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ROMは触らなくてもできる?

大それた題名ですが本当にそうなの?と思ったあなた。


ROMをするときってどこか触ったり、動かしてないと不安ですよね?


自分もそうでした。


もちろんケースバイケースですが、特に術後急性期においては特別触らなくても可動域が増えるケースを経験します。


なぜか?ポイントは


患者さん自身が、動かしても痛くないという経験を作るように援助すること


です。


例えば、あなたが大腿骨頸部骨折で術後の患者さんを担当しました。


手術翌日より理学療法介入し、さっそく背臥位で股関節の可動域を測りました。


角度としては、痛みもあって屈曲50°、内外転0°。


まあー、防御性収縮もあるし術後だからこんなものかなと思うかもしれません。


しかし、端座位をとらせてみると意外に座ることができる。


骨盤と大腿の角度をみてみると80度くらいは屈曲できている。


こういう場合どう考えますか?


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この場合、背臥位での股関節屈曲の制限因子は80度以上は別として、筋の短縮や拘縮ではないことが考えられます。


つまり、背臥位という肢位で常に伸張ストレスなどが生じている状態で、防御性収縮により下肢全体に力が入ってしまっています。


その状態で下肢を動かされるのだから動くわけありません。


当然、手術した脚をどこぞの他人から触られるのですから、患者さん自身怖くないはずもありません。


あなたならどうしますか?


健側から動かして、心の準備を作った上でその後患側を動かしてもいいかもしれません。


あと、評価は別に背臥位じゃなくてもいいですよね。


自動運動でもそうですが、他動運動による股関節の屈曲って重力に抗さないといけないので、防御性収縮が入っている人には余計に力を入れてしまう結果になりかねません。


やはりアプローチをする際は、それぞれの肢位のメリット・デメリットを考えていく必要がありますね。


そこを考えると、端座位を選択する方が、接触面積も増えますし、患者さん自身も目で見ながら自分の足をコントロールできます。


痛みの状態をみて座れたかなと判断できれば、痛くない範囲で患者さん自身に足を動かしてもらいます。


そして徐々に動かす範囲を広げてもらいます。


セラピストは

・どこに力を入れてもらいたいのか

・どうすれば楽に動かせるのか


などを患者さんの反応をみながら伝えるor介助していきます。


患者さん自身で出来るようになればセルフexとして指導してもいいでしょう。


このように術後の患者さんは

・痛くなりそうだから動かしたくない

・痛そうだから動かせない


といった思いから可動域制限を生み出しているかもしれません。


そのような方に対しては、徒手での介入も必要でしょうが、患者さんと一緒に痛くない動き方を探すことは大事な介入の1つだと考えます。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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