よいキャリアをつくるにはスキルアップよりも「場を選ぶ力」が大事という話
お給料って、ぶっちゃけスキルよりも、環境で決まるんですよね。
だからといって、高いお給料がもらえる環境に行けばいいんだよ、という話ではないのです。特に、40歳からのキャリアでは。
先日、プロのキャリアコンサルタントであり、大学でキャリア教育を教えている方とも意気投合したのですが、よいキャリアをつくっていくには、スキルアップよりも、場を選ぶ力が大事なんです。
まったく同じ人間が、環境を変えると見違えるようにイキイキする。こんなことは、いくらでも起こります。
A部門では全然活躍できず評価もされなかった人が、B部門に異動したら水を得た魚のように、急にイキイキとして、成果も出して活躍するようになった。こんな例は本当にいくらでもあります。あなたの周りにもいるでしょうし、あなた自身がすでに体験したかもしれません。スポーツ選手なんかでもありますよね。
昨日と今日でスキルが大きく変わるワケはないし、性格や人格が急に変わるワケもない。まったく同じ、自分という人間のパフォーマンスと評価が、場を変えることでガラリと変わる。そういうものなんです。
「どこへ行っても、同じようにパフォーマンスを出せるのが本当のプロだ」
たしかに、そういう主張もありますし、なんなら私も若いときはそう信じてたクチでした。
そういう心意気で頑張るのはいいと思います。
でも、実際にそれが実現できるか、というと話は別です。それができるのは、ごく一部の人だけです。大前研一とか孫正義とか、メッシとか大谷翔平とか、そういうレベル。
ふつうの人は違うアプローチを取った方がいいでしょう。もっと現実的なアプローチを。
それは、「自分がもっとも活躍できるのは、どういう場なのか?」を知ること。そして、そういう場を選べるようになることです。
自分の力が発揮できない、活躍できない場にいると、どうなるでしょう?
まずそもそも力が発揮できないんだから、楽しくない。そして、周囲の人からも「あの人、イマイチだね」となりますし、そう見られていることは自分でもわかるので、ますます楽しくなくなる。楽しくないことが態度にあらわれると、パフォーマンスだけでなく、人間関係にも悪影響を与えます。そして、ますます「あの人、イマイチだよね」となるので、評価も下がります。
冷静に考えてみると、この状況、だれもうれしくありません。だれ得な状況です。上司を含む周り人は、あなたにこの状況に耐えてほしい、我慢してほしいとお願いしているわけではありません。あなたが勝手に我慢しているだけです。
ではここで、自分が力を発揮できる場を選べたら、どうでしょう?
力を発揮できるので、やりがいも感じるし、楽しく過ごせます。周囲からも頼りにされるし、貢献している感覚も得られるので、ますます楽しくなります。すると、人間関係もよくなりますし、多少のツラいことも乗り越えられます。そして、活躍しているのでちゃんと評価されるようになります。
自分もハッピー、周りもハッピー。最高じゃないですか!
40歳以降のキャリアにおいては、ハードスキル以上にソフトスキルが重視されます。ソフトスキルというのは、ひとりで発揮できるものではなく、周囲の人との関係性において発揮されるスキルです。
会社やビジネスの状況、チームの状況、チームメンバーのタイプ、チームメンバーの関係性、自分の立場や立ち位置などによって、ソフトスキルが発揮できるかどうか、つまりあなたのパフォーマンスは大きく左右されます。
だからこそ、自分が力を発揮できる場を選ぶ力が、とても大事になるんです。
こういう話をすると、聞かれることがあります。
「それって、コンフォートゾーンに居続けるってことなので、成長が止まってしまうのでは?」「もっとチャレンジしないといけないのではと思うんですが?」
そうじゃないんです。
力を発揮しやすい場だからこそ、高い目標を設定できるし、むずかしいことにチャレンジしやすくなるんです。そして、自分の力、得意なことを活かせる環境であれば、高い目標やむずかしいことでも達成しやすくなるんです。
そうやって自信をつけて、どんどん挑戦していくこと、経験値を高めていくことが成長につながります。そもそも、40歳を過ぎたら、苦手なことはわかりますよね。30点なものを50点にしても、たいした意味はありません。80点、90点取れる分野で力を発揮し、その中でむずかしいことに挑戦して、さらに大きな成果を出しましょうよ。
では、どうやったら、自分が力を発揮できる場を選べるのか。そういう環境がわかるようになるのか。
そこで役立つのが、ライフビジョンをつくる過程でやったことです。自分年表で、過去自分が輝いていたときの状況や、周りの人たちとの関係、自分の立ち位置などを整理しましたよね。自分が大事にしている価値観を確認しましたよね。
あれです。
まずは、自分が過去にどういうセッティングで力を発揮できたのか、そのときの状況や周囲の人との関係性などを書き出してみましょう。
まだやったことがない人は、ぜひこちらからどうぞ↓
なるほど。どういうセッティングがいいのかはわかった。今の環境が合ってないこともわかった。
じゃあ、どうすればいいの?良い場を探すには何をしたらいいの?
というところまで来たら、そこで必要なアクションは発信です。自分の価値観が出るような、感情が動いた身の回りの出来事(事象)と、あなたの感情(心象)を発信し続けてください。
お客様から直接反応が得られると喜びを感じる。社内の非効率を目にすると怒りを感じる。リスペクトがない対話には悲しみを感じる。だれもが自分なりのチャレンジをしている環境にいると楽しい。
あなたはどんなときに感情が動くのか、つまりどんなことを大事にしているのか。それを発信していきましょう。
なにもSNSで世に発信することだけを指しているわけではありません。社内でも発信すればいいんです。同じ価値観を持つ人と知り合いになれるかもしれません。そういう場を知っている人が教えてくれるかもしれません。そこから有志での活動がはじまるかもしれません。
そうやって、同じ感覚を持つ人とつながったり、出会ったりを繰り返してください。複数名で集まる場をセットしてみてください。すでに同じような人が集まっている場やコミュニティがあるなら、そこへ行ってみてください。
これを繰り返すことで、あなたの「場を選ぶ力」はどんどん磨かれていきます。いきなり異動とか転職とかではなく、その前にもっと多くの場に身を置いてください。
「やっぱりこういう場が心地よいし、自分の力を発揮できる」「思ったよりも心地よくない」「全然期待してなかったけど、意外とハマった」「やっぱり違った」。そういう経験を増やしてください。
場を選ぶ力をつけるには、新しい場に身を置く経験を通じて、経験値を高めるのが一番です。そういう経験をすっ飛ばして、一発で「自分にピッタリな場」を引き当てるなんて、無理だと思いませんか。そんな確率の低い賭けをしてる場合ではありません。
人づき合いが苦手な人にとっては、苦痛でしょう。尻込みするのもわかります。私も決して人づき合いが得意な方ではありませんし、ワチャワチャした場は苦手です。
そんな私でも、何度も新しい場に身を置く経験を積んでいくことで、「ここは大丈夫そうだから行ってみる」「ここは違いそうだから行かない」という感覚、「場を選ぶ力」が磨かれていきました。
「場を選ぶ力」は、つき合う人を選ぶときにも活かされています。この場に来るような人なら価値観が近い可能性が高い。だったら話してみよう、深くおつき合いしてみよう。すると、少しずつ新しい人との出会いも増えていきました。
人づき合いが上手い人は、若いときからナチュラルにこういうことをやっているのかもしれませんが、私はだいぶ歳を取ってから、自分の価値観を認識してから、ようやくこういうことができるようになりました。
よいキャリアをつくっていくには、場を選ぶ力が大事。まずは、自分に合う人や場と出会うために発信する。そして、実際に身を置いてみる。いきなりではなく、お試しから、少しずつ。
苦手意識がある人ほど早くやってほしいと思います。自分の価値観を認識することも、発信することも、すぐには効果が出ないのは以前お伝えしたとおりです。実際に身を置いてみる経験はすぐにはできませんし、何度も試してみる必要があります。
だからこそ、いますぐはじめた方がいいんです。人生でいまが一番早いタイミングですからね。
自分が力を発揮できる場を選び、自分もハッピー、周りもハッピー。そんなキャリアをつくっていきたいですね。
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発信の基礎をおさえたい方は、こちらの記事も参考にどうぞ。