心を救ってくれた言葉たち
ここ数年、自分の身には色々な事が起こった。父の死、離婚、祖母の死など。そのたび心がふさぎ込んだりしたが、好きな音楽や本から語られる言葉から、多くの勇気をもらった。
今回は、僕が勇気づけられた言葉を紹介したい。
自暴自棄よりも早く走るしか 明るい部屋はないんだよ
ここ数年、僕の推しになった、カネコアヤノの「爛漫」(2020年)にある歌詞。
タイトルの歌詞は、2分48秒から。
以下は、全歌詞の引用。
カネコアヤノは、2023年に資生堂のCМで「光の方へ」が流れていて、それ以来ファンになった。過去の音源も遡って聞いて聞いたのだけど、その中でもこの「爛漫」が特別に好き。とてもシンプルなんだけど、ストレートなメッセージが伝わる。あと、カネコアヤノの表情が、とても好きだ。表情に嘘がない。
どうしようもねえな、と思った時に、この曲を聴くと、「よし、前に進むしかねえな」という前向きな気持ちにさせてくれる。
優雅な生活が最高の復讐である(Living Well Is The Best Revenge)
初めて、この言葉を耳にしたのは、1980年代~2010年代まで活動(2011年に解散)したアメリカのオルタナティブバンド、R.E.M.の同名タイトルから。2008年に発表されたアルバムACCELERATEのオープニングを飾る曲。
日本ではあまり馴染みがないバンドだが、アメリカでは、多くのアーティストからリスペクトされていて、僕も20年以上、ずっと聴き続けていた大好きなバンド。
この曲を聴き始めてから、このタイトルのインパクトが強すぎて、この言葉の意味の裏には、いったい、何があるのだろう、とずっと考えていた。
言葉の意味を調べたところ、タイトルはスペインの諺で「誰かを復讐したいと思うくらい憎く感じるなら、そんなヤツのことは忘れて、自分が幸せになる努力をしよう」という意味らしい。
同名の言葉がタイトルになった書籍がある。2004年に新潮社から発刊されていたが、絶版となっており、2022年に田畑書店から発刊された。初版は、1984年にリブロポートから発刊されている。良書は、版元を変えても、このように生き残っていくものか。
1920年代のフランスに滞在していたアメリカ人夫婦である、ジェラルド・マーフィとサラ夫妻の話。ピカソ、レジェ、コール・ポーター、ヘミングウェイ、フィッツジェラルドとゼルダ夫妻など時代を画する才能をもてなし、その創作活動に多大な影響を与えた。フィッツジェラルド夫妻を題材とした、「夜はやさし」のモデルにもなった。
文学には疎く、背景知識など全然わからないまま、偶然出会った本だけど、とても味わい深い本だった。
言葉を探っていて、このような文学作品まで辿り着くとは思わなかったが、ある意味、調べるというのは、執念だ。
執念によって、「知ること」「感じること」が拡張していく様は、なかなか興味深いものだ。
とにかく、どんな時でも、楽しく人生を優雅に生きてみせることが最高の生き方だ。人から、うらやましいと思うような生き方をしてみたい。
たゆたえども沈まず
はじめてこの言葉を聞いたのは、2020年頃のことだ。自分が、仕事で落ち込んだ時に、会社の先輩が、この言葉を一言だけメールで送ってきてくれた。
一体、どういう意味だろう?
調べてみると、これは、パリ市の標語であり、どんな強い風が吹こうとも、どんな波に翻弄されたとしても、揺れるだけで決して沈まない。幾度もの戦乱、革命を生き抜いてきたパリの象徴となっている標語だとのこと。
生きているうちには、揺れる時はある。ふらふらしているときもある。でも、沈まなければいいじゃないか。沈みさえしなければ、絶対に勝ち残っていける。そう、強く信じている。
あれから、どのような意図で先輩がそのメールを送ってきたのか、聞くのが野暮のようで聞けていないが、自分に前向きに頑張って生きてほしい、という前向きなメッセージとして受け取っている。
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