膝下O脚の解剖学とアプローチ
1.膝下O脚とはどんな状態?
膝下O脚は、太ももが内旋(内側に捻れる)し、膝下が外旋(外側に捻れる)ことで生じます。
私たちは常に重力にさらされています。もし骨の配列が歪んだままであると、この重力によって骨の変形を引き起こしますし、骨がズレている部分を筋肉を使って支えなければいけないので、脚も太くなってしまいます。
脚の骨の配列を整えることは脚が綺麗に見える以上に体にとって大切なことなのです!
では何が悪いのか!?
ポイントを見ていきましょう!
2.膝下O脚の改善のためにチェックすべき4つのポイント
骨盤の傾きは大丈夫か?(体幹筋はしっかり働いているか?
股関節の内転筋の柔軟性と股関節外旋筋の筋力は大丈夫か?
膝はしっかり伸びているか?
足首はしっかり反らすことは出来るか?
骨盤・体幹については他の投稿で詳しく説明していますのでそちらをご確認ください!
膝下O脚を改善するためには、内転筋の柔軟性を高めることが重要です。多くの方、特に女性に見られる問題として、内転筋の硬さによって股関節内旋アライメントになり、お尻の筋肉である大殿筋や股関節外旋六筋が働きにくくなっています。その結果、太ももの外側の大腿筋膜張筋や腸脛靭帯、外側広筋を過度に使用することになります。これにより外ももが張ってしまう原因にもなっています!
膝がしっかり伸ばせるとそもそも膝がロックすることで、あまり捻る事が出来ません。しかし多くの場合、膝が少し曲がった状態で日常生活をされているため膝の可動域や筋力が弱くなっています!
皆さん足首はしっかり反らすことが出来ますか?
足首の硬さは脛の捩れに影響を与えます。足首がしっかり反らすことが出来ないと脛は外側に捻れることで膝下O脚を助長します。
3.股関節のアプローチ
まずは、股関節がしっかりと開く状態を作ることが重要です。股関節を外転・外旋できる可動域を確保することで、股関節外旋筋群をフルレンジで使用し、股関節部分を安定させることができます。
#1.内側のハムストリングと大内転筋へのストレッチと筋トレ!
なぜ筋トレと思った方。筋肉が硬くなる原因にはその筋肉の筋力が弱くてうまく使えず、使用不足ということも言えます。ストレッチと筋トレを両方行いましょう!
#2.外旋筋(大臀筋+梨状筋)筋トレ
クラムシェルエクササイズの場合、股関節の屈曲角度を変化させることで、外旋筋群の上部と下部を分けてエクササイズを行うと、より効果的です。
具体的には股関節屈曲90度で外旋六筋、45度で中臀筋とハムストリングを狙うことが出来ます。
4.外ももが張ってしまう方にもオススメな股関節外旋の筋トレ
股関節の外旋は非常に重要です。この筋肉たちは姿勢制御に重要な筋肉なのですが、この筋肉が弱いと大腿筋膜張筋を使用した姿勢制御になりがちです。この場合、股関節でバランスが取れなくなり、膝にストレスがかかります。特に、太ももの外側が緊張している場合、大殿筋がしっかり使えていないことが多いです。
5.膝関節へのアプローチ
#1.ハムストリングスのストレッチ
膝の捻れを解消するためには、特に内側ハムストリングの柔軟性が重要です。ハムストリングスが萎縮している場合、まずストレッチで柔軟性を高め膝が真っ直ぐなる状態を目指しましょう!
#2.内側広筋の筋トレ
内側広筋は膝関節の最終伸展域で作用しますが、膝下O脚やXO脚の方は外側広筋を主に使用する傾向があります。内側広筋が働くことで膝が最終伸展まで動き、膝がしっかり伸びると捻れにくくなります。
6.足関節へのアプローチ
足首の可動域も非常に重要です。
足関節の背屈運動、爪先が天井を向く動きの時、脛は内側に動きます。
逆に足関節の底屈運動の時、脛は外側を向きます。
ヒールなどを履く女性の場合、そもそも足関節は底屈位なので脛は外側を向く傾向があります。
また爪先は天井に向ける背屈の動きもする機会が少なくなるので可動域ま狭くなっていきます。
その結果、膝下O脚やXO脚に繋がります。足関節背屈運動が代償なくフルレンジで可動できることが重要です。
このように、膝下O脚の改善には、股関節、膝、足首の各部位での適切なトレーニングと柔軟性の確保が必要です。バランスの取れたエクササイズを行い、全体的なアライメントを整えることが改善への鍵となります。