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現代アート「My fair prisoners!?3」の国木田独歩さんの調書とエッセイ※全文掲載

この方は、「武蔵野」、「牛肉と馬鈴薯」等で有名な先輩日本人作家です。名前は、国木田独歩(どっぽ)さんです。 

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         My Fair Prisoners!?

囚人番号:20171019214959

名前:ガリ亀

懲役:36年

服役した刑務所:宮谷県海上郡銚子

音楽:浪曲 広沢虎造

映画:

本:「学問のすすめ」

罪:締め切り日を一度も守らなかった

喜:自分の本が本屋に並んだ事。子供が産まれた事。

怒:戦争。

哀:妻に先立たれた事。二度も結婚に至らなかった事。

楽:本屋で自分の本を確認する事。

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「ガリ亀」さん

 「ガリ亀」は、小学校時代、しょっちゅう喧嘩ばかりしていた。喧嘩の時に相手を爪で引っ搔く事から付いたあだ名。けっこう気に入っている。

 4歳から16歳まで、中国地方に住んだ。 

 東京専門学校(※現在の早稲田大学)時代に、多くの友人たちと交流を持った。明治維新に興味を持ち、「ガリ亀」は日本を変えたいと強く思った。英語教育が必要だと思い、英語の塾を開こうとしたが、時期が悪く、叶わなかった。 

 確かに、月琴で遊んでいた。無になれる時間帯だった。 

 波野英学塾では、思いっ切り英文学の講義が出来て、これからは英語の時代になると確信した。 

 民友社時代は幸せな時代だった。今考えると、作家よりも記者の方が自分には合うと思う。 

 また、女性とはなかなか上手く行かなかった。それくらい、クリスチャンである事が難しい時代だった。男尊女卑な人間だと思われているようだが、二度も好きになった女性と上手く行かなかった事が、大きく影響してるだけ。 

  「婦人画報」から「戦時画報」に変えた時に、筆で戦争を終わらせたいと願った上の判断だった。 

 36歳で夭折したが、生き切ったと言えない事もない人生だったと、「ガリ亀」は言う。「もし生まれ変わったら、作家は止めて、新聞記者になりたい」そう言う「ガリ亀」だった。(了)

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※この方も刑期を終えました。

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