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『英語でロックの歴史を学ぶ』大人のためのイマージョン教室があってもいいのにね

昨日(3月30日)は、エリック・クラプトンの誕生日だったそうで、僕がツイッターでフォローしているRolling Stone誌の次のようなツイートが目にに入りました。詳細をクリックすると「有名ミュージシャンが選ぶ、好きなギタリスト」についてのサイトで、エディ・ヴァン・ヘイレンがクラプトンについてコメントしているページでした。

このエディ・ヴァン・ヘイレンのコメントが本当に良くて、文字通り「夢中で」読みました。内容は、彼がクラプトンの、特にクリーム時代のプレイが好きで影響を受けた、というもので、エディがクラプトンに影響を受けていることは情報として以前から知ってはいたのですが、このコメントの何が良かったのかというと、彼(エディ)の一人称(つまり、I, my, me, mine)で書かれているということでした。まるでエディ自身が「僕はクラプトンのこういうところが好きなんだよ」と僕らに語りかけてくれているみたいなんです。

ここでそのコメント部分を引用させていただきます。

Eric Clapton is basically the only guitar player who influenced me – even though I don’t sound like him. There was a basic simplicity to his playing, his style, his vibe and his sound. He took a Gibson guitar and plugged it into a Marshall, and that was it. The basics. The blues. His solos were melodic and memorable – and that’s what guitar solos should be, part of the song. I could hum them to you.

What I really liked was Cream’s live recordings, because you could hear the three guys playing. If you listen to “I’m So Glad,” on Goodbye, you really hear the three guys go – and Jack Bruce and Ginger Baker were a couple of jazz guys, pushing Clapton forward. I once read that Clapton said, “I didn’t know what the hell I was doing.” He was just trying to keep up with the other two guys!

After Cream, he changed. When he started doing “I Shot the Sheriff” and this and that, and when he hooked up with Delaney and Bonnie, his whole style changed. Or at least his sound. He focused more on singing than playing. I respect him for everything he’s done and is still doing – but what inspired me, what made me pick up a guitar, was his early stuff. I could play some of those solos now – they’re permanently imprinted in my brain. That blues-based sound is still the core of modern rock guitar. By Eddie Van Halen

このコメントは、実際にエディ自身が書いたものではないかもしれません。恐らくエディへのインタビューをもとに記者の人が文章にしたのだと思いますが、それでもエディの意見であることに変わりありません。そして、僕がこの文章を読むのに夢中になれたのは、この文章が、”Eddie says ~"の文体はなく、エディの一人称になっていたからです。(さらに、インタビューの書き起こしのような「話し言葉」の文体ではなく、日本人の僕らでも読めるようなシンプルな「書き言葉」になっているところも良かったです。)

今までこういうことを意識したことがなかったのですが、「一人称」の文体が持つパワーに今回気づかされた、という感じです。この「一人称」の文体の「I」「my」「me」「mine」は、インタビュー記事に出てくる「I」「my」「me」「mine」よりもずっとリアリティがあるように僕には思えました。

このnoteのタイトルに、イマージョンという言葉を使いましたが、英語の教育法の一つに「イマージョン教育」というものがあって、それは英語を使って他の教科の勉強を教える、というものです。イマージョンという言葉が「immerse(浸す)」の派生語なので、英語に浸りきった状態で学習するという方法なのですが、僕が思ったのが、「自分の好きなジャンル」に英語で浸ることも「イマージョン」と言えるのではないか、ということです。僕がエディのコメントを夢中で読んだように。(immersionを辞書で調べると、「浸すこと」という意味の他に「熱中」「没頭」という意味もありました。)

一般的なイマージョン教育で言うところの「浸る」は、「英語環境」に浸る意味ですが、僕の言うイマージョンは、今回のようなロックの歴史であるとか、映画の歴史、ファッションの歴史、ITの歴史のような『自分の好きなジャンル』に「浸る」ことが第一で、それを英語を使って行うというもので、そういう英語講座があると面白いだろうなあと思ったわけです。「英語ができるようになるための講座」ではなく、英語を使って「自分の好きなこと」に浸っていたら少しは英語もできるようになった、という学び方も、大人ならアリなのではと思った次第です。

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