見出し画像

10年ぶりに英語を勉強してTOEIC910点を取るまで

今週、10年ぶりに受けたTOEICの結果が返ってきました。点数は910点。

久しぶりに勉強するし、最初は800点超えたら嬉しいなーぐらいのつもりで受けたのでびっくり。高校・大学時代に頑張って勉強して留学までしても800点を超えるのがやっとで、900点台なんて全然取れる気がしなかったので、あっさり取れてしまったことに謎の悲しさすらありました笑

でも、Youtubeで勉強法を見ながら久しぶりに取り組んでみると、高校・大学時代のやっていた下記のような自分の勉強方法は非効率だったことがわかりました。

発音せずにとにかく書いて覚える
TOEIC L&Rでは正確なスペルを覚える必要はないし、何度書いたところで普通に忘れるのは高校時代さんざん経験しました。当時の私は避けていましたが、英文をネイティブの発音を真似して声に出す方がはるかに効果的でした。

難しい英単語帳ばかりにトライする
TOEIC900点に必要な語彙レベルは英検1級などに比べて低いです。もちろん難単語もやった方がいいのですが、英検準1級レベルぐらいまでの単語がきっちりと覚えられていれば、ある程度文脈で推測可能な場合が多いです。むしろ、おざなりになりがちですがtakeやgetといった頻出多義語の用法をそれぞれ覚える方が点数には直結しやすいことがわかりました。

最初から完璧に覚えようとする
よく「単語帳・教材を隅から隅まで覚えろ」と言いますが、過去の私は最初から単語一つ一つを完璧に記憶しようとして時間がとてもかかったり途中で挫折したりしてきました。人間は忘れる生き物なので、「覚えていなくて当然」と思いながらとにかく単語帳をすばやく何周もする方が、気持ちも楽だし達成感も得られるので、結果的に効率的です。とにかく最初のうちはハードルを思い切り低くして、続けることを優先したほうが良いです。

こういう学び方が性に合っていて楽しいのであれば必ずしも悪くはないのですが、私の場合はしんどいことも多かったです。「だからなかなか点数も伸びなかったし続かなかったんだなぁ」と今になって気づきました。成長。

以上が試験勉強を通して英語以外で特に学んだことなんですが、せっかく頑張ったのでTOEICを申し込んでから試験当日までの過程を詳細に記録しておきます。(長いです)誰かの参考になれば。


きっかけ

  • 受験前のステータス

    • スピーキング力:道案内がスムーズにできる程度

    • 仕事:UI/UXデザイナー、英語を使う機会はほぼなし

    • TOEIC最終スコア:810点(2014年受験)

    • 留学経験:学生時代アメリカに1年間

TOEICに申し込む前はこんな感じで、直近英語が必要なシーンもなければ、今後英語を使って仕事をしたいという願望も特にありませんでした。

ただ、高校・大学時代に英語にとても一生懸命取り組んだものの自分の中で中途半端なままだったので、どこかで再チャレンジしてTOEIC900点は超えたいなぁという気持ちを抱き続けてました。

たまに英単語アプリをダウンロードしてみたりしたものの続かず、やっぱりわかりやすいゴールがないとダメだと思い、TOEICに申し込むところから始めることにしました。

学習設計

期間

学習期間は約3ヶ月。それまでの10年間は先述の通りたまに単語アプリをやったりするものの、まともな英語学習はしていませんでした。

方針

とはいえ、英語学習のやり方そのものは学生時代の試行錯誤で身についていたので、スクールやコーチングサービスなどは利用せず、独学で勉強することにしました。

10年前と違い、英語の学習法や教材、教材の選び方まで良質なものが巷に溢れているので、TOEICで高得点を取るために高額なスクールに通う必要はないと思います。「自分の意思だけじゃどうしても続かない」という人は、市販の教材を自分で用意して一般的なコーチングサービスを利用する方がはるかに安上がりです。質問は生成AIが答えてくれますし。

参考書

THE・定番というラインナップですが、使った参考書をそれぞれ何周したかも併せて書いておきます。

昔買ったままだった古い公式問題集を使いましたが、購入する際は最新版をお勧めします
  • 公式問題集2冊(以下、模試):2周

  • TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問(以下、でる1000):3周

  • TOEIC L&R テスト究極のゼミ Part3 & 4(以下、究ゼミ):1周

  • TOEIC L&R TEST 出る単特急金のフレーズ(以下、金フレ):6周

特に最初の方で大事なのは、忘れたり間違えたりしても気にせずとにかく何周もすることです。もちろん、なぜ間違えたのかを毎回確認するのは大事ですが。

学習の流れ

1ヶ月目

まずは自分の今の英語力を測るため、模試を解きました。
やってみると、Part2の途中で集中力が切れたり、Part3,4の問題文を読んでたら大事な部分を聞き逃したりなど散々でした。リスニングパートだけで疲れ切ってしまったので、後日リーディングパートを解きました。スコアも600点台後半ぐらいで、「頑張れば900点取れるだろー」と思っていた最初の甘い見通しが崩れ去りました。英語力以前にそもそも集中力が続かない….!

だからといって、いきなりたくさん模試を解きまくると挫折しそうなので、まずは比較的取り組みやすい金フレとでる1000から始めました。また、リスニング力強化のために模試Part2,3のディクテーション(音声の書き起こし)もやりました。

平日は仕事と家事で疲れて勉強に取りかかれない日も多く、1ヶ月めはだいたい1日あたり平均30分〜1時間ぐらいの学習時間でした。

2ヶ月目

2ヶ月目の頭にも模試を解いてみました。前回よりは集中力は持ったものの、相変わらずPart3,4の長文リスニングの失点が多く、リーディングも解き終わりませんでした。ただ、Part1,2の短文リスニングは一回目より正答率が上がりました。結果は730点程度。この時点で、「まー今回900点取れなくてもいっか。昔の最高スコアを超すことを目標にしよう」と切り替えました。

2ヶ月目は、金フレ、でる1000、ディクテーションに加え、模試Part3, 4のシャドーイングとオーバーラッピングを行いました。(それぞれの詳しい説明はこちら)声に出す系の訓練は時間がかかるししんどいんですが、リスニング力強化には一番効果がありました。やっぱり自分で発音できないものは聞き取れないんですね。

平日は1ヶ月目とそんなに変わらずでしたが、休日の勉強時間は7~8時間に増えました。2ヶ月目が終わる頃には、金フレを2周し、でる1000も半分ぐらい解き終え、少しずつ学習が軌道に乗ってきました。

3ヶ月目前半

残り1ヶ月となり、流石に焦ってきたため一日あたりの勉強時間が平日2時間、休日10時間に増えていきました。

金フレは4周目が終わり、回すことのストレスがだんだん減っていきました。文法も、でる1000の1周目が終わり、間違いやすい文法や記憶があやふやなイディオムがわかってきたので、文法書やWebサイトに調べ直したりしました。

単語と文法はサクサクできるし結果もすぐに出やすいので、つい時間を割いちゃいがちでした。しかし、改めて模試をやったところ、Part7の長文問題の対策がまったくできていないことに気づきました。丁寧に読めば理解できるのですが、読むスピードが遅くてこの時点でもまだ最後まで解けない状態でした。

どうしようかと書籍やWebサイトを読み漁った所、読解スピードを上げるのにもやはり声に出すのが大事とわかり、模試の長文問題に対してもシャドーイングとオーバーラッピングを行いました。手順としては「1.自分流に全文声に出して読んでみる→2.ネイティブの音声を聞く→3.一文ずつネイティブの発音に近づけられるまで発声し続ける→4.全文をオーバーラッピング」といった感じです。特に、ネイティブのアクセントの置き方や発音の省略の仕方を意識しながら発声し続けました。

3ヶ月目後半

本番2週間前に解いた模試の結果は8割ジャスト。目標にギリギリ届かないぐらいの点数でした。Partごとに見ると、Part1,2や5,6については9割ぐらい取れているものの、相変わらずPart3,4とPart7が足を引っ張っていました。

本番まで2週間しかないので、両方の対策を強化することは諦め、比較的点数が伸びやすそうなPart3,4の対策を優先することにしました。初見のリスニング問題がもう手元になかったので、究ゼミを買い足し、5日ですべての問題を解き切りました。根本的なリスニング力はともかく、問題を解くリズムはこの書籍でかなり掴めました。全くやらないと忘れてしまうので、金フレ・でる1000も出張中の新幹線などのスキマ時間で回していました。

そして本番前日、前に解いた模試を解き直したところ、800点台後半までスコアが伸びていました。一度解いたとはいえ解説をあえて読まず内容をほとんど覚えていなかったので、本番に近い状況で目標の点数が取ることができて「うぉぉお…!」となりました。なにより、3ヶ月間自分なりに工夫しながらちゃんと継続できたことに、試験を受ける前から誇らしさでいっぱいになりました。

試験当日〜結果発表

遅刻すると怖いので、当日は集合時刻の1時間前から試験場近くのモスバーガーに入りました。直前は即効性のあるインプットだけに絞り、でる1000の間違えた問題をおさらいしました。

会場に入ってみると大学生が多く、友達と受けに来ている人もいて羨ましいなーと思ってました笑 会場で試験を受けること自体が6年ぶりだったので、「事前の説明ってこんなに長かったっけ?」とか「お水は机に置いといてもいいんだろうか」とかいろんなことが気になりつつ、試験が始まりました。

リスニングはたまに聞き漏らしはあったもののだいたい自信を持って答えられました。難しかったのはリーディングです。Part5は勉強の成果もあり5分ぐらいで終わったのですが、Part7で複数文書の情報を組み合わせないと解けないパズルのような問題に混乱して時間をかけてしまい、結局すべて解き終わったのは終了2分前でした。

ただ、結果を見てみると複数文書の問題の正答率は高く、そこに時間をかけたぶん見直しの時間が取れなかったPart6がスコアにやや響いたようでした。(個人的には8割取れただけで満足ですが)

受験を終えて

想定していたよりも早く目標スコアを取ることができてとーっても嬉しいです。長年自分をうっすら縛り続けてきたTOEICの呪縛からようやく解き放たれることができました。

ちなみに、受け終わってから知りましたが、巷には「TOEIC L&Rで900点取っても英語を喋れるようにはならないし人生逆転できるわけでもないので意味がない」みたいな極端な意見もあるらしいですね。

「英語が喋れるようにはならない」については、リスニングとリーディングの試験なんだから当たり前です。それに、TOEICに限らずどんな英語資格でも、取っただけでネイティブレベルの英語力が身についたりバラ色の人生が送れるなんてことはないです。そもそも、すでに仕事や生活で英語を話す必要が直近あってそのために学習するのなら、資格自体必要ありません。

逆に、私のような「特にどこで役に立てたいとかはないけど頑張るとっかかりがほしい」という人にとっては、知名度や受けやすさを考えてもTOEIC L&Rは良い選択肢だと思います。少なくともテクニックだけで高得点が取れる試験ではないので、試験勉強を通して基礎的な英語力をつけることはできます。

今後については、せっかく頑張ったしスピーキングももっとできるようになりたいなぁと思っています。ただ、やはり何か目標があった方が自分は頑張れるのかなぁ、でもまたスコアのために勉強するのもやだなぁとちょっと考え中です。

何に活きるかわからないけど、楽しいことに英語を使えたらなーと期待してます。


いいなと思ったら応援しよう!