Next Career Lab. #2 -スタートアップ界隈のバズワード,SaaS企業ランキング,共通言語の重要性etc
Next Career Lab(ネクストキャリアーラボ)は「次のキャリアの"一手"を考えるメディア」です。キャリアの次の一手を考えるヒントをお届けして、みなさんとキャリアについて考えていきたいです。
本記事の内容は次の通りです。
1. Biz Update
2. 決算から読み解く業界動向
3. 失敗を語ろう
4. 質問コーナー
5. 今週のオススメ本
6. 雑談&コラム紹介
Next Career Lab. について詳しく知りたい方は⬇︎の記事からどうぞ。
それではいきましょう!
1. Biz Update - スタートアップ業界のバズワード -
Twitterのタイムラインを眺めていたら、こんなツイートを見つけました。
元ネタは以下の記事で、今のスタートアップ界隈のバズワードについてまとめたものです。
なぜこれを取り上げたかというと、キャリアを考える上でスタートアップ界隈の動向が重要だからです。
スタートアップが多く参入する領域は、将来的に「伸びるマーケット」になる可能性があります。
市場価値を手っ取り早く上げるには、「伸びるマーケット」にポジションを取ることに尽きるので、今後のトレンドを予測するという意味でも、スタートアップ界隈の動向には注目しています。
先週の記事で触れた「メタバース」も入っていますね。
今注目されているバズワードは、それぞれどんな課題を解決するためのサービスなのかまとめてみました。
【スタートアップ業界のバズワードと解決する課題】
1. ノーコード → IT人材不足解消
2. リモートワーク → コロナによる働き方改革
3. Defi → 金融面の集権管理の解消
4. NFT → 創作物の集権管理の解消
5. メタバース → NFT拡大&コロナによる働き方改革
6. ハイブリッドオフィス → コロナによる働き方改革
こうして見ると、大きく3つのトレンドが見えてきます。
【スタートアップ業界の3つのトレンド】
• DX支援
• コロナによる働き方改革
• ブロックチェーン活用
1つ目のトレンドは「DX支援」です。
多くの企業がDX(Digital Transformation)の必要性に迫られていますが、自前でシステムを作っていては、「人」も「時間」も足りないので「ノーコード」の需要が高まっています。
ノーコードには、例えば「shopify」というネットショップを作成するサービスなどがあります。
他にも、簡単な操作でアプリケーションを作成するサービスなど、ノンプログラマーでもデジタル化を進められる環境が整ってきています。
以下は、ノーコードサービスのまとめ記事です。参考までに共有しておきます。
2つ目は「 コロナによる働き方改革」です。
コロナによって働き方を再定義する必要性があるのは周知の事実ですね。
リモートワーク、メタバース、ハイブリッドオフィスはこの問題を解決する方法です。社会的に緊急性とニーズが高い問題なので、多くのスタートアップが集まるのも納得感があります。
最後は「ブロックチェーン活用」です。
今のブロックチェーン業界は、莫大なお金が集まることや、仮想通貨のボラリティの高さで注目されているように見えますが、「Blockchain」という技術が革新的であることには間違いありません。
Defiは新しい形の金融サービスですし、NFTは多くのクリエイターの価値を守ることが期待されています。
また、将来的には金融という文脈だけではなく、集権管理や、中間業者の介入などの問題を解消する社会のインフラとして発展していくことも期待されています。
まだまだいろんな可能性を秘めている「ブロックチェーン」からも目が離せなそうです。
さて、ここまでスタートアップ業界のトレンドについてまとめましたが、今後、一気に伸びる可能性のある3つのトレンドには引き続き注目です!
ノーコードのサービスなんかは「無料」で使えるものをたくさんあるので、自分で触ってみると理解が早まっていいかもしれませんね。
以上、今週のBiz Updateでした!
2. 決算から読み解く業界動向 - SaaS業界分析 vol.2 -
先週に引き続き、「SaaS企業特集 vol.2」です。
先週はSaaS企業の分類(バーティカルSaaSとホリゾンタルSaaS)や重要なKPIについて触れました。
バックナンバーはこちら⬇︎
今週は主要なKPIの直近のランキングを見ていきましょう。
(再掲) [SaaS企業の概要を掴むために見ておきたいKPI&基準]
① ARR : 100億以上がSaaSビジネスの大台
② PSR : 20倍以上を維持しているか(=市場からの期待を維持しているか)
③ ARPU : 顧客単価を上昇させているか
④ 40%ルール : 売上成長率 + 営業利益率 ≧ 40%
今回は、ARR、PSR、40%ルールの3つを見ていきます。
■ ARRランキング
(企業データが使えるノート| 【2021年8月更新】上場SaaS KPI公表の全てと開示状況の1年比較 より画像引用)
「企業データが使えるノート」より引用したデータです。
(各数値は2021年9月1日時点公開データより取得)
上位5社が提供するサービスは以下のような感じです。
① Sansan : クラウド名刺管理サービス「Sansan」を提供
② サイボウズ : 「Kintone」などのグループウェアを展開
③ ラクス : 「楽楽精算」や「楽楽明細」などの業務のIT化を支援
④ フリー : 「Freee会計」を中心に人事や会社設立を支援
⑤ インフォマート : 業務を効率化する「BtoBプラットフォーム」を提供
今のSaaSビジネスは、精算や契約といった「紙」を中心としている非IT業務をIT化するような、DX支援のサービスが中心です。
日本のSaaS企業でARR(年間経常利益)が高い企業の多くがバックオフィス業務などの効率化を支援するサービスを展開しています。
■ PSRランキング
(決算が読めるようになるノート |Q.SaaS企業のPSRに最も影響を与えるKPI、高PSR企業の3つの共通点は? より画像引用)
「決算が読めるようになるノート」より引用したデータです。
(各数値は2021年9月1日時点公開データより取得)
PSR(株価売上高倍率)に注目する理由は、SaaS企業が創業初期にマーケティング費などの投資がかさんで赤字になることが多いため、利益とは別に、企業価値や市場からの期待を判断する指標として使われます。
1つの基準となる「PSR ≧ 20倍」を維持している企業は、フリー、ラクス、マネーフォワードの3社です。
ARRランキングでは7位の「マネーフォワード」は、家計簿アプリが有名ですが、バックオフィス業務を効率化するBtoBサービスも展開している企業です。
■ 40%ルールランキング
(決算が読めるようになるノート | Q. 40%ルールを下回るSaaS企業が増加、大幅下落のラクスの決算が実は悪くない理由とは? より画像引用)
こちらも「決算が読めるようになるノート」から引用したデータです。
(各数値は2021年8月21日公開データより)
40%ルール(売上高成長率 + 営業利益率 ≧ 40%)を使って、SaaSビジネスの成長性を見ます。
「売上高成長率 + 営業利益率 ≧ 40%」を達成している企業は、スマレジ、ラクス、マネーフォワードの3社です。
PSRとも合わせてみると、「ラクス」と「マネーフォワード」が市場や投資家からの期待を集めていることがわかります。
ここまで見た結果をまとめると、ARR(年間経常利益)ランキングでは上位のSansan、サイボウズ、フリーは成長の鈍化が見られ、ラクス、マネーフォワードが市場の期待を集めて伸びてきそうだ、という状況が見えます。
しかしBtoB事業で見ると、バックオフィス業務効率化の領域は各社で顧客を食い合っている状態なので、独自のサービスを拡張させたり、海外マーケットへの進出の動きが各社の今後の業績を左右していきそうです。
3. 失敗を語ろう - 共通言語の重要性 -
先週に引き続き、事業会社からコンサルに入って感じたGAPについてのお話です。
コンサルって、業界用語というか略語や横文字がものすごく多いのです。
バリュー、Fix、PMO、BRO、3C、シナジーなど、これはほんの一例ですが、ほんとたくさんあるんです。
事業会社からコンサルに転職した時は、マネージャーの話す言葉が所々わからなかったのですが、質問もできず、なんとなく意味を想像しながら話を聞くことも...泣
(わからないことがあったらちゃんと質問しましょう!笑)
基本的に人に理解されない言葉は使うべきではないですが、社内で「共通言語」として使う分には仕事の質を上げたり、効率化の観点からメリットがあるのかなと思います。
例えば、"MECE"という言葉がありますが、これはMutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略で「漏れなくダブりなく」という意味です。
コンサルの世界では基本的な考え方で、よく資料のレビューの中で「これはMECEじゃないよ」なんてフィードバックが飛んできます。
よくMECEじゃないと言われてる時点でお前大丈夫か、というツッコミが飛んできそうですが、それはさておき。
そもそも「MECE」という言葉や考え方を知らなかったら、その後は同じレベルで話を続けることができません。
今回の話で伝えたいのは、ある業界で仕事をする上で、業界の共通言語を理解することが、仕事の理解を深めて「できる人」になる手っ取り早い方法ではないか、ということです。
私自身、専門用語や業界用語を調べていくうちに、自然と仕事に対しての理解も深まっていき、ディスカッションもスムーズにできるようになりました。
新しい業界や、未経験業種にチャレンジする人、早く新しい環境に馴染みたい人は、まずは「共通言語」を抑えることから始めてみてはいかがでしょうか!
【今日のポイント】
未経験の領域を知るには「共通言語」を抑える。
共通言語を理解することで、その領域の仕組みや特性を理解することができる。
4. 質問コーナー - 働く理由はなんですか? -
今週の質問コーナーはこちらです!
実に深い質問です。
哲学的な答えが求められていそうですが、これに対する私の回答は以下の通り。
回答 : 労働に対する「報酬」を得るため。
労働から得られる「報酬」は大きく3つあると思います。
① お金
② 経験
③ つながり
1番想像しやすいものはもちろん「お金」ですよね。労働の対価としてお金を受け取って、生きていくために使ったり、自分の好きなものを買ったりします。
お金以外の報酬としては「経験」があります。仕事を通じて、何かを成し遂げた経験や、スキルを身につけることも労働の報酬です。
そして、最後に「つながり」です。一緒に仕事をしたり、仕事を通じて知り合ったお客さんも自分の財産になります。人脈とも言えるかもしれません。
まとめると、働く理由は「お金」や「経験」や「つながり」という報酬を得るためで、「労働の苦痛 < 報酬」の状況があるときに人は働きたいと思うのではないでしょうか。
こんな感じで答えていくので、随時質問お待ちしています!
5. 今週のオススメ本 -「残酷すぎる成功法則」-
今週紹介する本は、脚本家やブロガーとして活躍するエリック・バーカー著作の「残酷すぎる成功法則」です。
この本、サブタイトルの『9割まちがえる「その常識」を科学する』の名の通り、一般的に常識と思われている成功法則を証拠(エビデンス)付きでバシバシ否定していく内容になっています。
たとえば、あなたは日常生活や仕事において「ストレス」を感じることはありますか?
私は毎日のように感じています。笑
そんなストレスを解消するのに"最も効果的な方法"はなんでしょうか?
本の中では以下のように書かれています。
私たちは往々にして楽なものを選んでしまい、自分を本当に幸せにしてくれるものを選ばない。心理学者のミハイ・チクセントミハイによると10代の若者がテレビを見ているとき、本当に楽しいと感じたのは。視聴していた時間の13%だけ。(中略)
で、10代の若者が最も頻繁に選んでいたのはどれか?彼らはほかの娯楽の約四倍もの時間を、テレビ視聴に費やしていた。計画がなければ、私たちは本当に満足感が得られるものではなく、受け身で楽なものを選択する。
心理学者のロバート・エプステインが、30カ国の3000人を対象に調査したところ、ストレスを減少させる最も効果的な方法は、計画を立てることだとわかった。前もってどんな障害があるのかを予想し、克服法を考えておくと、状況をコントロールできていると感じる。これこそが、ものごとを成し遂げるための秘訣だ。
『ストレスを消す特効薬や「コントロール感」』より引用
この本の中で、ストレスを最も軽減する方法は「計画」と「コントロール感」と言っています。
何も考えずにご飯を食べまくったり、好きな動画を見たりするのは"受け身で楽な選択"をしているだけだったんですね...(自戒をこめて笑)
でも、仕事で疲れていたら他のことは考えたくないですし、だらっとさせてくれって感じですよね。
ただ、個人的な経験から、仕事でもプライベートでも、ものごとを自分でコントロールできていないと感じる時に、ストレスを感じる実感があります。
それに、休みの日に計画を立てずにダラダラ過ごしてしまって、何もしてないのストレスが溜まるなんて経験も。
計画を立てて、今の状況をコントロールするということが、精神衛生上ものすごく大切なことなのかもしれません。
計画 ー これこそがあなたが必要とするものだ。大半の人は、時間を割いて計画を練らない。草原の部族のように問題が起きてから反応する。そして、ワーク・ライフ・バランスの問題とは、かつてはあった限界が取り払われていることに起因する。そんな世界を生きる計画がなければ、「まだ十分でない」という思いに終始駆られることになる。
『』より引用
計画がなければ、どこまでいっても「これで満足」という思うことができず、ストレスから逃げられない、というのがこの話の本質です。
今の選択肢があふれる世の中を「計画」なしで進むのは、一生満たされないまま闇の中を進んでいくような危険性がある、という気づきを与えてくれます。
この他にも、示唆に飛んだ内容がたくさんあるので、「本当の人生の成功法則」を知りたい人はぜひご一読を!
6. 雑談&コラム紹介 - FIREは是か否か -
最後は雑談のコーナーです!
最近「FIRE」という言葉をよく目にするようになりました。
FIREは「Financial Independent Retire Early(経済的自立と早期退職)」の意味で、若者を中心に注目されている生き方です。
ちなみにFIREといえば、この方。
会社に依存しなくても経済的に困らないように、「金融資産への投資」や「個人の事業を拡大」して、最終的に会社を辞めることで"FIRE"が達成されます。
個人的には今の時点でFIREしたいとは思っていないのですが、どうしてFIREが注目されているのかが気になっていました。
若者を中心に話題になっていることを考えると、やはり「会社員として企業に勤め続けるメリットがない」という感覚なのかもしれません。
例えば、今の労働世代は年金がもらえなくなると言われていたり、今後人口が減少して日本のマーケットは魅力を失うと言われていることも原因かもしれません。
それなら自分の力で生きていけるようにしたい、と思うのはある意味自然な流れにも見えます。
しかし一方で、会社という居場所を通じて私たちが無意識に与えられているものも間違いなくあるな、とも思うのです。
特に精神的な面で、社会的なつながりや、やりがい、競争なんかは、実は健全なメンタルを保つために必要だという人もいるかもしれません。
何が言いたいかというと、FIREという生き方を「会社やめれる!自由な生き方!最高!」という単調もので捉えるのではなく、自分に合った生き方をじっくり考えることが大切だなと思うのです。
ものごとには必ず裏表があるので、FIREのキラキラした面だけに注目せずに、デメリットも合わせて考えることを忘れてはいけないのではないでしょうか。
7. 終わりに
今週もここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
さらに良い情報をお届けできるように、コメントなど頂けましたら次回作も気合が入ります。
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それではまた来週!
季節の変わり目に注意して、良い1週間を!
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