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Nitto ATP Finals RR THIEM VS TSITSIPAS レビュー

はじめに

本日紹介する試合はNitto ATP FinalsのLONDON2020グループのTHIEM VS TSITSIPASの試合になります。
これは昨年の決勝カードであり、今年のオープニングカードになりました。
対戦成績はTHIEMの4勝、TSITSIPASの3勝になっています。

https://www.atptour.com/en/players/atp-head-2-head/dominic-thiem-vs-s-tsitsipas/TB69/TE51

試合結果

1st SET
両者共に全てのサービスゲームをキープし、タイブレークに突入。THIEMが1-4から挽回し、7-6(5)で先取します。
2nd SET
TSITSIPASが第3ゲームでブレークし、ブレークを守り切って6-4で奪います。
3rd SET
THIEMが第4ゲームでブレークし、そのまま1ブレーク差を守り、
7-6(5) 4-6 6-3でTHIEMが勝利しました。

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考察

サービス
両者共に1stサービスから相手のバックハンドにサービスを集めていました。特にアドサイドにおいては高く弾むキックサーブで相手のバックハンドを攻めて、甘いリターンを3球目で攻撃やサービスダッシュというパターンがみられました。両者共に片手バックハンドであるため、力が入りにくく、攻撃されにくい高い打点でリターンを打たせることでその後のラリーを優位に進めるという意図があったと考えられます。(上からTSITSIPASのデュースサイド、アドサイド、THIEMのデュースサイド、アドサイド。すべて1stサービスのデータ。)
https://www.atptour.com/en/scores/second-screen/archive/2020/605/MS019?isLive=false&set=0&tab=ServePlacement

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ストローク

両者共に基本的には相手のバックにボールを集め、バックハンドでのラリーが基本となりましたが、その中でも2人の意図するプレーには違いがありました。
TSITSIPASはベースライン付近のポジションでラリーを行い、積極的にバックハンドのダウンザライン、フォアの回り込みストレートを打ち、ラリーを展開し、THIEMを走らせ、チャンスと見るや積極的にアプローチを打ちネットプレーを行っていました。
THIEMはフォアのスピンボールをTSITSIPASのバックに集め、バックハンドを高い打点で打たせることでバックハンドのミスをさせる、若しくはチャンスボールを引き出してそこを攻撃に繋げることを意図としていました。実際、TSITSIPASはTHIEMのフォアの逆クロスをバックハンドであまり攻撃出来ず、対応に苦戦していたと感じました。
ショットデータからもTSITSIPASの方が相手のフォア側に配球していたことが分かります。(上からTSITSIPASのフォア、バック、THIEMのフォア、バック)
https://www.atptour.com/en/scores/second-screen/archive/2020/605/MS019?isLive=false&set=0&tab=ShotPlacement

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勝負を分けたポイント
THIEMの1stサービスが勝敗を分けたポイントであると感じました。
1st SETではタイブレークにおいて4-5からサービスポイントを2ポイント続けて6-5としてそのままセットを取りました。
また、3rd SETでは30-30や40-40といったここぞというときに、コーナーに高い質の1stサービスを入れることで、サービスポイントを多く獲得していました。3-1で迎えたサービスゲームではデュースが長く続きましたがデュースサイドでのサービスの質が高く、相手にあまりブレークポイントを握らせませんでした。特にワイドでは多くのエースを獲得しており圧巻のサービスパフォーマンスでした。(下のデータは3rd SETのデュースサイドの1st サービスのデータになります。コーナーを厳しく突いていることが分かります。)
https://www.atptour.com/en/scores/second-screen/archive/2020/605/MS019?isLive=false&set=3&tab=ServePlacement

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まとめ

ブレークが両者一度ずつだけというハイレベルな試合が繰り広げられました。
少しの差が勝敗を分けました。特に1st SET の最後のポイントがそれを象徴していました。
勝利したTHIEMだけでなくTSITSIPASのパフォーマンスレベルも高く、これぞATP Finalsという戦いが初戦から繰り広げられました。
次の試合で両者がどのようなパフォーマンスを見せるのか非常に注目です。
今大会はNHK BSで放送しますので是非ご覧ください!


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