フラワーライナーが光町役場まで行ってたなんて覚えている人どれくらいいるのだろうか?
千葉駅ー成東車庫を千葉東金道路経由で結ぶフラワーライナーというバスがある。1987年にそれまで国道126号経由で千葉から成東へ走っていた東金急行線を経路変更したもので、運行は1995年までは京成電鉄、それ以降はちばフラワーバスで行われている。余談だが、国道126号を経由して千葉駅から成東を結ぶ路線は現在でもちばフラワーバスによって運行されている。
話をフラワーライナーに戻す。このフラワーライナーだが一時期成東を越え、光町役場(現在でも横芝光町役場として現存、以下光町とする)まで延長運転されていた時期があったのを覚えている人はどれくらいいるのだろうか?
経路はまんまこんな感じだった。成東車庫を出ると国道126号に戻り、そのまま松尾・横芝を越えて最終的に光町まで行くという極めてシンプルなもの。
資料がないので詳細な所要時間や運賃は不明だが、現在の所要時間等から推察するに光町まで1時間30分、運賃900円から1,000円程度だったと思われる。これに伴い光町は利用者用の駐車場を設け、また途中成東町北部の早船附近や松尾・横芝にも停留所を設けて利便性を図っていた。
参考までに現在のフラワーライナーは千葉駅ー成東車庫で約1時間、運賃は770円である。なお、延伸に伴いそれまでの終点が成東駅から成東車庫に変更されており、こちらは現在まで続いている。
さてこの延長運転だが、京成電鉄時代の1993年に始まり、ちばフラワーバスになって1年くらい経った1996年に運行終了しており、この年に再び成東車庫が終点となった。これはなぜだろうか?早い話そこまで利用者がいなかったんだけど、じゃあなんで利用者が定着しなかったのだろうか?分析してみた。
千葉ー成東は電車で行った場合だと45〜50分くらい、運賃680円かかる。成東まではバス以外にも総武本線で行くか外房線+東金線で行く等手段は多く,またそこそこ通勤客も多いんで座って行ける事はかなりの強みだった。
しかし、成東を過ぎると対抗手段としては総武本線の各駅停車しか無く、また横芝(光町は線路はあるけど駅が無い)まででカウントしても、時間と運賃でその本線の各駅停車の方が有利、かつJRでも成東を過ぎると利用客が一気に減るため、高速バスの強みである着席保障をいくら唱えても乗る人がいなかったんではないだろうか?
また、運行が京成電鉄やちばフラワーバスだったのも痛いかもしれない。というのも、松尾から先は千葉交通の運行エリアであり、途中にバス停があっても『どこのバス会社?』という認識しか無かったんじゃないだろうか?ここに千葉交通が加わっていたら変わってたかもしれないが、それだけのために運行するというのもあまり乗り気では無かったのだろう。
廃止して少し経った頃、千葉交通が銚子ー千葉駅・幕張免許センターを結ぶ高速バスを運行するようになり、横芝や松尾でも客扱いを開始したので代替路線は一応完成したが、好評だったので1往復が8往復になったもののそれも長く続かず、だんだんと減便を繰り返して2013年に銚子発の1本だけになり、最終的に2019年6月に運行休止になっている。もしかしたら成東と違い、光・横芝から千葉市の需要がもともと無かったのかもしれない。これについては、以前書いているので参考までに。