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【温泉マニア垂涎!千原温泉の衝撃体験】山奥の秘湯で感じた“本物の温泉力”

温泉好きなら一度は行くべき“足元湧出”の奇跡

「本物の温泉に入りたいなら千原温泉に行け」

温泉好きの間でまことしやかに囁かれるこの言葉。その評判を確かめるべく、私は島根県美郷町の山奥にひっそりと佇む【千原温泉】を訪れることにした。

事前情報では、ここは「全国でも珍しい足元湧出の温泉」で、ぬるめの源泉が体の芯までじっくりと温め、傷や火傷の治療にも使われてきた“奇跡の湯”とのこと。さらに、広島の被爆者の療養にも使われた歴史を持ち、地元の人々には「何かあったら千原の湯へ行け」と言われるほどの信頼を得ているという。

そんな伝説級の温泉に、温泉マニアとしての血が騒がないわけがない! いざ、千原温泉へ。


【到着】山奥の秘湯、千原温泉へ

ナビを頼りに車を走らせること約1時間半。道は次第に細くなり、山間の景色が広がる。こんなところに本当に温泉があるのか?と不安になりかけた頃、ふと現れる小さな看板。「千原温泉→」の文字にホッと胸をなでおろしながら進むと、山々に囲まれた鄙びた木造の建物が現れた。

宿泊施設はなく、湯治場としての営業のみ。観光地化されていないこの素朴さが、すでに“ただものではない感”を漂わせている。受付で入湯料を払い、浴場へ向かうと……そこには、私が今まで体験したことのない衝撃の光景が広がっていた。


【入浴】湯船の底から湧き出る“生きた温泉”

千原温泉の浴槽は、決して広くはない。むしろこぢんまりとしている。しかし、その湯船の底からは、シュワシュワと絶え間なく炭酸ガスが湧き上がり、黄褐色の湯が生き物のように動いている。源泉が地面の底板の間から直接湧き出ているという、全国でも極めて珍しいスタイルだ。

おそるおそる足を入れると……

「ぬるい……でも、すぐに体がポカポカしてくる!」

泉温は約32~34℃と低め。だが、しばらく浸かっていると、じんわりと体が温まり、血流が良くなるのを感じる。体中に細かい泡がまとわりつき、足元からポコポコと湧き上がる炭酸ガスの刺激が心地よい。

湯の中をじっくり観察してみると、大きな泡、小さな泡、それぞれが絶え間なく立ちのぼっている。「まるで生きているみたいだな……」と思わずつぶやくほど。


【湯治場としての空間】

千原温泉には、一般的な温泉地にあるような華やかさは一切ない。あるのは、湯治場本来の静謐な空気と、淡々と温泉に身を委ねる人々の姿。

「今日も腰が痛くてねぇ」「うちのじいちゃんは、この湯でリウマチが楽になったんよ」

常連らしきおばあちゃんたちが、穏やかに会話を交わしている。

そんな中でふと気づいたのが、「湯の力で治そう」という意識の高さ。観光地の温泉とは違い、ここに来る人々はみな、温泉に“入る”のではなく、“浸かる”ことを大切にしているように見えた。


【上がり湯】五右衛門風呂で仕上げる

「ぬるめの温泉だから、長時間浸かれる」というのが千原温泉の特徴のひとつだが、それでも湯から上がると若干の冷えを感じる。そんなときのために用意されているのが、薪で沸かした五右衛門風呂の上がり湯。

10月から6月にかけて、源泉を薪で加熱したこの湯にサッと浸かることで、仕上げの温まり効果は抜群。熱い湯がじわっと肌にしみ込み、湯冷めを防いでくれる。


【持ち帰り温泉】自宅での活用法

千原温泉の湯は、持ち帰ってもその効能が持続するという珍しい特徴を持つ。

受付では、2Lのペットボトルに詰められた温泉水が販売されており、常連客の中には10本以上まとめ買いする人もいるほど。飲用は禁止されているが、肌にスプレーしたり、湿布のように使ったりと、その活用法はさまざま。

「千原の湯を顔に吹きかけたら、肌がスベスベになった」という女性客の声も聞こえた。


【まとめ】千原温泉は“温泉マニアの聖地”

千原温泉は、ただの温泉ではない。これは「温泉力」を全身で感じられる、まさに“本物の湯”だ。

足元湧出の新鮮な源泉、濃厚な成分、長時間浸かれるぬるめの湯温、そして昔ながらの湯治文化。これらが揃った温泉は、全国を探してもそうそう見つからない。

温泉マニアならば、一度は訪れるべき場所。それが千原温泉だ。

次の休日、あなたもこの“生きた温泉”に浸かりに行ってみてはいかがだろうか?

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