぶりかな。しかも今回キャンプを観る時間はたったの2日間しかなく、観光地には一切立ち寄らず(北谷と中村家だけちょろっと立ち寄る)、2日のうちの1日は宜野座の1軍、もう1日は具志川の2軍キャンプへ行き、本当にみっちり濃厚な時間を過ごすことができました。
まずは宜野座へ。人生初のETCをどきどきしながら通過し(笑)、インターを降りるところからタイガースののぼりが立ち並んでいてテンション上がる。球場自体はインターからすぐの距離ですが前情報としてある程度早めに着いて、駐車場を確保する必要があると聞いていたので、練習が始まる30分くらい前に行ったのだが、車を停めることができた場所は球場から20分以上しかも右へ左へくねくねと歩かなければならないところだった。よくキャンプに来られるファンの方によると、やはり今年は日本一達成直後ということもあり、例年よりファンの出足も早いし数も格段に増えているとのこと。これは2軍の方も同じなのでこれからの方、ご注意を。
宜野座村全体でタイガースを歓迎している様子が随所に見られ、駐車場から球場へ向かう途中も自然と笑みが出る(きしょい)。球場に着くと、やはり選手との距離が半端なく近い。大山や近本を始めバリバリのスタメン選手、若手で期待の選手、それに試合では見る機会の少ない、選手をサポートする大勢の人達。全ての人達がきらきらと輝いて見えた。だってそらそーよ、何つってもタイガースはチャンピオンチームなんやもん。おーん。
新人で唯一1軍参加の椎葉投手のピッチングも目の前で見れた。まだキャンプも前半でもちろん全力ではなく、変化球中心に1つ1つ確認しながらの投球のようだったけど、時折投げた直球のキレと変化球との落差、シーズンが始まるのが本当に楽しみになった。
フリー打撃は3か所のゲージから同時に行われ、そこへ立つ3選手がお互いを意識するように打球を飛ばし、またそれを見守る今岡コーチの姿も印象的でした。お昼にはフードトラックがいくつも出ていてどれもおいしそうで迷った結果、沖縄牛サガリ丼をチョイス。普通笑
タイガースのキャンプは、本当に多くの人たちに支えられて運営されているんだなあと実感。
そして翌日は、2軍キャンプが行われているうるま市の具志川球場へ。この球場は丘の上にあり、海が一望できる美しい場所。よく知る親しいLAの友人にこの具志川出身ってのがいて、この球場ができた当時はこの辺りの野球少年たちの憧れの場所であったようです。球場から海が見える写真を彼に送る。そうそう、前日の宜野座を教訓に、もっと早く球場へ到着したつもりですが、前日よりも離れた場所に駐車することに。めっさ歩いた。。
2軍の方もファンの数は盛況なのですが、グランドの雰囲気は宜野座とは少し違う。報道で取り扱われたりしている、いわゆる期待されている選手たちではない、背水の陣を踏んでいる選手たちの必死な姿を見ることが出来た。秋山、島田、遠藤、鈴木、そして高濱など、ポジションを約束どころか、奪い取らないといけない立場の面々が、覚悟を持った真剣なまなざしで練習に取り組んでいた。こういったスポットが現在当たっていない選手こそ私達の応援が必要だろうと思う。そして見事活躍を果たしたときに、「ああ、あの時頑張ってた甲斐があったなあ!」と一緒に喜べるんやと思う。プロは結果が全て。厳しい世界。それは重々承知。だからこそこうやって陰ながらコツコツと努力を重ねる選手たちを、僕は応援したい。僕はそういうスタイル。なので個人的には、2軍の方がすごく見ごたえがあった。時間が早く流れた。数年前宮崎のフェニックスリーグを観た時に、数人の選手からやる気が感じられないと思ったことがあったが、今回の具志川球場ではそんな選手は1人もいなかった。
我がタイガースには、大腸がんがStage3のbまで進んで、そこから不死鳥のごとく復活を遂げ、そして今もなお現役の第一線で活躍し続ける選手がいる。僕はこの選手からいつも力をもらっている。2軍で調整中だったこの選手から、思いがけずサインが頂けた。胸がいっぱいになった。
何と言っても僕は今アメリカで暮らしているので、日本でさえもなかなか簡単には行けないのに沖縄となるとなおさら行きづらい感は否めないが、これからも可能な限り何とか理由(大義名分的な)を作ってまたキャンプを訪れたいと思う。せめて1クール4日間丸々観られるようなスケジュールが組めたらと思う。
まだキャンプに行ったことがないあなた。キャンプの楽しさは、キャンプに行った人でないとわからないんですよ~。