[決算予測]東邦亜鉛 第一四半期

8月10日(火)15:00に発表される東邦亜鉛株式会社の2022年3月期第1四半期決算を予想してみました。※2021年7月20日一部修正

期初予想は以下になっていて、私はとても保守的と見ています。きっと資源価格は国際価格に左右されるので、決算発表時の現在値で発表するしかないのでしょう。

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資源株は在庫評価の影響が損益全体に与える影響がとても大きいです。そのため、資源価格が高騰するときは株価が大きく跳ね上がり、下落するときは、株価が大きく暴落します。また、資源会社の収益は一般公開されているLME価格で推測がしやすいため、そこが資源株の投資妙味と考えています。正直、私は株の世界で大きく儲けている人の多くはインサイダー取引だと考えています。そのような株の世界で勝つためにはインサイダーをしなくても、公開情報で収益を想定できる会社に中長期投資するのがよいと考えています。

東邦亜鉛は仕掛品と原材料として3月31日時点で255億円を持っています。これを売上比率から亜鉛が全体の26%、鉛21%、銀が26%、その他27%と予想しました。

3月末から6月末までにLME価格では亜鉛(Zinc)はおよそプラス6.1%、鉛(Lead)はプラス5.7%、銀はプラス1.7%の価格変動をしています。※以下LME価格チャート参照

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また、三井金属が発表している建値ベースでは亜鉛は8.2%上昇しています。鉛の方は三菱マテリアル建値を見ると5.7%上昇しています。今回は亜鉛と鉛はLMEではなく、三井金属と三菱マテリアルの建値を参考に在庫評価をしてみます。銀は国内で建値が見つからないのでLME価格を参考にします。そして、その他を1%資産価値上昇とすると、10.5億円の在庫評価益が出ます。

次に営業利益ですが、上記価格上昇を下の決算発表資料の感応度に当てはめてみます。例えば亜鉛では1トンあたりの価格が10ドル上がると営業利益で2700万円の押上効果があるみたいです。

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ここにそれぞれの現在価格を当てはめると2.5億円の利益改善が見られます。この中には円/米ドルのレート改善による0.7億円の利益改善と、米ドル/豪ドルのレート変動ではマイナス0.1億円が含まれています。
※この表になぜ銀の感応度がないのか不思議です。前期と今期で銀価格に変動がなかったので今回は問題ないですが、、、

すべて合わせると第1四半期決算は期初予想から凡そ13.0億円の利益改善が見られると予想します。これに半導体市場の活況で、電子部材事業部などの営業利益の好転が加わると思いますが今回は割愛しました。

第二四半期累計の経常利益の期初予想は昨年の33.87億円からマイナス38%の21億円ですが、これで34.0億円程度が見えてきて、対前年プラス圏に浮上するのではないかと考えます。

第一四半期ベースで見てみます。前年の第一四半期の発表は以下でした。

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これに対して私は2022年3月期第一四半期は以下のように予想します。

営業利益:8.60億円(2021年)⇒15億円(2022年)、上期進捗率60%
経常利益:12.76億円(2021年)⇒23.5億円(2022年)、上期進捗率112%

決算には会社や業界の癖があると思うので、綿密な予想を繰り返し、それを実際の決算をみくらべて何度も答え合わせすることで、予測の精度が上がってくるものと思います。


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