![_まさ_終了画面_1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13615002/rectangle_large_type_2_edea65a5c4211616b3a8c49d14b67d5b.jpeg?width=1200)
もしも高校生に戻れるとしたら?
オフィスを出た途端、まとわりつくような蒸し暑さが肌を撫でる。
お盆のせいか、いつもより人が少ない。
空いた電車に揺られ、開放感と疲労感に襲われながら帰路に就く。
玄関の鍵を開け、靴下を脱ぎ捨ててソファに寝転がった。
(はあ...今日も疲れたな...明日も暑い中外で撮影か...)
連日のロケ撮影や草野球...動画編集や仕事の撮影に追われて疲れ切っていた...
(はぁ〜高校生に戻りたいな...)
僕の最近の口癖だ。
甲子園、花火、海、旅行、高校生たちの眩しい青春の数々が、SNSで流れてくる。
あんなに「早く大人になりたい」と思っていたのに、いざ大人になってみるとやはり「戻りたい」と思うものだ。
人は「今」の幸せに気がつきにくい。
それゆえ、失ってからその幸せに気づくのだ。
もしも1年間、今の記憶のまま高校生に戻れるとしたらあなたは戻るだろうか?
そんな質問を投げかけてきたのは、漫画「ReLIFE」だ。
2013年から漫画アプリcomicoで連載が開始され、27歳のニートが1年間限定で高校生をやり直しながら、社会復帰を目指して新たな自分と向き合う青春漫画である。
当時大学1年生だった僕は、毎週の新作を待ちわびていた。
しかし、大学生活が忙しくなるにつれて徐々に読まなくなっていく...
そして、時を経て2019年8月。
僕は再びReLIFEにハマった。
(...もしも自分が高校生に戻ったらどんな生活をするのだろう)
現実には起こりえない妄想ばかりが頭の中を駆け巡る。
(...1年しかない貴重な時間をどのように使うのだろう)
変わり映えのない毎日を反省しながら、そんなことを考えた。
日々の仕事に追われ、毎日同じ作業の繰り返し。
幸せな仕事をさせてもらえていると思う一方で、どこか生活の新鮮味を求めていたのだろう。
1年間限定の高校生活という設定は、とても眩しく、そして羨ましく思えた。
恋愛・部活・受験と、最高の高校生活を送ってきたつもりだったが、もう一度やり直せるとしたらやり直したい。
漫画の主人公と自分を照らし合わせながら、今の自分を振り返る。
(...僕は、今しかないこの時を必死に生きられているのだろうか)
この答えは...まだ出ない。
惰性で過ごすのは楽だ。
挑戦しなければ何も失わないし、思いを伝えなければ傷つかない。
行動しなければ結果に失望することもないし、"いつか"に希望を託し続けるのは幸せだ。
そして、いつか変わりたいと思いながらも、変わらない今に満足している。
だから僕は、noteを始めてみることにした。
僕は人の目を気にする。
そして、自分の言葉で人を傷つけてしまうのを避け、他人の言葉で傷つくのを恐れる。
このnoteを書いている今も、何度も投稿するのをやめようと思った。
でも、ReLIFEを読み終えた今だからこそ、noteを通じて自分の意見を発信したいと思った。
自分の感情にもっと正直に生きたいと思った。
きっと、誰もがみんな弱さを抱えている。
そして、ほとんどの人がその弱さを隠しながら生きている。
辛いことや悩みを隠して、周りに笑顔を見せている。
このnoteを読んだ人も、きっと愛想笑いで弱さを隠しながら今日を生きているだろう。
だからこそ、弱さを晒け出して生きていきたい。
今しかないこの時を必死に生きていきたい。
そう思った。
(...うわ、12時から書き出してもう2時かよ。。)
何度も文章を読み直しては、書き直す。
眠気に襲われながらなんとか書き終えたnoteの1ページ。
(...う〜ん。やっぱり公開する前に一応誰かに読んでもらうか)
そう思ってLINEを開いたところで手が止まる。
(...誰になんと思われてもいいじゃないか、もう公開しよう)
周りが寝静まった真夜中の一室、緊張と期待を胸に抱えながら僕はエンターキーを押した。