韓国の債券市場向けブロックチェーンシステム
こんにちは。
このブログでは、ブロックチェーン関連を中心としたテック系の情報の紹介をしております。
先日、みずほFGの個人向け社債に関するブロックチェーンへの取り組みについて書いたばかりですが。(こちら)
似た取り組みについて韓国から情報が出てきたので、紹介をさせてください。
韓国の中央銀行、債権市場向けブロックチェーンシステム構築へ
コインデスクジャパンさんのこちらの記事です。
韓国の中央銀行が、債券市場向けのブロックチェーンシステムの構築を検討中とのことです。
みずほFGの場合は、「社債」に限った話でしたが、韓国は中央銀行が主導しているので、「国債」が対象になるのかもしれません。(具体的にはなっていないようです)
韓国の中央銀行の取り組みの狙いはどこにあるのでしょうか?
債券市場の管理業務の改善
記事の中では、ブロックチェーンへの取り組みの狙いについて以下のように書かれています。
韓国銀行は債券市場の管理業務を改善するブロックチェーンシステムを構築できる企業を探していると伝えた。
債券市場の管理業務にどのような課題が存在しているのでしょうか?
コインデスクジャパンさんの記事には具体的な課題についての記述はありませんでしたが、別の記事に参考になる情報がありました。
コインポストさんのこちらの記事です。
こちらの記事に、韓国銀行がブロックチェーンで解決しようとしている課題について以下の様な記載があります。
このブロックチェーンを基盤とした債券の管理システムでは、債券の発行から決済までのプロセスをブロックチェーン上で一度に行うことを特徴としている。
そのため、発行プロセスで韓国の証券預託機関である預託決済院(KSD)を介す必要があった既存の方法に比べ、より一元的に管理を行うことができる。
どうやら、債券が実際に投資家に販売されるまでの「プロセスの簡略化」というのがキーワードになりそうです。
ブロックチェーンによる業務プロセスの簡略化
不勉強のためここからは私の想像ですが、、、
国債だったり、社債だったり、債券を発行して実際に販売できるようにするのに、これまでは多段のプロセスを経る必要があるのだと思います。
記事の中にもある通り、少なくとも「預託決済院」と呼ばれる機関の認証を経る必要があるようです。
例えば皆さんが業務上で必要な物品を購入しようと思ったときに、起案文書の様な書類を用意して、必要な権限を持つ人に認可をもらって回ったり(ワークフロー)しますよね?
会社によってはそのワークフローを回すシステムを持っていて、なるべく手間が無いようにシステム上で認可できるようにしていると思います。
もし、購入しようとする物品が他社の承認も得る必要があった場合はどうでしょうか?
社内で必要な認可をもらった後、他社にその書類を連携し、認可をもらってまた返してもらう、というプロセスを経る必要が出てきます。
同じシステム上ならまだしも、まったく別の会社の同じようなワークフローのシステムとの連携、と考えると大変です。
2社なら何とかなるかもしれませんが、さらに別の会社も入ってくるとなると、もうメールや紙の書類でやり取りするしかないような状況になります。
これを一つのブロックチェーン上のシステムで一元管理して、プロセスを簡略化しよう、というのが狙いなのだと思います。
複数の関連する企業がそれぞれ独自のシステムで書類だったりを管理するとその連携が大変ですよね。
それを一つのブロックチェーン上で管理できれば、そもそも別システム間の連携など必要ないですし、データの重複を無くし、管理コストも減らすことが可能です。
こんなイメージです↓
先日、ニトリのブロックチェーンの取り組みを紹介しましたが、それに近いことをしようとしているのかもしれません。(こちら)
ニトリの場合は、ニトリの商品を扱う多くの物流業者との契約管理をブロックチェーン上のシステムで一元管理しようというものでした。
この様な、複数企業間で同じような情報・データを管理している様な場面でのブロックチェーンの活用は、今後も進んでいくのでしょうね。
今回は半分想像でお話ししてしまいましたが、実際にどのような仕組みが出来上がるのか、楽しみに待ちたいと思います。
おわり。