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【読書メーターまとめ】2024年8月に読んだ本

 今月も読書は、大学院での勉強に関連するもの中心になった。
春学期の授業も終わりもう少し手を拡げたいがまだまだである。

2024年8月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1521ページ



■学校と社会 (岩波文庫 青 652-2)

読了日:08月08日 著者:J. デューイ

19世紀末におけるシカゴ大学付属小学校でデューイが中心に行った教育を中心に論が進む。子供が学習の中心であり、教師や教科書はその学習ためにあるのであり、教師や教科に子供が合わせるのではないとする、いわゆる子供は教育における中心=太陽であるとする。オキュペーションという仕事を学習の中心におき、そこから探求していくという学びのスタイルは今の探求学習そのものである。また人類の進化の歴史への探求を重視するというのは、進化論の影響がみられるという。学校と社会の関係性も今の時代でも生きている課題ではなかろうか。

■参禅入門 (講談社学術文庫 717)

読了日:08月13日 著者:大森 曹玄

長年の積読本。永平寺参拝の道すがら読み進めた。不立文字と言われる禅が一番文章が多いというが、読んでいてその世界に引き込まれる。これを体験のみで体得するのはかなりの修行が必要だろう。座り方から背景にある禅の思想、禅の効用まで幅広く取り上げてくれている。以下引用。前途は真実の自己にめざめ、真実の自己をしっかりつかむこと。すでに過ぎ去った過去を追わず、まだこない未来をも迎えずいわゆる前後を裁断した絶対の現在に直面しているかどうか点検するのがよい。何事かしようとするには思い立ったらそのまま分別なしにするのがいい。

■「叱れば人は育つ」は幻想 (PHP新書)

読了日:08月16日 著者:村中 直人

「叱る依存がとまらない」の著者による4人の識者との対談。どの対談も興味深いが、とりわけ大山加奈さんとの対談にひかれた。大山さんは同期の荒木さんと自分の対比し、勝つスポーツから人生を豊かにするスポーツへの転換という考えを紹介する。大山さんは、バレーをする際、目標はもっていたが目的を見失っていたと振り返る。小さいころからバレー漬けで目標はあったが楽しみはなかったのに対し、荒木さんは小さい頃色々なスポーツを楽しみその中から自分でバレーを選び、30歳過ぎてもバレーが楽しいと現役を続けている姿からそう考えたという。

■ダイアローグ 対話する組織

読了日:08月23日 著者:中原 淳,長岡 健

何度も手に取って考えたい大事な本。企業で課題だと認識されていることの根源は組織内コミュニケーションのあり方にあり、それを見直すことで、人々はお互いを理解し、自らの行動を見直し変容させる可能性があるとする。本書を貫くのが「導管メタファー」からの脱却である。コミュニケーションは、情報の移動ではなく、人々の行動や思考の変化をもたらすためのものと捉える。そのためには相手の価値前提や行動の背景にある世界観を知ることだという。それが対話のベースとなる。他社理解と自己理解。noteで別途感想含めしっかり書きたいと思う。

■「自分ごと」だと人は育つ: 博報堂で実践している新入社員OJT 1年間でトレーナーが考えること

読了日:08月23日 著者:

仕事のやり方は大きく変化しているにも関わらず変化しないOJT。「任せて・見る」「任せ・きる」フェーズで構成しなおした博報堂における取組みは非常に興味深い。1年間で伝えるべき意識・マインドを徹底して伝えることを重視するという。印象に残った点は、今と昔の学習の仕方の変化である。昔は、見て学ばせ、模倣させるスタイルであったが、今は、いい悪いではなく、何でも検索できるのでまず全体像を理解した上で実際にやってみるというスタイルを志向するという。学習方法が機能的から演繹的に変わったと表現する。腹落ちさせられる指摘だ。

■人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。

読了日:08月28日 著者:労務行政研究所

課題図書として通読。タイトル通り、人事の担当者が知っておきたい基本的な知識について書かれている。冒頭の守島先生による「今、人事部に求められていること」は、人的資本経営が言われる今になってさらに重要性が増している。その他、内容にざっと目を通す。人事経験がない私でもおおよそ知っていることが多かった。何かあった時の参考にはなる。

今月の読書を振り返って

 一度読むだけではなく、繰り返し読みたい本が多かった。
大学院の小休止の間は、もう少し分野広げて読みたいが、人材開発・組織開発だけでもかなりの読みたい本がありそれもままならない。時間との戦いい、いや自分との戦いである。

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