日経新聞を読んでいても、マネーリテラシーは上がらない
昨日の日経プラス1のメイン記事「何でもランキング」は、「人生100年時代、お金の誤算」でした。
今回のランキングは「専門家の評価を点数化」となっており、専門家が「重要度が高い理由や対策を含めて順位付け」したそうなのですが、「ホントに、ここを重視してるの?」と疑問を感じてしまいました。
すべてを引用するのは控えますが、1-5位をざっくりまとめると「想定外の支出が増える/支出が減らない」に対して、「預貯金が足らない」という内容になっています。6-10位でようやく「収入が少ない」話が出てくるものの、対策が「だからもっと働こう」となっています。
ええ、そうなの?!
そして、偶然かもしれませんが、次ページに出てくる記事が、「定期預金で資産管理」です。
もう、ため息がでてしまいます。
まじめに日経新聞を読んでいても、これじゃマネーリテラシーは上がらないなぁ、と思わざるを得ません。
D. カーネマンがプロスペクト理論で証明したように、ひとは「損失や、いま手にしているモノを失うこと」に敏感に反応する以上、手元にあるモノが減っていくことの苦痛には耐えられないのですよね。
「あとで(老後に)使える分を貯めておこう」という発想は、別の言い方をすると「貯めておいて、あとで使う」ことであり、まさに「手元にあるモノ(預貯金など)を失っていく」モデルなんです。この精神的なツラさに耐えられる人は、そうそういないと思うんですよね。
お金で幸せな人生を得ることはできませんが、幸せな人生を送るためにお金はある程度必要です。
人生100年時代、しかも個人の時代である現代を幸せに生きるためには、どうやって継続的な収入を得るかという視点が欠かせないんです。
ポイントは、それを「自分が働く」ではない形でどれだけ作れるか。
だから、個人で「商品」を持つのが大事なんです。
ライフMBAの「マネーリテラシー」では、そんな内容をお伝えしようと思っているのですが、具体的な話だけだと応用が効かないので、基礎的な話(金利とか税金とか)もカバーしなきゃ。いやいや、それだとコンテンツとして冗長だし... とかなんとか、いろいろ考えてしまい、難航しています(←早く作れ)
今月、パイロット的に講座を開催することが決まったので、まずはそこでの反応・率直なフィードバックを聞いてみたいと思います。