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子供・先生の命を守る防犯訓練のポイント


◯実践的な訓練

設立されて10年満たない学校に今年から赴任しました。そして、防犯訓練を運営する担当になりました。これまで、実践的な防犯訓練を実施したことがない学校だったので、今回は不審者侵入を想定して防犯訓練を行いました

不審者役を警察の方が担い、どこに侵入するかわからないという設定で訓練を行いました。

附属池田小学校の事件から学校もセキュリティーが強化されて簡単に不審者は侵入できませんが、万が一の時はたくさんの子供や教職員の命が危険に晒されます。
頻度は少ないが損失が大きいだけに予防は大切なのです。あってからでは取り返しがつきません。
だからこそ年に一度の研修でどれだけの危機感を職員に感じてもらえるかが勝負です。
そのためのポイントをまとめてみました!


◯ビデオでの振り返り

200人を超える職員が所属する学校なので、今回は50名ほどが訓練に参加し、不参加の職員はパブリックビューイングのような形をとりました。不審者からの視点と警察に通報する職員室の様子をビデオ通話で中継しました。

さらに、ビデオで撮影していました。学校内といえどもネット環境が不安定な場所だと映像が途切れることもありました。そのため、撮影していたビデオを訓練後に流して、警察の方の助言を受けました。

◯不審者に対する対応の心構え

不審者に対して、教職員がすべきことは警察が来るまでの時間稼ぎです。その間、子供・職員の安全を確保することが大切になります。刃物を持っている場合には尚更です。

安全を確保する時に大切なのは、相手との間合いです。刃物が届くような間合いに詰められると怪我を負ったり最悪の場合は命に関わる可能性があります。

今回、訓練を実施したことで警察と教職員との役割分担をはっきりとさせることの大切さを感じました。子供達の安全を守るために不審者との間合いを詰めて制圧しようとする形になってしまいました。

間合いを確保するためには、さすまたを活用することが大切です。さすまたは間合いを取るために有効な用具です。

教職員はさすまたやそれ以外でも間合いの取れる道具を駆使して不審者と距離を詰めない意識が大切です。

◯マニュアルの浸透

不審者侵入ということは年に1回もないどころか、これから先も経験することがない可能性もあります。しかし、万が一その事態を迎えた時には命を落とすリスクまであります。従って学校には不審者が侵入した時のマニュアルがあります。
マニュアルも重要度は高いですが、日常使用するものではないため、年に1〜2回の確認程度です。年に1回のことでは、マニュアルの内容は浸透しません。
今回実践的な訓練を実施したことで、マニュアルの再確認と万が一、不審者が侵入したら…という危機意識を教職員の皆さんに持って頂けたと手応えを感じています。

感想もたくさん書いて頂いており、年に数回でも危機管理に対して考える機会になったようです。

◯防犯訓練で行うべきポイント

  • 不審者への対応方法(さすまたの活用)
    さすまたの使い方を学び、使えるようになることが大切です。学校であれば、必ず置いてあるはずなので、あっても使い方がわからないと宝の持ち腐れです。持ち方など注意点があるので、講師の話とさすまたを実際に持って練習していることが大切だと感じました。

  • 不審者侵入を想定した訓練の実施と振り返り
    机上で考えたマニュアルと現実はギャップが生じます。今回も訓練実施したことで見えた改善点があります。
    そして、専門家(警察)による振り返りです。専門家の視点で解説いただくと、知らなかったポイントがたくさんあることに気がつきます。例えば、学校にある防火扉を閉じてしまうことで不審者を子供がいないスペースに閉じ込めるといったアイディアをいただきました。

  • 参加者からの意見、改善点を吸い上げて、マニュアルに落とし込む
    200名を超える教職員が参加しているので、200名以上の別の視点があります。見る立場も違うので、運営側からは気づかなかった点もありました。それらを集めるだけではなく、来年度以降の訓練やマニュアルに落とし込んで、学校全体の防犯力アップするのが大切です。

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