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磁力がないと大変_100日チャレンジ(93日目)

実は磁石には種類が2つあります。
日頃、プリントを止めたりするマグネットは、何もしなくてもずっと磁力を持っているので「永久磁石」と言います。
もうひとつは、電流を流すことで磁力を持つことができる「電磁石」です。

鉄の棒に導線をグルグルと巻いてコイルを作ります。この導線に電気を流すことで、磁界が発生し、コイルが磁石の性質を持ちます。
電気の流れる方向を変えることで、N極とS極を入れ替えることができます。

電磁石は電子レンジ、掃除機、洗濯機、プリンターなど電化製品から、電動自転車、電気自動車、リニアモーターカーなどに使われています。

電化製品には電磁石だけでなく、永久磁石も入っています。
コイルに向けて磁石をすばやく往復運動させると、コイルには電流が流れます。この原理を使っているのが、モーターです。
電気で動くものには、磁石が欠かせません。

自ら磁力を持っている永久磁石ですが、磁力を失うことがあります。
それは、高温になったときです。

冷蔵庫のマグネットなど普段使いするのは”フェライト磁石”。
酸化鉄にバリウムやストロンチウムを加えて焼き固めて作り、約460℃になると磁力を失います。普段ではこれほど高温になることはないことと、比較的安価で製造できるので、多く普及しています。

磁力の強い”ネオジウム磁石”は、鉄、ネオジウム、ホウ素を主成分として焼き固めますが、約310℃で磁力を失います。
強い磁力を持つので、ハードディスクのヘッド、小型スピーカー、携帯電話に使われています。

聞いたことが無いかもしれませんが、アルミニウム、ニッケル、コバルトを原料に作られる”アルニコ磁石”があります。この磁石は約800℃にならないと、磁力を失いません。
温度による磁力への影響が少ないので、測定機器や、通信機器などに利用されています。

身の回りにはたくさんの磁石が使われています。
役に立つ一方で、強い磁力は心臓ペースメーカー、クレジットカードや交通系ICカードの磁気センサーに影響を与えるので、注意が必要です。

磁力がないと電化製品は動かないのに、強すぎると磁力で動かなくなる。
便利と不便は表裏一体なのですね。






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