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【自己紹介】副業と複業

46歳、会社員、独身、男性。
20年ほどの営業職経験。
私の属性を書けばそうなると思う。
ただ一般的な会社員と違う点があるとすれば、「複業会社員」ということだと思う。


私は某通信事業者で正社員として法人営業をしている。
そして私が勤める企業は副業が認められており、レギュレーション内でクリエイティブを収入にしている。
始めたのは4年ほど前、私が立ち上げた写真、映像、アパレルの複合クリエイティブプロジェクト「THE LADS」に端を発する。

本題に入る前に私が考える「副業」と「複業」の違いについて触れておきたい。
まず2025年の日本に於いて私は会社員であることすらリスクだと捉えている。昭和の時世であれば永年雇用、勤続年数に応じて収入が増えていた時代だったと思う。(業種、業界の違いはあれど)努力が財布に直結していた様に父母の世代を見て感じる。

対して令和の現代、日々の生活すら脅かされる様な事象がいつ何時でも起こりうる可能性がある。どれほどリテラシー高く生きていても何かの負の要素が勤める企業に起こった際(企業側の責でないにしろ)に、ネガティブに働く瞬間もあるだろうと危機感を持っている。リスクを回避する手段として自身のキャリア形成の複数の可能性を探りながらインカムを増やす(現時点では量を増やすのではなく、経路を増やす)方法を取り、構築する事にした。それが「複業」である。サブ(副)ではなくマルチ(複)なのだ。

参考までにだが直近1年の私の収入の25%はこの「複業」によって構成されている。

主な複業は以下
・「THE LADS」アパレルの企画、販売
・ルック撮影の知見、スキルを活かした他事業者の写真、映像制作、ディレクション
・アパレルの知見、コネクションを活かした他事業者のアパレルディレクション
・私個人としての作品制作、販売


THE LADSアパレルの企画、販売
メンズストリートファッションの企画、販売をECメインに行っている。
私のファッション遍歴はスケート、ヒップホップ、アメリカンユーズド、そしてモードやコレクションブランドまで一通り通過し、最終的にNYスタイルのストリートミックススタイルに落ち着いた。
このスタイルを現代に昇華したアイテム群を商品にしている。

「THE LADS」アパレルはメンバー用に撮影時に着るクルーTシャツを作ろうとした事から始まった。このクルーTシャツ、当初は販売目的ではなかったが最小ロット生産でも少し数が余ってしまうのでせっかくなら販売してみようかとBASEにてショップを開設した。5-6枚の販売数、ミニマムスタートだった。

ECの経験はなかったが、20代はアパレルで従事し、自身もWeb通販には慣れていたのでワークフローを構築する事に苦労は感じなかった。それよりもまたファッションを扱える喜びが勝った。4年前と言えばコロナ禍真っ只中だったがそれでもSNSを通じてひとりまたひとりとプロジェクトに賛同してくれる仲間が集まっていった。年4回ほど定期的にリリースを行い(生産は外注)、ここが重要なポイントだがルック及び商品画像、SNS用の映像は全て内製で行っている。そして私はその全てでディレクションを担当している。


ルック撮影の知見、スキルを活かした他事業者の写真、映像制作、ディレクション
ルック全てを内製していると書いたが、プロジェクト開始当初はiPhoneでの撮影を主としていた。ありがちな話だが、知人のYoutubeのヘルプなどで撮影、編集などを行っていた。そしてある時一眼レフで撮影した映像素材を見たことで世界が変わった。

2021年6月、人生で初めて自分の意思でカメラ(LUMIX GH5Ⅱ)を購入し、撮影、編集を重ねスキルを磨いた。同時に自身の琴線に触れるクリエイターを積極的に探し、コンタクトを取り、学びの機会を増やす様にしていた。(メーカー公式のセミナーや個人的に時間を取って会っていただくなど)

駆け出しのクリエイターが収入を得る上で苦労する点としては自身のポートフォリオをどう集めるかにあると思う。私たちはそれを「THE LADS」のアパレルルックを内製することで解決した。

私たちに何ができて、どのような表現を得意とし、クリエイティブにどのような価値をつけることができるかという点を「THE LADS」アカウントに集約し、「自身でプロダクトを販売しながらポートフォリオ」にすることを体現できた。(プロダクトを持つメリットは他にもあるので、あらためて別の記事にします。)

THE LADS Instagramアカウント


結果としてプロジェクト開始から4年経ち、商社レイヤーから個人事業主までクリエイティブ制作を担当できた。カメラメーカー様の新機種のプロモーションに参加したり、商社様のプロダクトプロモーションとして交通広告を担当できる様になった。

写真作例を担当させていただいたLUMIX S9のプロモーションムービー


それらは活動開始から積極的にコンタクトを取り、互いに敬意を持ち、クリエイティブを高めようと切磋琢磨しているクリエイターからの紹介から始まった場合が多いことも加えておきたい。


アパレルの知見、コネクションを活かした他事業者のアパレルディレクション
アパレルの企画、販売を続けていると生産拠点や調達先とも少なからずコネクションができてくる。ECに関してのノウハウも溜まってくる。
そして日々クリエイティブを制作していると写真、映像以外の相談も舞い込んでくる。例えば「2022年に作ってた様なTシャツの雰囲気を作ってみたいんだけど相談できますか?」などなど。

これまでの知見からECのアカウント開設、アイテムのデザイン、生産、商品画像の準備などひとまとめでディレクションできる。繰り返しになってしまうけど4年間の蓄積はなかなかのもので、「THE LADS」で行ったことがそのまま活かすことができている。


私個人としての作品制作、販売
これは完全に副産物なのだけど、カメラを持つことで私は写真や映像表現についてすっかり魅せられてしまった。
特に写真は文化であり、偉大な先人達が切り拓いた世界がある事を知った。そしてこの構造はファッションにも共通点があると理解した。

川内倫子、奥山由之、アーヴィング・ペン、アニー・リーヴォヴィッツ、好きになった写真家は全てファッションや音楽に関連や出自がある事でこの世界の一端を知れた。
ある人に言わせると私の写真は「スタイリッシュ」らしい。それは上記に挙げた様な作家の影響を受けていると捉えているし、私もバックボーンがファッションや音楽にあると自己分析している。
(もっと言うと、究極的には私の写真は「ファッションフォト」だと思っている)

いつしか自身でも写真を作品にしてみたいと考え始めた。そして昨年12月下旬にamazonにて写真集「ALIVE」を発売するに至った。
販売数量はまだ30冊強だが、KDPという仕組みを使っているので在庫リスクはない。今はこの写真集を100冊販売するという目標を立てている。
ここで出た利益は全て新しい作品に向かう費用(今であればフィルムや現像代)に充てる予定にしている。

写真集「ALIVE」販売ページ


まとめ
営業という仕事を本業にしながら20年近くを過ごした。
流石にこの期間をひとつの業種で過ごしていると、公私共に一挙手一投足が営業になってくる。

「To C」も「To B」もどちらも経験したが、底がなく、営業という仕事は本当に面白いと感じている。(勿論、本業の会社員の仕事も非常に楽しい)
それは営業が企画、マーケティングから始まりCSまでタッチできる懐の広い要素を内包しているからだと捉えている。

実は日本の職業人口のうち12%、約800万人が営業職に従事しているそうだ。私自身、営業に関するセミナーに参加したり、ビジネス本を読み漁ったがその職業人口の割に営業の本質は今でもなかなか体系化されない部分が多いと感じている。

それは「人」による部分が非常に多いからだと想像している。
個人的にはだが、営業とはその人がどの様な生き方をしてきたか、どのように物事を見ているか、どのように世界と対峙しているかが如実に現れるのだと思う。それは写真、映像、アパレルの様なクリエイティブ制作と非常に似ていると感じている。

20年近くを営業職として過ごし、クリエイティブを「複業」にしようとした時、培ったものを白紙にするのではなく、掛け合わせる構造にしようと考えた。

営業 × アパレルディレクター
営業 × クリエイティブ(写真、映像)
営業 × 写真家

まだまだ広げられると思うし、深く耕すこともしていけると考えている。
なぜなら「複業」同士の掛け合わせもできると想定しているからだ。
(例えば「写真家 × アパレルディレクター」とかね。)

THE LADSを始める時にひとつだけ決めたことがある。
「10年やろう」ということだ。それは私自身が50代半ばになった時に私やプロジェクトに携わるメンバーがその先どの様なキャリアを目指していけるかを定める為に必要な期間だと考えている。


※2025年2月15日追記
こちらの記事も参考になると思うので、合わせてご覧ください。


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masa / direction of photography
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