2024年Ubieにおける生成AIの取り組み
Ubie株式会社では、昨年から生成AIの活用に取り組んでいます。主に、生産性向上・プロダクトの価値向上・ブランドの価値向上の3つの観点で進めています。本記事では、生成AIの取り組みをご紹介することで、生成AIを活用している企業の皆様に、少しでもヒントになれば幸いです。
本記事は、「Ubie生成AIアドベントカレンダー」の2日目の記事です。この記事では、概要をご紹介して、詳細についてはアドベントカレンダーの後続の記事でご紹介していきます。
生産性向上
社内用生成AIサービス
社内用生成AIサービスを内製し、社員は日々そのサービスを利用しています。主要な生成AIのAPIを組み込んでおり、最新の生成AIを安全に利用できています。また、リアルタイムの音声文字起こし機能、Ubie v0、Ubie Canvasなど様々な機能を内製しています。内製することで、社内のデータや業務にカスタマイズした形で、より生産性を向上させることが可能です。これらの開発は、社内のエンジニアの@八木さんがメインで開発しており、詳細は後日のアドベントカレンダーでご紹介していきます。
生成AIエディタ
GitHub CopilotやCursorなどのAIアシスタントツールを導入し、開発者の生産性が約40%向上しました。
データ分析の効率化
生成AIを活用することで、データ分析の生産性が向上し、また、データ分析の対象が大きく広がりました。例えば、BigQueryのSQL上から生成AIを呼び出すことが可能です。SQLを書くだけ、数千行のデータに対して、タグ付けやカテゴリ分類の処理を行うことができます。
SELECT
*
FROM
ML.GENERATE_TEXT( MODEL `llm-sandbox-dummy.llms.llm_v1`,
(
SELECT
keyword,
CONCAT( 'textに対応するintentを以下のカテゴリの中からふさわしいものを選んでください。 text:', keyword,
"""intent: 「病気について」「症状について」「診断について」「検査について」「治療について」「薬について」「健康診断について」「手続きや支援について」「受診について」「病院について」「その他」
# 出力形式
{"text": string , "intent": string}
# 出力例
{"text": "カレーライス", "intent": "その他"}
{"text": "帯状疱疹", "intent": "病気について"}
""") AS prompt
FROM
`llm-sandbox-dummy.llms.search_keywords`
),
STRUCT(
0.8 AS temperature,
1024 AS max_output_tokens,
0.95 AS top_p,
40 AS top_k,
TRUE AS flatten_json_output
) )
また、GeminiやOpenAIのStructured output機能を使うことで、出力形式をJSONに固定することも可能です。それを活用することで、今まで、分析に時間がかかっていた非構造データを簡単に構造化・抽象化することが可能です。
生産性向上の推進
社内用生成AIサービスの利用者を増やして生産性を向上させるために、トップダウンからボトムアップまで施策をしています。社内用生成AIサービスのアクティブ利用者は85%を超えています。(一週間に一度でも使ったことある社員割合)
各期末での表彰制度に生成AI賞を設立
各事業部のリーダー陣の積極的な生成AI活用
生成AIの勉強会・相談会・ワークショップの開催
各事業・各職種ごとでの生成AI推進
具体的な生成AI浸透の取り組みは、後日アドベントカレンダーで、@盛田さんが執筆予定です。
プロダクトの価値向上
プロダクトの価値向上では、生成AIを組み込んだ新機能や新サービスを作ることで、ユーザー体験や売上を向上させることを目指します。
医療機関向け生成AIサービス
病院内の紹介状作成や退院サマリ作成等の業務をアシストする生成AIサービスを病院向けに提供しています。
複数の医療機関と実証実験をしており、「医師の退院時サマリー作成業務が約15分から5分と最大1/3にまで短縮」などの結果が出ております。
生成AIの登場によって、今まで解決するのにインベストが大きく必要だった領域の課題を低インベストで解決できるようになりました。また、生成AIのコストが大幅に安価になってきており、適用可能な範囲も大幅に増えてきました。
今後も、生成AIの技術トレンドを追いながら、現場の課題を解決する開発をしていきます。もし、生成AIを活用した開発にご興味ある方は、生成AIアプリケーションエンジニアのポジションを募集中ですので、ご応募ください。
ブランドの価値向上
ブランドの価値向上では、「ヘルスケア領域における生成AIガイドラインの執筆」や「Google社との資本提携」などがあります。
ヘルスケア領域における生成AIガイドラインの執筆
Ubieが所属する日本デジタルヘルス・アライアンスにて、2024年1月に「ヘルスケア事業者のための生成AI活用ガイド」の策定・公表しました。ヘルスケア領域において、生成AIを安全に活用できるように、事業者がセルフチェックできる内容になっています。
Google社との資本提携
2024年10月に、Ubie株式会社は、最新の資金調達ラウンドにおいて、Googleから資金調達を実施しました。生成AIを含むデジタルイノベーションを活用し、日本の医療システムのデジタルトランスフォーメーションを進めることで合意しました。
まとめ
Ubieでの生成AI活用について、生産性向上・プロダクトの価値向上・ブランドの価値向上の3つの観点の取り組み概要をご紹介しました。生成AI活用のご参考になりましたら幸いです。このあとのアドベントカレンダーの記事もぜひご覧ください。