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データ分析のコツ②

②知りたいことを端的に示す

全国展開している小売店における本社の営業本部長は、これまで各都道府県単位でのエリアを設け、各エリア毎に販売戦略を任せていました。今後も全国で画一的な販売戦略を取る予定はありませんが、都道府県別・商品別の売上データを見てみると、商品ごとの売上にかなりばらつきがあることが分かりました。
今後、会社の売上を拡大させるためには、各都道府県で売れているもののさらなる増販も重要ですが、売れていないものの底上げも大事だと考えています。そのため、営業本部長は一つの仮説として、こんな仮説を思いついたとします。

ある都道府県で他の都道府県よりも相対的に売れていない商品は、うまくやれば、今後販売を拡大する余地があるのではないか。

そこで、全国の商品別の販売実績と個別都道府県(例では東京都)の商品別の販売実績を全体に対する商品別シェアで比べるために、以下のようなグラフを作成しました。
この二つのグラフを比べて、全国では売れているが、東京都では売れていない商品を見つけ出し、その商品のテコ入れをする、というのがアクションになります。

では、どの商品がその条件に当てはまるでしょうか。この例ではコピー機が該当しそうです。他にはあるでしょうか。別の都道府県ではどうでしょうか。一つ一つの商品を見比べて、特定していくのは少し時間がかかりそうです。

ここで、改めて見たかったことは何かを明確にしたいと思います。探したいものは「全国では売れているが、東京都では売れていない商品」です。それを端的に表す分析(グラフ)を作成するとこうなります。

これを見ると、コピー機の他にアプライアンスや椅子も同じような条件に当てはまることが一目で分かります。
そうすると、今度は逆にそれらの商品で売れている都道府県はどこなのか、それらの都道府県はどんな工夫をして、それらの商品を売っているか参考にしてみよう、となります。先ほどの二つのグラフを比べて、どの商品を対象とするか、を見つけるのに時間をかけていた「分析」と比較すると、一歩先のアクションに短時間でたどり着くことができたと思います。
下のようにいくつかのグラフを並べて表示すると、さらに全国との比較や対象とする商品、その商品をよく売っている都道府県がパッと見ることができます。

アクションにつなげるための分析と可視化のコツは、いかに見つけたいこと・伝えたいことをシャープにデータ・グラフで示すことができるか、ということだと言えます。


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