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【解説】バルチック海運指数

概要

ロンドンにある「バルチック海運取引所(Baltic Exchange)」が算出・公表している外航不定期船(外航ばら積み船)の運賃の総合指数のこと。英語表記「Baltic Dry Index」の略で「BDI」とも呼ばれます。世界各地の海運会社やブローカーなどに現在の運賃や用船料を聞き、まとめた指数です。1985年1月4日を1000として算定しており、国際的な海上運賃の指標となっています。また、不定期船を主力とする海運会社との株価連動性が高いうえ、世界経済や商品価格の先行指標とされていることもあり注目されています。

参照 三井住友DSアセットマネジメント

指数の連動性

バルチック海運指数は現在の運賃や用船料に基づき算出された指数なので、海運事業の動向原料価格の値動きに高い相関関係を持ちます。

指数の上昇→貿易が盛んに行われる需要の増加により運賃が上昇する
原料(大豆、石油等)を輸出する際の運賃の上昇により原料の値段も高くなる。

そして、貿易が盛んに行われるということは世界経済が上向いている可能性が高いので経済の先行指標としての役割もあります。
※世界的な経済の動向を必ずしも反映するわけではない

参照 ZOO online

海運株との比較

ここでバルチック海運指数と日本郵船のチャートを比較してみましょう。
日本郵船は日本で一番規模の大きい海運会社になります。参考までに。

直近高値

青色:バルチック海運指数    橙色:日本郵船

2つのチャートを比較してみるとラグはありますが、だいたい方向性自体はあっているように思います。
もし、実際に活用するのならば、直近高値や直近安値のラインをブレイクした時にトレンドが変わったとして判断するのが確実だと思います。

まとめ

バルチック海運指数は世界経済の先行指標を表します。
投資判断をする際には有用な指数と言えるでしょう。
しかし、BDIは不定期船に対する運賃の指標なので、投資判断するには情報不足感が否めません。
海運株に投資をする際は定期船の運賃推移も考慮しつつ判断するのが良いでしょう。以下にリンクを張っておきます。

参考 日本海事センター 海上荷動きの動向(定期船の運賃)

また、海運業界の分析についてもnoteで解説しているので良かったら読んでください。
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