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感覚との対話は人を成長させる

教えすぎが選手の能力を潰してしまう

以前旧ユーゴスラビアナショナルスキーチーム時代の経験した『教えすぎが選手の能力を潰していた』をお話しをしました。

この時の経験は今でも座右の銘になっています。教えすぎは百害あって一利なし、選手のためと言った自己満足と安心になっていることがわからないと、結果能力を潰してしまうことになります。教えるのではない 『本人に気付かせるのだ』当時、ヘッドコーチによく言われていた言葉です。

スピードスケート小平奈緒のコーチ

今私が最も注目している指導者はスピードスケート小平奈緒のコーチで信州大学教育学部教授の結城 匡啓氏です。
彼は次の様なコメントをしています。
『科学的に裏付けられた理論を背景に、学生(選手)にはスケートの技術を共通の言語で語れるよう、勉強会を繰り返します。
選手には、練習前に意識したポイントと、滑走中に感じた運動感覚を言葉で表現することを毎日求めていきます。
運動感覚は『身体の知』とも言われ、言語化することが難しいものです。
しかし、
敢えて選手にこの言語化を求めることで、
自分と向き合う姿勢や、
言葉で表現する力を培いたいと考えてきたからです。』

指導者に知覚感覚があると

選手に対して『感覚の言語化』を求めます。
世界の一流はこれを知ってます。そんな中、結城氏は日本では数少ないそれを知る指導者です。残念ながら指導者や選手の多くはここに至れません。

練習中選手が感じている感覚をできる限りの表現で具体的に言語化しそのプロセスを大切にすることは選手が様々な状況に対して適応、対応力が改善していきます。では、具体的とはどういうことなのか? 例えば一般的な練習であれば ここに、この様に乗って、こう動きなさいとシルエット重視で指導しますが、

結城氏はここに乗った時 どの様に感じる? その時帰ってくる選手からの感覚の言語化を重視します。『なんか しっくりこない』と選手がいうと もっと適切な表現はない?曖昧な表現を少しでも具体的に比喩などを使って表現することを求めてきます。『教え込むのではなく感じ取ったものを表現する』徹底的にこの部分を求めてきます。

指導者の主観を教えることが指導ではない

大切なことは選手自体が客観的に自分の体の内部から起こる感覚を大切にして成長していくこと。スキーもスケートもウインタースポーツは地面を滑る種目が多く 力ずくではどうにもならず、まずはバランスが要求されます。

ウインタースポーツのみならず全てのスポーツでバランス感覚を高めるために知覚感覚の向上はとても重要な要素になってきます。

また、選手によって知覚感覚は微妙に異なりますから指導者と同じ様に行えるとは一概に言えません。ですからここの知覚感覚を選手自身が感じ取りそれを表現させることが大切になってくるのです。

残念ながら多くの指導者はシルエット重視で行った結果うまくいかないと筋力が弱いと言った判断をし筋トレに入っていく傾向が多く見られます。筋力以前にまず感覚がないのです。AWARENESS ANATOMY®『感じなければ人は動きません』から。動きようがないのです。

感覚を感じ取りその言語化のために適切な問い掛け重視しできる指導者が求められています。

studiopivotで起こっていること

今までは『どうしたら良いですか?』と言っていたのが
『こうしたいのですが?』と言った様にトップクラス選手に変化が起きています。 
自分と向き合う姿勢や言葉で表現する力に変化が現れてきています。 
自分分析、改善から 記録向上につながっている事実があります。シルエットだけを教える指導法ではなく 知覚感覚を理解した
『適切な問いかけ』が選手の潜在能力にアクセスする扉を開きます。

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